テラーノベル
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広大な草原を抜けた先には妖精界最大の国、 フェアリーランドが形成されていた。
石のタイルが敷き詰められ、 道の脇には様々な店が屋台のように並んでいる。
おじさん
パン屋のおじさんが日菜に声をかけた。
妖精界は広いが、 ほぼ全員が顔見知りのような感じだ。
こういう質問をされることは、 双子の想定内だった。
トト
ララ
おじさんは双子の言うことに疑問を持つことはなく、 安易に納得した。
おじさん
日菜
人見知りが発動中の日菜は、 かたことの言葉で自己紹介をする。
おじさん
日菜はおじさんから、 袋いっぱいに詰まったシュガーラスクを貰った。
日菜
おじさん
おじさんは丁寧に敬語を使う日菜に、 少し違和感を覚えたが、 特に咎めることはなかった。
トト
トトがいきなり日菜の手を掴む。
そしてララを置き去りにして、 二人だけで行ってしまった。
おじさん
ララ
おじさんの悪意なき質問に、 ララは冷たく答えた。
日菜
日菜は息を整えながら、 次に待つ冒険に期待して質問した。
トト
日菜
トトの提案に賛成しようとした日菜に突然、 一人になるという不安が押し寄せた。
トト
さりげなく日菜の頭を撫でるトト。
ララはそれを見て嫉妬していた。
日菜
日菜は恥ずかしさで顔が赤くなっていた。
三人は草原で落ち合う事を約束し、 それぞれ別の方向へと進んで行くのだった。
国とは反対に進んだ日菜は、 暗い森に迷い込んでいた。
日菜
とりあえず進んで出口を探す。
日菜
出口に着くどころか、 同じところをぐるぐると回っているとしか思えず、 日菜は半泣きでその場にうずくまった。
後ろを振り返ると、 さっきまで歩いてきたはずの道が塞がっている。
この森は何かがおかしい。
日菜
日菜はひどく絶望し、 パニックになっていた。
「こっち、こっちだよ」
誰かの声が聞こえてきた。
日菜
日菜の質問に答えは返ってこない。
他に縋るものもなく、 その声がする方へと進むしかなかった。
しばらく歩いてもやはり景色は同じで、 いつの間にか声も聞こえなくなっていた。
強く風が吹き抜けた直後、 日菜は背後に気配を感じて立ち止まった。
日菜
日菜は絶対に見ないように目を瞑る。
「半妖精とは珍しいな」
日菜は恐怖のあまり声が出せない。
「そうだ」
何者かの手が日菜の肩に触れ、 その手は徐々に顔の輪郭をなぞっていく。
そして、 日菜の耳元で囁く。
「悪魔になれ、そうすればお前はもっと強くなれる」
その言葉で日菜の意識は、 遠くへと消えていくのだった。
一方、 トトとララは既に、 草原に集合していた。
しばらくしても帰ってこない日菜に、 双子は何かあったのではないかと勘づいた。
トト
ララ
何かあってからでは遅いと、 超高速で森へと飛んでいく双子。
トト
森の入口までやってきたのはいいが、 入口が二つに分かれている。
ララ
恐る恐る近づいた双子が見つけたのは、 見覚えのあるものだった。
トト
ララ
ララの指摘により、 あの時の日菜の笑顔がトトの脳裏に浮かぶ。
トト
トトが大きな森を見上げる。
妖精界に住んでいる者は絶対に入ろうとしない、 災いを招く森。
ララ
トト
一度この森に入ったら、 基本的に外に出るのは不可能だと言われており、 出れるかどうかは気まぐれで決まる、 なんとも厄介で運任せな森だ。
ララ
よく見ると森の奥にもラスクがあり、 早速鳥が食べようとしていた。
トト
トトは合図もなしに森へ飛び込んだ。
ララ
ララも急いで追いかける。
森に入った途端、 濃い霧が双子の感覚を狂わせ、 羽がうまく動かなくなっていく。
トト
ララ
双子は仕方なく地面に足をついた。
飛べなくなった妖精を嘲笑うかのように、 森に住む鳥がけらけらと鳴いていた。
トト
ララ
トトが声に驚いて振り返ると、 ララが鳥に襲われていた。
ララ
ララは必死に手を伸ばし助けを求めたが、 あと少しのところでまたもや鳥に阻止される。
鳥がその場を去り、 散り散りになった羽根の中にララの姿はなかった。
トト
トトの叫び声が森中にこだまする。
双子は森の悪戯によって、 ばらばらになってしまった。
ララ
鳥は乱暴にララを放り投げ、 そそくさと飛んでいってしまった。
腰をさすりながら周りを見渡したララは、 倒れている日菜の姿を発見した。
ララ
ララはすぐに駆け寄り、 揺さぶるが反応がない。
ぐったりした様子の日菜を見て不安が募る。
ララ
出口もわからず、 そもそも脱出できるかどうかもわからない状況で、 むやみやたらに移動することはできなかった。
ララは周囲の生き物から守るように、 日菜を抱き寄せながら、 トトが見つけてくれるのを、 待つことにしたのだった。
トト
トトもその場から移動することを躊躇していた。
この森には全体的に呪いがかけられており、 妖精は魔法が使えない。
それに加えて、 沼地から発生する毒素によって、 徐々に身体が蝕まれていき、 一日いるだけでも命の危険がある。
そんな森から日菜たちを見つけ出し、 脱出することはほぼ不可能に近かった。
諦めかけていたトトに、 何者かが近づく。
「お困りのようだね」
背後からの声に驚き振り返ると、 トトはもっと驚くべきものを目の当たりにした。
トト
双子にそっくりの少年が、 薄気味悪い笑みを浮かべている。
???
意味深な回答にトトは頭をフル回転させる。
トト
???
この者は俗に言う、 『ドッペルゲンガー』という類だった。
この存在が本人をどうしようとしているのか、 何か企みがあるのかは未だに謎のままだ。
トト
ドッペルゲンガー
偽物には全てお見通しのようで、 為す術のないトトは嫌々それに縋るしかなかった。
トト
ドッペルゲンガー
納得のいく理由だが、 本心は全く読めない。
トトは偽物の指差す方へ歩き出していく。
その後ろをまるで影のように付いてくる偽物に、 前を向いたまま冗談まじりで質問した。
トト
ドッペルゲンガー
意味は理解できなかったが、 散々な未来を聞いたトトは、 これ以上質問するのをやめた。
そうしているうちに、 少しひらけた場所に着く。
そこには二つの人影が寄り添いあっていた。
トト
ララ
双子は強く抱き合って、 再会を喜んだ。
まだ目を覚さない日菜をトトが背負い、 偽物に出口を聞く。
ドッペルゲンガー
偽物はそう言うと、 一人闇の中へ戻っていった。
ララ
トト
やっとの思いで森を脱出した双子は、 日菜を診てもらうため、 フェアリーランドに向かうのだった。
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