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私は、無意味に何かを願ったりしない
叶うはずのないことを、なんの根拠もなしに願う人間の心理が知りたい
昔、神様は私から何もかもを奪っていった
夏音
夏音
看護師
看護師
数人の看護師たちが、涙を流しながら私に同情する
夏音
夏音
夏音
看護師
看護師
看護師
分かるよ
小さくても十分に分かるよ
お母さんとお父さんは、私を残して死んでしまった
あんなに、あんなに願っても
神様なんて存在しなかった
もし、いるとするなら
その神様は、私のことがよっぽど嫌いなんだろうな
看護師
看護師
看護師
看護師
看護師
夏音
夏音
看護師
看護師
看護師
夏音
私はもう、楽しみなんて感じないよ
だってこの先、楽しみなんてものがあるわけないんだもの
私はもう、何も感じない
【翌日】
看護師
看護師
三木
三木
三木
夏音
看護師
夏音
夏音
夏音
看護師
看護師
三木
三木
三木
夏音
看護師
夏音
看護師
三木
三木
看護師
看護師
三木
三木
三木
これまでだった
この人の優しさは
私は、この人の家に案内された
その途端
三木
三木
三木
三木
夏音
夏音
三木
瞬間、彼は私を殴った
まだ小さく、軽い私の体は大きく跳ばされる
夏音
夏音
三木
彼はドタドタと大きな足音を立てて家を出て行ってしまった
夏音
殴られた頰がジンジンと痛む
留衣
留衣
留衣
夏音
夏音
留衣
留衣
夏音
留衣
留衣
留衣
留衣
夏音
夏音
留衣
留衣
留衣
夏音
夏音
夏音
留衣
留衣
兄ちゃんは、本当にいい人だった
三木
三木
夏音
私が、殴られるのを悟った時だった
留衣
バキッと大きな音がして、留衣の体が跳ばされる
夏音
三木
三木
三木がいなくなったあとだった
母親
母親
そう言って、留衣の母親は私たちの傷を処置した
留衣
留衣の母親は、傷の処置や家の家事のほとんどをやってはくれるものの、肝心な時に私たちを助けたりはしなかった
三木が私を引き取ったのには、大きな理由があった
そう、多額の援助金目的だ
三木は、金だけを手に入れたら、もう私の価値なんてなかったのだ
留衣
留衣
夏音
夏音
夏音
留衣
留衣
本当に、私の生き甲斐は兄さんだけだった
私たちは、どんどん互いに依存していった
留衣
夏音
留衣
留衣
それは、とても綺麗な水晶だった
夏音
夏音
留衣
留衣
留衣
留衣
夏音
夏音
この水晶は、永遠に使わないと分かっていた
だって、私は何かを願ったりしない
だけど、なんでだろう
この水晶が、いつか何かをしてくれる気がした
どうしようもない現実を、変えてくれるような気がした
そう、あの日までは
つづく