浜松イル
しばらく歩いたところでイルが声をかけた
繋いだ手をそのままに
陸はイルの方に顔を向ける
松崎陸
浜松イル
松崎陸
浜松イル
松崎陸
陸が手を離そうとするも
浜松イル
イルがその手を強く握る
浜松イル
小さい頃からずっと
イルは圭子と比べられることが多かった
明るく活発で成績もいい圭子とは対照的に
イルは控えめで大人しく
それが原因でいじめの対象となり
男子生徒と言葉を交わすことも少なく
手を繋いだことなど一度もなかった
駅までの道中
特に会話はなかったが
繋いだ手から伝わる温もりと優しさに
イルの心は救われていた
松崎陸
浜松イル
何気ない陸の言葉に
イルの目から涙が溢れる
松崎陸
浜松イル
松崎陸
浜松イル
浜松イル
浜松イル
浜松イル
陸が鞄からタオルを取り出しイルに手渡すと
イルは黙ってそれを受け取り涙を拭った
改札を抜けてホームへと繋がる階段を下りると
さっきまでの下校ラッシュが落ち着いたのか
ホームにはあまり人がいなかった
そこでようやく手が離れる
浜松イル
松崎陸
浜松イル
松崎陸
電車に乗り
イルの最寄りの駅で二人揃って下車
改札の前までイルを送ると
陸は再び電車に乗り家に向かった
陸と別れた帰り道
イルは何度も確かめるように
短くなった髪を触っていた
数時間前にはまだ長かった
理不尽な理由で無惨にも切られ
浜松イル
不安な気持ちでいっぱいになっていた
そんなイルの心を救ったのは陸だった
穂波のことや圭子のことを考えることもなく
イルは家に帰りついていた
浜松イル
浜松ミク
浜松イル
何事もなかったかのように
イルは短くなった髪を母親に見せた
浜松ミク
浜松イル
浜松ミク
あまりのことに驚き
何も言えない母親を横目に
イルは階段を上がり自分の部屋へ
姿見で何度も確認しながら
浜松イル
自分の心にそういい聞かせていた
コメント
1件
山田コアラさん! 一ノ瀬唯真です!よろしくお願いします! 続きありますか?是非出して欲しいです!