俺は、失敗してしまった。
本当は、告白なんてしない方が良かったんだ。
あのままでよかったんだ。
なのに、俺がっ____
朝野 翔
……クソっ...
朝野 翔
なんでっ...なんで____!!
朝野 翔
あいつらが付き合わなければ!!
朝野 翔
恋人同士にならなければ……っ
朝野 翔
俺はあんなこと、しなかったのに……!!
朝野 翔
(俺はこれから、どうしたらいい?)
朝野 翔
(月にも三月にも話しかけられない)
朝野 翔
(2人以外に仲良い人もいない)
朝野 翔
───終わったんだな
そうだ。もう、終わったんだ。
幼なじみがいて、沢山遊んで、ずっと一緒にいた。
───でも、そんな関係はもう終わったんだ。
誰もが思い描く、理想の関係は続かない。
わかっていたのにな。
終わりは近いって。
朝野 翔
(あの二人は、中学に入学した時から急に仲良くなった)
朝野 翔
(俺は____邪魔だったんだな。)
朝野 翔
(……俺はもう、用済みかよ)
朝野 翔
(悔しいな____。)
もしかしたら俺は、消えた方がいいのかもしれない。
何も言わずに、2人の前から。
朝野 翔
……いっその事、死んじゃえばいいんだ
朝野 翔
「俺」が。
それがきっと、あいつらが1番幸せになる方法だから。
俺が消えれば、きっと____
朝野 翔
帰ろ。
翌日 学校
朝野 翔
……あ、月……
佐川 月花
……(スッ)
朝野 翔
(まあ、そりゃそうだよな)
綾瀬 弥生
月、行こ
佐川 月花
うん、わかった
朝野 翔
____っ!!
朝野 翔
(いや、俺はもう「消える」んだ。)
朝野 翔
(俺は俺でいちゃいけないんだ。)
朝野 翔
(俺の存在が迷惑をかけるから)
朝野 翔
(何も知らないから、俺は)
朝野 翔
(三月はただのクラスメイトだって、思えばいい)
朝野 翔
(考えるのはやめればいい。)
朝野 翔
教室、行くか
朝野 翔
(ガララッ
朝野 翔
……おはよ。
佐川 月花
……ッ
朝野 翔
(俺は別にそれでもいい)
朝野 翔
(ただのクラスメイトでも───)
佐川 月花
やめてって、言ったじゃん……
朝野 翔
っ!!
朝野 翔
そっか、そうだよな。
朝野 翔
ごめん。
佐川 月花
……うん
朝野 翔
(……そういえば、俺の隣の席のやつ、入学してから1回も学校来てないんだよな)
朝野 翔
(不登校……ってやつなのかな)
朝野 翔
(多分俺は、そういう人たちより辛くないんだろうな)
朝野 翔
(まだ、幸せなんだろうな)
朝野 翔
(……多分。)
授業終わり
朝野 翔
さて、帰るか
朝野 翔
帰ったら何しよう……
朝野 翔
課題めんどくさいな〜
綾瀬 弥生
あ、翔
朝野 翔
三月っ……
朝野 翔
(三月は知っているんだろうか)
朝野 翔
(俺が告白してしまったことを。)
綾瀬 弥生
……あのさ、翔
綾瀬 弥生
月に告白したってホント?
朝野 翔
(やっぱりそうなんだなぁ…)
朝野 翔
本当だよ。
朝野 翔
ごめん
朝野 翔
俺、今日から「消える」から。
綾瀬 弥生
は……?なにそれ、どういうこと……?
綾瀬 弥生
消えるって、何?
朝野 翔
お前らとはもう関わらない。
朝野 翔
お前らの記憶にある俺はもう「消える」んだ。
綾瀬 弥生
なんで……翔は翔のままでっ____
朝野 翔
もうやめろよ!!!!
綾瀬 弥生
ビクッ
朝野 翔
もううんざりなんだよ!!!
朝野 翔
お前らは恋人同士になって!俺は独りになって!!
朝野 翔
俺はもう、用済みなんだろ……?
朝野 翔
俺はもう、「消える」存在なんだろ……?
朝野 翔
なあ、答えてくれよ...(ポロポロ)
綾瀬 弥生
翔っ……
綾瀬 弥生
違うんだ、違うんだよ。翔
朝野 翔
何が違うんだよ!!
綾瀬 弥生
僕は翔のこと____
友達だって思ってる!!
朝野 翔
……はは、友達ね
朝野 翔
友達なんだ
朝野 翔
どうせ俺たちは
親友にはなれなかったんだな。
綾瀬 弥生
っ!!違う____
朝野 翔
じゃあな、三月
綾瀬 弥生
っ……
朝野 翔
はあ、疲れた
先生
ああ、朝野
朝野 翔
げっ、先生……
先生
あのな、今から朝野に会ってもらいたい人がいるんだ
朝野 翔
へ?
先生
お前の隣の席の、大詩夜って子なんだが____
朝野 翔
ああ、あの……
朝野 翔
別にいいですけど
先生
ありがとう、朝野
先生
なんとか学校に来るように、話してくれないか
朝野 翔
はい。
朝野 翔
(本当は、)
NEXT→♡500