それから、3ヶ月後
ゆき
全然効果ないよー。
翔
俺も。
ゆき
4ヶ月前に腫瘍摘出手術したんだけどねー
翔
俺もしてるよ。
ゆき
やっぱ無理だなー
ゆき
ゆきね、リンパにも、肺にも転移してたの。
翔
俺は、肺と肝臓に
翔
肺痛いし、頭痛いし。
ゆき
そっか。ゆきの寿命ってあと3週間なんだって。
翔
マジか…
翔
俺も時間の問題だな。というか俺は4週間だってよ。
ゆき
私の方が早いじゃん。
2週間後
翔
おはよ
ゆき
お、はよ
翔
あと1週間しかないな
ゆき
う、ん
ゆき
今日も、具合悪いよ
翔
そうか。
看護師
浜辺ゆきさん検診です
ゆき
行ってくるね。
ドスッ
ゆき
あれ。歩けない
ゆき
すみません。車椅子をください。
看護師
わかりました。
ゆき
じゃあ行ってくる。
翔
いってら
翔
(ゆきはとうとう歩けなくなったのか。脳腫瘍に圧迫されてるんだな。可哀想に)
翔
(ゆきって可愛くて前向きでいい子だなー。もしかして、俺ってゆきのこと好き??)
ゆき
ただいまー
翔
おかえりー
翔
どうだった?
ゆき
ん?なんか、脳腫瘍が4センチになってた。
ゆき
あと、その脳腫瘍に圧迫されて、足が動かなくなってるし、その次の神経が、心臓を動かす神経なの。
翔
え。
ゆき
だから、もうすぐゆきの人生終わるかも
翔
そんな悲しい話するなよ。
翔
ゆきには俺がついてるから
ゆき
ありがとう
翔
俺もこのあと検診だから。
看護師
藍川翔さん検診です
翔
じゃあ行ってくる
ゆき
行ってらっしゃい
バタンッ
ゆき
翔大丈夫?
翔
あっ、俺も歩けねーや。
翔
すみません。車椅子ください。
看護師
わかりました。
翔
じゃあ行ってくるわ
ゆき
行ってらっしゃい。
ゆき
(翔カッコいいなー。ゆき、翔のこと考えるとほっぺが熱くなる)
ゆき
(これってもしかして、ゆきって翔のこと好きなのかな?)
ゆき
(私の命も、もうすぐ終わっちゃうから、私の気持ち翔に伝えとこう)
翔
ただいまー
ゆき
おかえり!
ゆき
どうだった?
翔
俺の腫瘍は、4センチ
ゆき
ゆきと一緒だ。
翔
俺の肝臓の働きが悪くなってきたらしい。転移してるから。
翔
あと、肺はそんなに悪くなってなかった。
ゆき
そうなんだ。ゆきは、呼吸すると痛いし、頭も痛いし、首のリンパも痛い。
ゆき
あと、たまにフラッとするのはなんでだろう?
ゆき
すみませーん
医者
どうしました?
ゆき
たまにフラッとするのはなんでですか?
医者
それは、たまに心臓の動きが、一瞬止まったりするからです。
ゆき
それって…
医者
もう少しで…という合図かもしれません。
医者
不整脈というのですが、それが多くなると、それの合図です。
ゆき
え
翔
ということは
翔
ゆきは、大丈夫なんです……
バタンッ
医者
藍川翔さん大丈夫ですか?
看護師
藍川さん藍川さん
医者
今すぐ手術室に運びましょう
看護師
はい。
ゆき
翔……
フラッ
ゆき
うわー。これほんとやだなー。
ゆき
(そうだ!今のうちに翔に手紙書いとこ!)
しばらくして
翔
さっきはごめんね。俺も不整脈だ。初めてだったけど。
ゆき
そうなんだ。私翔が行ってから3回くらいあった。
翔
本当にお前大丈夫か?
ゆき
翔こそ。
フラッ
ゆき
はー。
翔
今の不整脈だろ。
ゆき
うん。大丈夫心配しないで。
ゆき
じゃ、おやすみ
翔
おやすみ
翔が寝てから
ゆき
すいません
看護師
どうしました?
ゆき
これ、私がなくなったら翔に渡して欲しいんです。
看護師
わかりました。預かります。
いよいよ次は最終回