春人
裕香!
裕香
春人、さようなら
春人
待てよ!
春人
もう少しなんだk
春人
あれ...
目を覚ましたのは、時計の針が鳴り響くベッドの上だった
春人
また...、ダメだったのか
もう何度、同じ夢を見ただろう
いっそ、夢だったら良かったのかもしれない
何十回、何百回、何千回
もうあの日から何年が過ぎたのだろう
そもそも、「あの日」なんてものは始めからなかったのかもしれない
今日もまた、あの1日が始まる
どうせ、どんなやり方をしても裕香は助からない
そんなことは分かっていた
分かっていたからこそだった
「一緒にいたい」
小さき頃のことを思い出す
ずっと、ずっと一緒だったあの頃
春人
懐かしいなぁ
涙が頬を伝った
俺は、永遠に彼女を助けることができない
春人
はぁ...
裕香のことが好きだった
物心つく前から、どこかで気づいていた想い
《好きになった》
なんて、感覚はなかった
ずっと、俺にとって裕香は一番大切な存在だった
何があっても失うことなんて考えられなかった
だから
春人
いつか逢おう
春人
“いつの日か”
だから俺は、
『繰り返す』
刹那
終わり







