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夏の記憶と少女

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夏の記憶と少女

1 - 夏の記憶と少女

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50

2018年03月13日

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光輝

ん〜

光輝

次、どこ行こっか

未緒

え、えっと...

未緒

先輩は、どこに行きたいんですか?

光輝

俺はどこでもいいよ

光輝

それに、さっきから俺の用事に未緒ちゃん付き合わせてばっかだし

光輝

未緒ちゃんの行きたいところ行こ

未緒

そ、そんなっ

未緒

えと、それじゃ...

未緒

駅前にある、31アイスクリーム行きませんか?

未緒

今キャンペーンやってるみたいで...

未緒

妹も、今日行くって言ってたので

光輝

へー

光輝

そーなんだ

光輝

いいよ、一緒に食べよ

未緒

い、一緒に!?

光輝

あ、1個1個って意味ね

光輝

2人で1つじゃなくて

未緒

あ、あぁ

未緒

なるほど

未緒

すみません...

光輝

いいよ、別にw

光輝

あ、そういえばさ

未緒

はい?

光輝

未緒ちゃんの妹、いるじゃん?

光輝

奈緒ちゃんだっけ

未緒

い、いますね

光輝

俺の弟さ、奈緒ちゃんにべったりじゃない?

未緒

た、ぶん

未緒

そうですね

光輝

奈緒ちゃんさ、正直な話迷惑がってない?

光輝

そこが心配でさ

未緒

あぁ、そういう

未緒

一見、そう見えそうですけどね

未緒

奈緒、正輝くんのことよっぽど大事だと思いますよ

未緒

なんだかんだ言ってますけど、すっごく楽しそうですし

光輝

あ、そうなんだ

光輝

よかった

光輝

あまりにも一方的すぎるのも悲しいしさ

未緒

優しいんですね、正輝くんに

光輝

そうかな?

未緒

そうですよ

未緒

あ、そこ右だと思います

光輝

ん、分かった

光輝

でもなぁ、今日は未緒ちゃんのおかげで助かったよ

光輝

1人でこんなとこに部活の道具買いに来てたら絶対迷ってた

未緒

い、いえ

未緒

そんな

未緒

私も、先輩と来れて嬉しいですし...

光輝

そう?

光輝

よかった

光輝

う〜ん...

光輝

それにしても、人が多いなぁ

未緒

ですね

未緒

先輩の声聞き取るのでやっとです

光輝

俺も未緒ちゃんの声、頑張って聞いてるよ

光輝

そういえば、なんで今日一緒に行くって言ってくれたの?

光輝

未緒ちゃん、特に買うものないだろうに

未緒

いや、先輩1人で行くの不安かもと思って...

未緒

それに...

光輝

それに?

未緒

あの、実は私...

光輝

あれ...

未緒

無理なのは知ってるんですけど、先輩のこと...

光輝

なんか、うるさくない?

突然だった

本当に突然

未緒

好きなんです

私の何もかもをぶち壊した

目の前が血飛沫で満たされる

それは、大通りのスクランブル交差点でのこと

赤いトラックが、すぐ目の前を轟音とともに通り過ぎる

赤いトラックは、ただ1人で呆然と佇む私の視界の端で止まった

周りが悲鳴やら叫び声で溢れかえる中

私は、ズルズルと地面に腰を落とした

最後に見た先輩の顔に

私の告白の色なんて少しもなかった

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