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ピンポーン

大きな門扉の前にある 小ぶりなインターフォンを恐る恐る押す

庶民的なチャイムの音が聞こえて 少しだけ安心感を覚えた

ここが……

雅也

やあ。秋斗。

秋斗

あっ。雅也先輩!

雅也

元気だったかい?

お金持ち そこそこモテる そこそこウザい で有名の雅也先輩のご邸宅だ

笑顔で出迎えた先輩の姿は どこか浮かれていた

それもそのはずで 本来、このバカンスに俺はいなかった

雅也先輩の叔父の娘が病気に倒れ 空いたメンバーの埋め合わせとして 特別に俺が招待されたのだから

いや、正確には 俺か一弥先輩だったのだが

ジャンケンを制してか はたまた運に味方されてか

念願のバカンスに同行することとなった

ずっと友達と一緒に行きたかった 雅也先輩からしても、これは嬉しいことには違いなかった

秋斗

はい! 元気でしたよ。

雅也

それはよかったよ。

雅也

秋斗まで、当日になって急に体調でも崩して来られなくなったんじゃあ僕は退屈で死んじゃうところだったよ。

秋斗

まさか。やめてくださいよ。

雅也

……出発まであと30分はあるね。

雅也

まあ、とりあえず上がりなよ。

秋斗

あっ、はい。

秋斗

……。

雅也

……ん?

雅也

どうしたんだい。秋斗。

秋斗

い、いえ。

雅也

もしかして、緊張でもしてるのかな?

雅也

あっはは。

雅也

まあ、僕の家ほど大きな建物を見るのは初めてなんじゃないかな。なにしろ、この家だけじゃなくて、庭園や離れの家もなかなか大きいしね。ああ、そうそう。その離れの家っていうのがちょっとした資料館のようになっていてね。いや、ほら僕の父の趣味で西洋の骨董品や公的資料が散逸した一部を保管してあったりしてね。まあ、アーカイブというのかな。歴史的価値を持つものがたくさんあるんだけど、それが来賓の方にも結構気に入られてるところでね、ああ、秋斗には見せられないよ。あまり勝手に見せると怒っちゃうんだ。僕でさえ、なかなかお目にかかれないほどなんだよ。本当、どれだけケチなんだって話だけど、まあそれもご愛嬌さ。趣味といえば、僕も一つや二つあるもんだ。え? それは誰でも持ってるだろうって? いやいや、最近は自分の趣味がわからないなんていう人がいるんだよ。これって一種の社会問題なのかなぁ。アイデンティティの拡散とも関係していたりする……のかな。ええと、それで何の話だったっけ。ああ、そう。僕の趣味の話だよね。それっていうのが父の趣味に影響されてか、僕も何かを集めるのが好きになったんだ。コレクター、蒐集癖とでもいうのかな。で、それっていうのが剥製なんだよね。何があるかっていうと、まあよくある鹿だったり、猪なんてのもある。これをインテリアとして飾るんだ。僕は自分の部屋が5つあるんだけど、最近ではその3つを趣味の部屋として使っていてね。いつの間にか生活スペースが減っちゃってたよ。あっはは。ほどほどにしないとね。それはそうと、じゃあ本館には何があるかっていうとね……

そうではない

そこではない

俺はずっと気になっていた

一体、どこへ行くのだろうと

雅也先輩は面白がって なかなか行き先を教えてくれなかった

当日の今日でさえ

バカンスか……

どこを回るんだろう?

もしかして、海外か?

雅也先輩の自慢話を聞き流して ずっとそのことを考えていた

秋斗

はあ。楽しみだなあ。

雅也

だろう?

秋斗

ええ。とっても楽しみです。

話は聞いてなかったけど

雅也

ほら。ここが僕の部屋だよ。

秋斗

え……ええと、これはリビングですよね?

雅也

何を言ってるんだい?

雅也

これがリビングだとしたら、狭すぎて何もできないじゃないか。

雅也

さすがに、一般庶民の家もこんな狭くはないでしょ。

秋斗

……。

雅也

秋斗?

話についていけない

俺は黙って部屋を見回した

パッと見ても20畳はありそうだ

広々としすぎていて どうも落ち着かない

これが部屋なんて……

勧められたソファに座りながら 自身の部屋を思い浮かべていた

雅也

……で、肝心のバカンスについてだけど……

秋斗

え!?

雅也

なに?

秋斗

やっと教えてもらえるんですか?

雅也

だって、もうすぐ出発だよ。

雅也

いい加減教えないと、なにかと都合悪いでしょ。

秋斗

そもそも都合が悪かったんですが……いや、それはいいです。

秋斗

それで、どこに行くんです!!

雅也

あっはは。目が輝いてるね。

雅也

バカンスの内容。

雅也

それはねぇ……。

秋斗

それは?

雅也

……。

もったいぶらせる先輩だ

その一生とも思えるほど 長い沈黙に辛抱強く待っていた俺に返ってきた言葉は……

秋斗

……。

雅也

……。

雅也

"当ててみなよ"

秋斗

……そりゃ、ないですよ。

期待はずれのものだった

秋斗

雅也先輩。いい加減に…

雅也

何でもいいから言ってみなよ。

雅也

案外、当たるかもしれないよ?

秋斗

……。

不服そうな俺を面白がる顔だ

仕方なく、少し考えてみる

秋斗

ううん。

雅也

何か思いついたかい?

秋斗

そうだなぁ……。

貴方の選択で結末は変わります 運命を切り開きましょう

A.もちろん南国の島ですよね

B.もしかして、この家とか言わないですよね

C.別世界へのバカンスですよね

さあ…… 貴方の運命や如何に

【選択肢で結末が変わる】ホラー短編集

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