『迷へる魂』
その異能は、 一つの手からこぼれ落ちた物だ
この世の人間は、 全て生と死が決まっている、
一回しか与えられない、
定められた死
その少し前の "生" と云う刻限を
人は自らが左右させていると 思っている、
ただ、生と死は免れない、
運命なのだから、
そのこぼれ落ちた異能は、 定められた死まで永遠と 生を享受し続ける
それこそ、神の手から こぼれ落ちたもの、
或いは____
死を遂げることが できない
そんな苦痛を味わう "呪い"か…
その異能を受け継いだ 少女ですら判らない、
そして
毎日、少女は問うのだ
この異能は、
"なんの為に"
"どのようにして"
使いこなせば良いのかと__
犯人の男が、ナイフを振りかぶる。
男
翠
このまま待てば死ねるのだろうか?
一冊の小説の中の一人として、 死を遂げられるのだろうか?
翠
中也
床を蹴る音が響く。 それに気付いた瞬間____、
中也
中也
男
目の前に居た犯人を、飛び出してきた男が殴り飛ばす。
翠
翠
中也…さん?
犯人を殴り飛ばしたのは、中也さんだった。
翠
中也
翠
中也
中也さんは私に駆け寄ってくる。
翠
差し伸ばされた手を、私は掴んで 立ち上がった。
翠
翠
翠
中也さんを見る。
中也
翠
男
中也
翠
グッと中也さんの体に、自分の体を押し寄せられる。
翠
翠
グサッ…!
中也
先刻まではしなかった血の匂いが、ツンっと鼻を刺す。
翠
後ろを向くと、 犯人が所持していたナイフが、 中也さんの左腕に刺さっていた。
翠
中也
中也さんが、犯人に右ストレートをくらわせる。
男
その反動で、犯人が床を転がって、再び壁にぶつかる。
中也さんは、ナイフを荒く抜き取り床に投げ捨てた。
翠
中也
中也
グイッと中也さんの手を引っ張り、刺された箇所をハンカチで巻いていく。
翠
翠
翠
翠
翠
翠
翠
翠
翠
翠
キュッとハンカチを紐状に結ぶ。
翠
翠
翠
着物の裾をキュッと握り、彼の目を見ながら私は云った。
中也
中也
翠
パアッと光りに包まれた。
主
主
主
主
主
主
主
主
主
♥️と💬よろしくね!