あかね
湊
あかね
ごめんね
湊
あかね
あかね
ボランティア
もう来ないって
湊
湊
飽きちゃったね
あかね
あかね
あかね
湊
あかね
あかね
あかね
湊
あかね
あかね
あかね
どうしたい?
湊
湊
になると思うけど
あかね
あかね
寂しいなって思ったから
湊
湊
湊
あかね
ねえ私のこと あなたは ほんとに なんとも思ってなかったの?
あかね
あかね
じゃあなんで あの子と別れたの
彼の答えを 想像するだけで 身震いした
残酷な結末に 自ら 飛び込んでいく
こんなの自殺行為だ
あかね
好きだったの
あかね
あかね
湊
彼は答えなかった
長い長い沈黙が落ちて
気まずくて 何か言おうと口を開きかけた
あかね
湊
湊
湊
湊
湊
湊
知ってるよね?
頭が
真っ白だ
あかね
別れたんじゃないの?
湊
あかね
みんな噂してるよ
あかね
今はいないから
湊
湊
知らないけど
湊
あかね
湊
玲奈はひとりでいたがる
時があるから
あかね
あの、ごめんね
私…
あかね
それで…
湊
湊
湊
湊
あかねさんとは付き合えない
湊
別れたとしても
あかね
あかね
あかね
あかね
湊
湊
湊
湊
あかね
彼女に勝ちたかった
勝てなくても彼が欲しかった
─ある日の放課後─
玲奈
玲奈
知ってるの?
あかね
あかね
あかね
手伝いが終わるの
待ってたんだ
玲奈
あかね
告白するつもりだったから
あかね
思ってさ、何時間も
玲奈
あかね
待って待ってようやく
出てきたと思ったら
あかね
あかね
あかね
帰っていくのを見て
あかね
あかね
玲奈
あかね
その日の委員会の仕事中に
玲奈さんが告白したって
聞いてね
あかね
タイミングが
違ってたら
あかね
湊くんと付き合ってたかも
知れないよね?
玲奈
と思う、けど
あかね
あかね
そういうのいらないの
あかね
話し方ずっと嫌いだった
玲奈
玲奈
あかね
あかね
嫌いだった!!
あかね
話しかけてただけで
あかね
あかね
自分でも信じたくないような 酷い言葉たちがとめどなく 溢れてくる
私ってこんなに 汚い人間だったの? どこにこんな醜いものが 潜んでたの?
玲奈
嫌いじゃなかった
あかね
もうどうでもいいよ
彼女は何も悪くない
あかね
何も悪くないのに どす黒い感情が抑えられないの
あかね
あなたのこと嫌い!
誰かを好きになるって こんなに 醜いものなの?
玲奈
玲奈
肩で息をするぐらい 興奮して激情に 振り回されている私と
信じられないくらい 淡々とした彼女
玲奈
あかねさんは
いつも言葉と心が
玲奈
もしも湊くんが彼女の そんな飄々としたところを 好きになったなら
あかね
玲奈
あかね
玲奈
あかねさんなんだね?
玲奈
怖かったけど
玲奈
私なんて
敵うわけないって 思い知らされる
彼が選んだのは そんなあなただってことに
何度も何度も
うちのめされてしまうんだ
笑っちゃうよね
…うそ 全然笑えない
本当は私だってわかってた わからないほど鈍感じゃない
彼女はいつも 真っ直ぐに背中を伸ばして 泳ぐように先を歩いて
その少し後ろを少し遅れて あなたが歩いてたよね
あなたは 彼女の背中をただ見つめてた 見守るように慈しむように
あんなに優しい目
私は一度も
向けられたことなんかなかったよ
わかってた
本当は順番なんて関係なかった
あなたはいつも
ずっと 彼女ばかり見てたね
知らないふりしてた …認めたくなくて
あの時もしも先に告白して
もし私が彼女になれてたとしても
あなたはきっといずれ 彼女に恋をして
私はどっちにしろ
振られて泣くことになったんだろう







