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死ぬための条件 第2話

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死ぬための条件 第2話

1 - 死ぬための条件 第2話

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2017年11月18日

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あまりの蒸し暑さで目が覚めた。

昨夜のことは現実だったのだろうか。

よしの?

返事はない。やはり夢だったのか。

そう思っていると、冷んやりとした空気が部屋の中に流れてきた。

・・・よしの?

よしの

おはよー!今日も暑そうだね

!!夢じゃなかったんだ

よしの

現実だって言ったじゃん

どこ・・・?

よしの

トイレ

幽霊も、ウンコとかするの!?

よしの

違うよ!昌はいつも朝一トイレに行くから、驚かそうと思って待ってたの!

そっか!

よしの

ねぼすけ。
開けてみ?

本当だ、いる

よしの

ウンコはしないから!

分かったよ!笑

よしの

いい天気だよー早く洗濯しちゃいなよ

うん

よしの

そしたら誰か誘ってナンパでもしなさい

いや、いい

よしの

今なんて!?

いや、はい・・・でもナンパはちょっと

よしの

とにかく外に出なさい

うん

よしの

じゃ、私は散歩してくるから

散歩ってどこに?

聞いたがよしのはもういなかった。

よしのが消えた途端に部屋に暑さが戻った。

ナンパなんてしたことねーよ・・・

俺はぶつぶつ言いながら洗濯や掃除をした。

遅く起きたせいであっという間に夕方になった。

また冷んやりとした空気が流れてきた。

よしの

さてさて、飲みの予定は?

よしのが来るとエアコンいらずだね!

よしの

寒い?やっぱりそういうもんなんだ?自分じゃ分からないや

寒くはないよ、涼しくてちょうどいい!

よしの

昌は暑がりだからちょうどいいわね!節電にもなるわね

そうだね!

よしの

ところで、今日は慎くんの誕生日パーティーがあるわよ。参加しちゃいなよぅ!

この前ラインは来たけど、なんで知ってるの?

よしの

慎くんの部屋に行って来たから

え!!驚かれたでしょ!?

よしの

昌以外に私は見えない

そうなの!?

よしの

思い残したこと、イコール昌の今後、イコール昌が原因。
だから当事者にしか見えないよ

そうなのか。
え、じゃあ盗み見したってこと!?

よしの

そうだよ、盗撮だよ

うわぁ・・・

よしの

幽霊の特権

それならさー

よしの

うん

キャッシュカードの番

よしの

だめー!そういう手伝いをしたら私は天国にも地獄にも行けなくなる決まりなの!

まだ全部言ってないじゃん

よしの

何を言いたいかバレバレじゃん

残念だなー!

よしの

私は、自分が成仏する条件を満たすためだけに居るの。それ以外はしちゃいけないの

そっか

よしの

福◯雅治の家が分かればねぇ・・・

おい!

よしの

冗談よー!
話が逸れたけど、行って来なよ

どうしようかな

よしの

成仏させる気ある!?

あるけど!女が来るかも分からないじゃん

よしの

行ってみなきゃ分からないじゃん

いるかどうか先に見てきてよ?

よしの

は?偵察に行けと!?

うん

よしの

ダメー!きっかけは作るけど、出会い自体は私には手伝えませーん

なんか複雑な決まりだなー

よしの

頑張ってきなさい

分かったよ・・・

よしの

あ、行く前にテレビ点けていって!
フジテレね!

・・・はい

よしの

飲みすぎ、注意ね!!

分かったよ!

よしの

いってらっしゃい

いってきます

不思議な感じだった。

死んだよしのは物に触れない。だから俺が触れることもできない。

抱きしめたくてもキスをしたくても、何もできない。

だけど、透けていても、怒ったり笑ったりしてる顔が分かる。

まるで、生きていた時のように会話をしている。

生きている時みたいに。

このままじゃダメなのかな

え?なにが?

あ、いや、なんでもない!

気持ちは分かるけどさ、おまえがいつまでも暗かったらよしのも心配で成仏できないぜ?

成仏ってさ、そもそも何?

真面目か!笑

いや、マジで。成仏しなかったらどうなるかなんて、誰も知らなくない?

知らないけどさー、よく聞く話だと、怨みの気持ちが強くなって行くって言わね?

怨み?

だって、生きることも死ぬこともできないんだぜ?つらい時って嫌なことを思い出しちゃったりするじゃん?それと同じで、つらさに飲まれて怨みになるらしい

つらさに飲まれる

つーかマジになるなって!もう1年だぜ?よしのは向こうで安らかに眠ってるよ

あー・・うん。だといいな!

今日は俺の誕生日なんだから、明るくしてくれよな!

そうだよな、ごめんな!

おう!ガンガン飲めよー!

結局女の子はほぼ居なくて、俺は飲んだくれて帰った。

部屋が冷んやりしていて、よしのが居るんだと分かった。

よしの

どうだった?

ほとんど男で、あとは酔っ払いの女ばかりだった

よしの

あら、残念。
じゃ、歯磨きして寝ちゃいなー!

うん

よしの

明日は夜勤だから、よく休むんだよ!

・・・・

よしの

どうしたの?

明日お昼に起こしてよ

よしの

はいー?

・・・言ってみただけ

よしの

起こせたらいいんだけどねー、できませーん!
アラーム忘れずにかけなさいよー

分かった

よしの

おやすみ!

おやすみ

成仏できないと怨みが強くなる。

そんな気配はよしのから何も感じない。

触れることはできなくても、生きてる時と変わらない。

生きていた時と違うのは、嫉妬深いよしのが他の女を勧めること。

それは一人になった俺が心配だから。

矛盾している。

嫉妬深いんだから、新しい女なんて居ない方がいいじゃないか。

もしかしたらよしのは、俺とずっと一緒にいたいから成仏しないんじゃないか?

そんなことを考えながら、いつの間にか眠った。

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