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死ぬための条件 第3話

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死ぬための条件 第3話

1 - 死ぬための条件 第3話

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2017年11月18日

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よしの

今日は雨だね

台風が来てるからね

よしの

雨じゃきついから、日勤が終わったら近場のバーにでも行って来なよ!

あのさ

よしの

ん?

毎日飲み歩いてたら金が続かないよ・・・

よしの

毎日飲んだくれてたじゃん

あの時はそうだけど!今はよしのがいるから

よしの

私はもういない。
関係ないでしょ

つらかったから・・・金のこと考えてなかった

よしの

仕方ない。隠し預金の場所を教えてしんぜよう

え?

よしの

内緒で貯金してたの。夫婦だから、印鑑と通帳、戸籍謄本があれば下ろせるよ!

貯金してたんだ・・・

よしの

昌は貯金下手だからね

ありがとう・・・

よしの

でも飲み代にばかり使っちゃダメよ!

分かってる。飲みすぎで調子も悪いし

よしの

ここぞという時よ!

うん

よしの

じゃあ教える。
トイレタンクの中

何でトイレタンク!?

よしの

安全だから

・・本当だ、厳重にジップロックされてる。
わ、いつの間にこんなに!

よしの

偉いでしょー!

うん、すごい

よしの

いざって時に使って

バーに行くことがいざって時なの?

よしの

早くお空に行きたい・・みんなに会いたい・・クスン

わーかったよ!行ってくるから!

よしの

あ、あの女はダメよ。男取っ替え引っ替えだから

あれは絶対ムリ、気持ち悪い

よしの

よかった。あ、今日はDVDかけて!リピートで

分かったよ

よしの

じゃ、散歩してくる

雨なのに?

よしの

雨が私をすり抜けるよう

あー、そっか

よしの

じゃ、いってらっしゃい!
飲みすぎ注意ね!

分かってるよ!汗

こうして近所のバーに行った。

ここはよしのと付き合う前に、偶然店の前で再会して入った。

それ以来よしのは仕事が終わると、いつもここで俺を待っていた。

一目惚れだって言ってたな。

マスター

昌ちゃんいらっしゃい!

来ているのはいつものメンバー。みんなが俺を心配して話しかけてくる。

この前はワケワカになるまで酔ってすみません・・・

謝る俺を周りは笑顔で労わってくれた。

乾杯してしばらくしてから、よく話す年配の真田さんが隣に来てくれた。

真田

今日はだいぶ顔色がいいね!
何かあった?

あ、いや、毎日酒に逃げていてもダメだって気づいて

真田

それは進歩だね!安心したよ!

ご心配おかけしました

マスター

いいんだよ。2人は仲がよかったからね。まだ若かった。辛い気持ちは分かる

・・・はい

その時、冷たい空気が流れてきた。

冷房を上げてほしいと他の客がマスターに頼んだ。

よし・・

よしの

シーっ!声出しちゃダメ

・・・・

よしの

真田さんに、なんかいい出会いありませんかねー?って聞いてみ?

ムリだよ!コソッ

よしの

不謹慎かもしれないけど、出会いを諦めたら男としてダメになる気がするんですよ。
これをまんま言って!

よしの

はやーく!

あの、真田さん

真田

どうした?

俺はよしのに言われた通りに真田さんに伝えた。

真田

おまえ酔い潰れて覚えてないだろうけど、良い子いたよ?

え?

真田

ゆかちゃんて言って、2ヶ月前に来始めたんだ。
毎回飲んで泣いてるおまえ見て心配してたから、理由は話したよ。余計に心配してた

そうなんですか

よしの

何曜によく来るのかも聞いて

その子いつも何曜に来るんですか?

真田

日曜日だよ、会ってみれば?

よしの

よっし!来る約束して!

こ、今度の日曜日に来てみます

正直、興味は湧かなくて、よしのに押されて二つ返事で取り繕った。

マスター!また急に暑い!エアコン下げて!よしのがいないことが分かった。

最近使いすぎたんで、今日は帰ります。ありがとうございました

真田

おう!またな!

たしなむ程度の酒だったから、冷静な頭で帰宅した。

よしの

お帰りーやったね!

でも覚えてないよ

よしの

私が言ってた可愛い子ってその子だよ

え!

よしの

店を出ても昌は吐いてて、その子が水買ったり背中さすったりして、タクシー乗るまで見届けてくれたんだよ

そうなんだ

よしの

日曜、絶対に行って!謝ってお礼して、きっかけになるよ!

覚えてないのに

よしの

だから、きっかけ!

よしの?

よしの

ん?

嫌じゃないの?

よしの

ぜんぜん?

俺が他の女に介抱されてるの見てて、嫌じゃなかったの?

よしの

ぜんぜん?
昌を助けてって思ってたよ

前は、他の女がいるか不安だから、私も行く!って言ってたのに

よしの

昌、私はもういないよ。生きていた時と今の私の目的は違う。
話したじゃん

ただいま、お帰り、いってきます、いってらっしゃい

よしの

昌?

おはよう、おやすみ

よしの

どうしたの?

このままじゃダメなの?

よしの

・・・昌・・・
私がお願いしたことを忘れないで。
それが叶わないと私は成仏できない。苦しいまま彷徨う。
だからそんな言葉を二度と言わないで!!

だって今も一緒に住んでるみたいじゃないか!

よしの

朝と夜だけ。セックスもできないよ

セックスなんてしなくたって、

よしの

昌やめて!!
それ以上言っちゃダメ!!決まりなの!!
私を空に帰して!!

ごめん

よしの

日曜に着ていく服でも考えなさいよ

分かった

よしの

おやすみ

おやすみ

あのよしのがぜんぜん嫉妬しない。

死ぬと人格が変わるのか?いや、女に関してのことを以外は何も変わっていない。

あの怒り方もよしのそのものだ。本気で怒っていた。

無理に恋愛をするのは苦痛だ。でもよしのを安心させるためには必要。

俺はどうしたらいいんだろう・・・。

どうしたいんだろう。

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