TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

会社員の加奈子は、格安で契約したアパートに越してきた。

加奈子

よし!片づけおしまい!

加奈子

それにしてもこの広さで、家賃4万円ってかなりお得よね〜

加奈子

あ!お洋服もしまわなくちゃ!

黙々とクローゼットの中に衣類を収納していく。

時刻は午後8時になった。

加奈子

あれ?

加奈子

クローゼットの扉が全然動かない

加奈子

ぐ…

加奈子

ダメだわ、ビクともしない

加奈子は片づけを中断し、クローゼットの扉を点検し始めた。

加奈子

特に問題ないようね…

加奈子

なんでだろう…

手のつけようがないので、加奈子は夕食を食べることにした。

加奈子

結構食べちゃった…

加奈子

また太る…

加奈子

まあ明日からダイエットすればいっか!

開きっぱなしになってるクローゼットが加奈子の目に入る。

加奈子

あーそうだった…

加奈子

なんとかしなくちゃ

クローゼットの扉に力を入れると、すっと扉が元の位置まで戻った。

加奈子

え!?

加奈子

なんで?

加奈子

……

加奈子

まあいっか

加奈子

建てつけが悪かったのかな

クローゼットが開かなくなるのは、その日だけではなかった。 夜の8時ごろになると、決まってクローゼットの扉は開かなくなった。

しかし加奈子は次第に慣れていき、建てつけの悪いクローゼットを気にしなくなっていた。

1年後

加奈子は交際中の男性と結婚することになった。当然、今住んでいる部屋から出ていかなければならない。

加奈子

この部屋ともお別れか…

加奈子

お世話になりました!

加奈子

あ、最後に大家さんにご挨拶しなきゃ

大家宅の呼び鈴を押す。間もなくして、大家の老婆が出てきた。

大家

あらあら〜どうも〜

加奈子

今までお世話になりました。つまらないものですが、こちらどうぞ。

加奈子は菓子折りを大家に手渡した。

大家

ありがとうね

大家

あの部屋大丈夫だった?

加奈子

とても住み心地の良い部屋でした!

加奈子

正直、引っ越したくない気持ちもあります笑

大家

そう…

加奈子は、直感的に大家が何かを気にしていることに気づいた。

加奈子

あの部屋何かあったのですか?

大家

あれ?不動産屋さんから聞いてない?

加奈子

え?

加奈子

いえ、何も…

大家

あの部屋

大家

以前に首吊り自殺があったのよ

大家

クローゼットの取っ手に紐を括りつけて

加奈子

え…

絶句する加奈子。

大家

私は幽霊とか信じてないんだけれど

大家

それでも人が死んだ後の部屋って何か起こりそうな気がして…

大家

だから新たに貸すのが不安だったんですよ…

大家

でも、何もなかったのであれば一安心です

大家

じゃあ私はこれで

大家

幸せな結婚生活を送ってくださいね

加奈子

あ、あの!

大家

はい?

加奈子

ちなみになんですけど…

加奈子

自殺した方の死亡した時刻ってわかりますか?

大家

えーと…

大家

警察の方いわく

大家

夜の8時から9時の間って言ってたような

加奈子

……

加奈子

そうですか。ありがとうございました

加奈子

それでは、これで失礼します

顔を真っ青にした加奈子は、急足で表に向かった。

加奈子

……

加奈子

扉が開かなかったのは

加奈子

自殺した人の体の重み…

加奈子

しかも開かなくなる時刻が死亡推定時刻と重なる…

加奈子

これは偶然なのかしら…

外には婚約者の浩(ヒロシ)が車の中で待っていた。加奈子は、浮かない顔をして助手席に座る。

加奈子?どした?

加奈子

ううん、何でもないよ

加奈子

ちょっと貧血なだけ

そっか

そういえば、これから住む家さ

めちゃくちゃ良い部屋だよね

加奈子

そうね、2人して必死に探したもんね

根気強く探してみると、意外と良い部屋ってあるんだね

加奈子

そうそう!

加奈子

諦めない気持ちが大事!

確かにね笑

あ、そうだ!

不動産屋から連絡きてたんだけど

報告しそびれたことがあったらしくて、めちゃくちゃ謝ってきたよ

大変申し訳ございません!って何回も言ってた笑

加奈子

そんなに笑

加奈子

ちなみに言いそびれたことって何だったの?

えーと…

なんだっけ笑

あーそうだ!思い出した!

クローゼットが開きにくいから気をつけろだってさ…

この作品はいかがでしたか?

120

コメント

3

ユーザー

引越しする事が決まった後で、よかったと思ったら…。せっかく見つけた部屋まで! ゾワッとしました!!

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚