よしの
私のことを愛してくれたなら、分かって?
昌
ゆかちゃんと、付き合ってみる
よしの
本当?
昌
続くかは分からないよ?
よしの
付き合ってみないと分からないからね!
昌
うん。すぐにセックスもしないよ?
よしの
だから、すぐにヤレなんて言わないよ!
昌
それで安心してよしのが行けるなら、そうする
よしの
何それ、行かせるために無理するってこと?
昌
それもあるよ。でも、よしのの声が聞こえたこと、通じるものがあるって、俺もそう思ったんだ
よしの
そうだよー!女の直感は当たるからね!
昌
そうだね。でも、好きでもないのに付き合っていいのかな?
よしの
お見合いみたいな感じで行こうよ!
よしのの体が少しずつ薄くなって行くのが分かった。
いつもよしのが来ると冷んやりしていた空気が、温かくなった。
昌
よしの・・体がさっきより透けてるよ!?
よしの
うん・・・そろそろなんだ
昌
そんな!急すぎるよ!!
よしの
1年間は長かったぁ!
やっとお母さんに会えるー!
やっとお母さんに会えるー!
昌
よし・・の・・
よしの
泣かないで・・・?
辛くなるから・・
辛くなるから・・
昌
無理だよ・・・
よしの
そうだよね・・・
昌
よしのも泣いてるじゃん・・・
よしの
まだ見える?
昌
どんどん見えなくなってくよ・・
よしの
昌?
昌
なに・・?
よしの
空に行っても愛してる。
言っちゃった!
言っちゃった!
昌
俺も・・恋人ができても、よしのを愛してることは変わらない!
よしの
ありがとう・・・!
とても温かい空気が左手に触れた
昌
よしの・・・!
よしの
いま隣にいるよ。
前みたいに昌の左手を繋いでる
前みたいに昌の左手を繋いでる
昌
分かるよ・・・
よしの
私の最期の温もりだよ
昌
うん・・・
よしの
来世が本当にあるなら、きっとまた会えるね!
いつか会おう!!
いつか会おう!!
昌
うん・・・!!
よしの
またね、昌!
無理をした明るい声だった。
よしのは寂しがりやでやきもち焼きだから、凄く無理をしたんだと思う。
涙が止まらなくて、左手を握りしめた。
その時だった
ゆか
昌さん!!
昌
ゆかちゃん、どうしたの・・?
なんで泣いてるの?
なんで泣いてるの?
ゆか
よしのさんが!
昌
今、行っちゃったよ・・・
ゆか
知ってます・・よしのさんに、来てって言われました
昌
よしのに・・?
ゆか
左手、出してください・・・
昌
なんで?
よしのの温もりが残っている左手を開きたくなかった。
ゆか
最後に手を繋いでしまったけど、昌さんが引きずらないように握ってあげてって・・・
昌
・・・・
よしの・・寂しがりやでやきもち焼きで、泣き虫だったけど
強い女だったんだね
昌
ゆかちゃん、バーに戻ろうか
ゆか
え、はい!いいですよ!
昌
左手は、もう少し待ってほしい
ゆか
・・・大丈夫です。
私は右側にいたい派なので!
私は右側にいたい派なので!
昌
ありがとう
この先どうなるかは分からない。
だけど前を向いて行こう。
よしのが心配して戻って来ないように。
少しずつ前を向いて。
この物語は
堕落していた俺を救ってくれた
よしのからの5日間の奇跡だ。