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テヘル

(王、アッシャー…ね)

伝達事項、それから伝言をアイザックから聞き、テヘルは苦笑した

テヘル

(んなこと心配されなくったって…)

テヘルは知っていた。

皆の言うシャーズドウムの"昔"の姿を。

テヘル

(たった数年前の話だけど…きっと何年経っても誰も忘れねえよ)

テヘル

(あんな独裁王国…!)

ここ数年、アッシャーは後続・ライアンの育成のため大人しくしている

しかしそれ以前、王国はただ"どれだけアッシャーに気に入られるか"、それだけがすべてだった。

テヘルは持ち前のコミュニケーション能力のおかげで、市民や貴族たちと協力してうまく生きてきた

それでも平和を目指すテヘルにとっては、知り合いが襲われたり、王族によって殺されたり

そうした風景は今でも嫌悪感と共に心に残っている

そのときの国の雰囲気というのは、それはそれはおどろおどろしく、苦しいものだった

テヘル

(…そう、あの国は……生きづらかった)

テヘル

(アッシャーなんて俺も…好きじゃねえ。クズだと思う)

テヘル

(でも、今はそれは言えない。)

テヘル

(だって俺はそれでも…進むために、コイツらを抑えなければならないから。)

テヘル

(…。それと)

テヘル

(2人とも…気づいてないかもだけど)

テヘル

(ここには…"俺たちが昨日戦った"やつらがいる…)

テヘル

(つまり…コイツらは、なんらかの処置の方法を持っていて)

テヘル

(だから、市民を惜しみなく戦わせる。)

テヘル

(みんな今、コイツらの想いを汲んで殺さないように少しは気をつけてる)

テヘル

(だったら大丈夫だ。コイツらはきっと───またすぐに回復できる)

テヘル

(安心して戦え、テヘル・ニコ!)

サミュエル

メラ後ろ!

メラ

うっさい分かってる!

サミュエルの方を振り返ったメラ

ちょうどそのときを狙っていたかのように、もう1人の敵は前からメラを狙う

サミュエル

…もぉ〜

サミュエルはメラの肩を掴み、ふわっと飛び越える

メラ

は!?

そして空中で殴り、着地する

サミュエル

マジ、こんなまずそうな血のやつにかすり傷なんか負わないでよね

メラ

…っ〜〜〜

サミュエルはいつものように言い返されるものだと思っていた

しかしメラは視線を泳がせる

サミュエル

メラ

…ありがとっ

それだけ言うと、メラは返事も聞かずに敵の方に向かって行く

サミュエル

…へ?

サミュエルはポカンと口が開いたままになる

と、そのとき、頭に鈍い痛みを感じた

サミュエル

い゙、ぁ…っ!?

 

隙あり!

 

おらいけ!!今だ!!

叩かれ蹴られ、尻尾や翼を引っ張られる

サミュエル

いだいいだい!!!そこ的確に痛いから!!

サミュエル

わーんメラ助けて〜!

メラ

はっ!?さっきの今でなんなの!?

クロエ

これはこれは…綺麗に倒してくれるものだね

クロエ

そんなに弱くはないはずだが…ふむ、強くなったんだな

言うと、クロエは微笑んだ

クロエ

分かってたよ

クロエ

けれどまあ…体力も削らせてもらったし

クロエ

あの2人とやり合うより、僕たちがここで戦いに混じる方が勝率は高い

そう言うクロエに視線を向け、アメリアは叫ぶ

アメリア

僕たち、だと?

アメリア

たったの2人だろ?強くたって、

クロエ

いやいや、待てよ

 

…どうしてハルが、戦わないとでも?

アメリア

ハロルド

何故、貴方を裏切ってここに連れてきた僕が戦わないと?

ハロルド

僕が貴方を好いて、言うことを聞いていたから?

ハロルド

…いくら僕が貴方に懐いていようとも───

ハロルド

それが、お仲間さんを殺せない理由にはなり得ません。

そう言うと、ハロルドは向かってきていたメラを殴った

アメリア

…っんな阿呆な…!

クロエ

ああ、それともう1人───

コツコツと足音がする

振り返ると、見覚えのある女がそこにいた。

 

…はぁ

 

私、争いごとは好まないのだけれど。

クロエ

この国で魔力を競えば一番の…僕の、婚約者だ。

クロエ

さあ、どのように…立ち向かう?

戦況は最悪だった。

アメリア

ハロルド!!!やめろ!!!!

アメリアはピンク髪の攻撃をスレスレで避けながらも、視線はそちらに向かっていた。

メラ

ぅ…ぐぅ…っ

ハロルド

なんでですか?貴方も少しくらい僕の強さを体感しました?

アメリア

別にハナから弱いなんて思ってねえ!!!

ハロルド

でも…馬鹿にしてたでしょ?油断したでしょ?

ハロルド

ふふ…アメリアさん…っククッ…

ハロルド

ハロルド

…ああ、やっぱ、もういいです、我慢できない、言っちゃいます

ハロルド

僕は貴方のことなんて初めからずっとずぅっと────

ハロルド

嫌いで仕方なかったんですよ!!!

メラ

いやっ!!!

サミュエル

っ!

すんでのところでサミュエルが庇い、攻撃を受け止める

サミュエル

だい、じょうぶ…っ?

メラ

っ!バカ!!

サミュエル

アメリアこれ…ヤバいよ

サミュエル

たぶんきみたちは…みんな、魔法攻撃に耐性がない分…とても弱い

アメリア

…っ

 

ハルは弱いわね

ハロルド

へ!?

 

主、アメリアを堕としてこそ…進化できるのよ

ハロルド

でもそれは───

 

…嫌い、なんでしょう?

 

言ってたじゃないあなた、小さい頃からずっと────

 

強くて強くて強くて…それがズルくて、恨めしかったって。

ハロルド

────…

アメリア

 

なぜ、今殺せないの?

ハロルド

…せん

 

ん?

ハロルド

殺せない理由などありません。

ハロルド

ただ僕は────

ハロルド

生かして、コイツに苦しみを味わわせたいから殺さないだけだ!!

銃口の先のエンディング

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コメント

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テヘルくんはシャーズドウムの過去を知り、王を憎みつつもアメリアさん達に協力して共に戦っている……もしかしたらクロエ様側にいたかもしれない世界線があったかもしれないんだね……💦 メラさんとサミュエルくんは殺 し 屋において最高のペアだよね、今回もそうだけど、お互いがお互いの欠点を補ってるような、そんな支え合いがあるところがこのペアの良いところだな、って思う💭 正直、アメリアさん達が勝てる未来が

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