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あかね

こないだはありがとう!

おつかれー

あかね

なんか振り回して
ごめんね

気にしないで!

あかね

あのね

あかね

玲奈さん
ボランティア
もう来ないって

んー

多分もう
飽きちゃったね

あかね

ふふ

あかね

慣れてるなぁ笑

あかね

だいじょぶそう?

気分屋だからね

あかね

(違うのに)

あかね

(玲奈さんの話じゃない)

あかね

(湊くんのことだよ)

心配しないで

あかね

あのね

あかね

こんな時になんなんだけど

あかね

湊くんはボランティア
どうしたい?

俺は続けるよ

できる範囲で、
になると思うけど

あかね

よかった

あかね

二人とも抜けちゃったら
寂しいなって思ったから

大丈夫

また何かあったら声かけてね

出来る限り協力するから

あかね

ありがとう!✨

ねえ私のこと あなたは ほんとに なんとも思ってなかったの?

あかね

あの

あかね

私ずっと

じゃあなんで あの子と別れたの

彼の答えを 想像するだけで 身震いした

残酷な結末に 自ら 飛び込んでいく

こんなの自殺行為だ

あかね

湊くんのこと…
好きだったの

あかね

今も、好きなの

あかね

…だめかな…?

……

彼は答えなかった

長い長い沈黙が落ちて

気まずくて 何か言おうと口を開きかけた

あかね

なんて、

ごめんちょっと

待って

ごめん

よくわからないんだけど

彼女いるの
知ってるよね?

頭が

真っ白だ

あかね

えっと…
別れたんじゃないの?

誰に聞いたの?

あかね

誰って…
みんな噂してるよ

あかね

ずっと一緒にいたのに
今はいないから

はあ

…誰が言ってるのか
知らないけど

俺達、別れてないよ

あかね

…え?

今距離おいてるだけ
玲奈はひとりでいたがる
時があるから

あかね

あ…
あの、ごめんね
私…

あかね

二人が別れたと思ってて、
それで…

うん

多分噛み合ってないんだな

ごめん、悪いけど言う

俺は玲奈が好きだから
あかねさんとは付き合えない

…もし玲奈と本当に
別れたとしても

あかね

…この先も

あかね

っ、

あかね

ずっと

あかね

…ありえない?

ごめん

それは

ないって思ってる

俺、行かないと

あかね

……っ

彼女に勝ちたかった

勝てなくても彼が欲しかった

─ある日の放課後─

玲奈

え?なんであかねさん

玲奈

私が湊に告白した日
知ってるの?

あかね

知ってるよ?

あかね

あの日

あかね

湊くんの図書委員の
手伝いが終わるの
待ってたんだ

玲奈

湊を?

あかね

うん
告白するつもりだったから

あかね

絶対今日しかないって
思ってさ、何時間も

玲奈

そうだったんだ

あかね

でもさ
待って待ってようやく
出てきたと思ったら

あかね

湊くんと玲奈さん

あかね

手つないでた

あかね

手をつないで二人が
帰っていくのを見て

あかね

私何もできなくてさ

あかね

ショックだった…

玲奈

あかね

後から
その日の委員会の仕事中に
玲奈さんが告白したって
聞いてね

あかね

ほんのちょっと
タイミングが
違ってたら

あかね

私の方が先に告白して
湊くんと付き合ってたかも
知れないよね?

玲奈

…可能性はあった
と思う、けど

あかね

けど、かあ

あかね

…いっつもそうだよね
そういうのいらないの

あかね

その人をバカにした
話し方ずっと嫌いだった

玲奈

バカにしてないよ

玲奈

…でも、ごめん

あかね

そうだよ

あかね

あなたのことずっと
嫌いだった!!

あかね

学級委員だから
話しかけてただけで

あかね

本当は…

あかね

私……

自分でも信じたくないような 酷い言葉たちがとめどなく 溢れてくる

私ってこんなに 汚い人間だったの? どこにこんな醜いものが 潜んでたの?

玲奈

私はあかねさんのこと
嫌いじゃなかった

あかね

それが何?
もうどうでもいいよ

彼女は何も悪くない

あかね

私は嫌いだもん

何も悪くないのに どす黒い感情が抑えられないの

あかね

今もずっと
あなたのこと嫌い!

誰かを好きになるって こんなに 醜いものなの?

玲奈

うん

玲奈

それはきっとほんとだね

肩で息をするぐらい 興奮して激情に 振り回されている私と

信じられないくらい 淡々とした彼女

玲奈

私には
あかねさんは
いつも言葉と心が

玲奈

反対に見えてたよ

もしも湊くんが彼女の そんな飄々としたところを 好きになったなら

あかね

(反対?)

玲奈

でも今は違うね

あかね

なにいってるの…

玲奈

多分それが本当の
あかねさんなんだね?

玲奈

わからないからちょっと
怖かったけど

玲奈

今は怖くないよ

私なんて

敵うわけないって 思い知らされる

彼が選んだのは そんなあなただってことに

何度も何度も

うちのめされてしまうんだ

笑っちゃうよね

…うそ 全然笑えない

本当は私だってわかってた わからないほど鈍感じゃない

彼女はいつも 真っ直ぐに背中を伸ばして 泳ぐように先を歩いて

その少し後ろを少し遅れて あなたが歩いてたよね

あなたは 彼女の背中をただ見つめてた 見守るように慈しむように

あんなに優しい目

私は一度も

向けられたことなんかなかったよ

わかってた

本当は順番なんて関係なかった

あなたはいつも

ずっと 彼女ばかり見てたね

知らないふりしてた …認めたくなくて

あの時もしも先に告白して

もし私が彼女になれてたとしても

あなたはきっといずれ 彼女に恋をして

私はどっちにしろ

振られて泣くことになったんだろう

みなれいとゆらゆらの日々

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