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ねぇ
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見えてる?
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ああ、よかった
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ちゃんと見えてるね
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私はね、良い人だよ
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どんなって?
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良い人なんだよ
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細かいことは気にしないでくれ
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初めまして
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まあ、私は見ての通り雲だよ
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ほら、もくもくしてるだろう?
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名前表示だけどから、怪しい?
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そういうこともあるだろう
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それは置いておいてくれ
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私は雲だ
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いつも君を見守っているよ
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だから、怖がらなくていい
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え、逆に怖い?
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ストーカー?
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違う違う!私は雲なんだってば
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まあ、
信じてくれなくても構わないよ
信じてくれなくても構わないよ
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さて、本題に入らせてもらいたいんだけれど
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君、空の先には何があると思う?
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『宇宙』だと思うかな?
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それとも『天国』だと思うかい?
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どれだと思う?
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まあ、それも別にいいんだ
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何が言いたいのかって?
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私はね、雲なんだよ
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雲だから、空の先は知らないのさ
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だから、君に教えて欲しい
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なに、君なら知っているはずさ
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空の先には、何があった?
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ほら
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教えてくれ
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私は、
この目で見ることが出来ない
この目で見ることが出来ない
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ん?
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ああ、ごめんごめん
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雲に目はなかったね
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すまない、
今のはジョークだと思ってくれ
今のはジョークだと思ってくれ
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さて、話を戻そうか
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空の先には何があったんだい?
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私はそれを知るまで消えられない
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私はずっと知りたかったのだよ
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空の先とは何なのか
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教えてくれよ
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ああ
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そうか
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それはすまなかったね
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君は、私に教えることはできない
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それもそうだね
私はそれを知っていて聞いたのさ
私はそれを知っていて聞いたのさ
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そんな顔しないでおくれよ!
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うん
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そうだね
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ほら、そろそろお迎えの時間だ
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いってらっしゃい
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私の63番目の話し相手さん
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空の向こうには
何があると思う?
馬鹿だなぁ
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そこには、
果てしない『空』があるだけさ
果てしない『空』があるだけさ