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夏の記憶と少女Ⅳ

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夏の記憶と少女Ⅳ

1 - 夏の記憶と少女Ⅳ

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2018年03月15日

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小さい頃

両親は毎日のように喧嘩ばかりしていた

私は、ただ一人泣いていることしかできなかった

毎日家に帰るのが怖かった私は、いつもいつも家のそばの河川敷に来ていた

特別何があるわけでもないが、そこはどこか落ち着く場所でもあった

ある時

こうき

ねぇ

こうき

君、大丈夫?

こうき

お母さんは?

みお

...え?

こうき

もしかして、迷子?

みお

う、ううん

みお

お家に帰れないの

みお

お母さんが怒ってるから

こうき

そ、うなんだ

こうき

まだ、ここにいる気なの?

こうき

俺、もう帰るけど

みお

へ?

気がつけば、辺りはもう日が沈み始めていた

まさき

おーい

まさき

おにーちゃーん

まさき

かえろーよー

こうき

まさきー?

こうき

お前、先に帰ってていいよ

こうき

あとで俺も行くから

まさき

えー!

まさき

やだ!

まさき

待ってるよ

こうき

あっそ

こうき

で、君家に帰らないの?

こうき

まぁ、無理にとは言わないけど

みお

か、帰らないと

みお

妹も待ってるし

こうき

そっか

こうき

なら良かった

こうき

お母さん、怒ってて大変かもしれないけどさ

こうき

大丈夫だよ、君は一人じゃないんでしょ?

こうき

必ず誰かが助けてくれると思うからさ

こうき

俺と弟もよくここ来るし

こうき

また会ったらラッキーってことでさ

みお

うん...

みお

そうだね、分かった

みお

じゃあね

こうき

うん、じゃあね

まさき

バイバーイ

懐かしい記憶

今思うと、あれは先輩だったのかもしれない

本当に、私は惜しい人を亡くした

あの言葉は、今まで私の全てであり、支えであったのに

私は、一体何をやっているのだろう

私だけ、何故生きているのだろう

私もあの時、みんなと一緒に死ねれば良かったのに

なんで私はここにいるの

嫌だ、死にたい

死にたい、けど、そんな勇気なんてない

涙が、頬を伝う

口から嗚咽が溢れ、足が歩くことを拒む

そんな時だった

春人

「原谷さん」

春人

「一緒に、終わらない夏を乗り越えよう」

ここから、私の夏は始まった

一人ぼっちが集まった、子供達の作戦が

つづく

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