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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

ブネ

……リンさん。

リン

リンでいい、めんどくさい。

ブネ

あぁごめんごめんw
リンってさ、
元々人間だったの?

リン

……そうだけど。

ブネ

何で死んだの?

リン

……殺された。

ブネ

誰に?

リン

……僕を恨むべき人。
僕の──大切な人。

ブネ

ふーん。

ブネ

(やっぱ似てる……こいつ
何者なんだ?)

ブネ

(でも元々生きてたんだったら
あいつだって一緒だ。)

ブネ

じゃあ人間の幸福と不幸なんてすぐに正解が出るんじゃないの?

リン

僕は、人とは違う人生を生きてきている。

リン

皆そうだ。
誰も同じ人生を歩む奴なんていない。

リン

だから、僕には幸福がわからない。

ブネ

そっか……変な事を聞いたね。

リン

君は、生きてたの?

ブネ

いいや。僕は生まれた時から悪魔だったよ。

ブネ

ソロモン72柱の26番目、
竜の公爵悪魔として
生きてきた。

ブネ

今までも、これからも。

リン

……そっか。
名誉な事だね。

ブネ

さぁどうだか。
この肩書きを背負っていて幸せなんだろうかね。

リン

自分でも、分かんないの?

ブネ

……うん。

ブネ

君が言った通り、
僕は偽善者だ。

ブネ

人間を騙す。
ただそれだけの。

ブネ

力はあるけど、悪魔としてはグラシャラボラスの方が上だ。

リン

ボラスくんが?

ブネ

あぁ。
彼は殺戮を引き起こす最低であり最高な悪魔だけど、

ブネ

僕は、何かをできるわけじゃない。

ブネ

実は僕、今能力が
使えないんだ。

リン

どうして?

ブネ

……君と同じ。

ブネ

僕も、僕を恨むべき人に、
僕の大切な人に、

ブネ

能力を封じられたんだ。

リン

……可哀想な人。

ブネ

人じゃないし、別に可哀想でもない。

リン

じゃあ、僕が能力で
ブネくんのこと
守らなきゃね。

ブネ

……あぁ、よろしく。

ブネ

すっかり遅くなってしまった……現代は
誘惑が多すぎるな。

リン

勝手にコインゲームにハマっただけじゃん()

ブネ

人間とは実に不思議なものを開発するもんだ……。()

その瞬間、

横を通り過ぎた姿に、 僕は驚愕した。

ブネ

っ……⁉︎

吸鬼 悪夜¿

〜♪

ブネ

吸鬼……悪夜?

リン

…………。

ブネ

(どうして……悪夜は
リンじゃないのか?)

ブネ

(じゃあ本当にこいつは、)

何者、なんだ……?

リン

帰ろう、ブネくん。

リン

狂神が待ってる。

ブネ

あ、あぁうん。

真神

…………。

吸鬼 悪夜¿

やあ、久しぶり。

真神

アクヤ……さん?

吸鬼 悪夜¿

“ましん”。

真神

っ……!

吸鬼 悪夜¿

いやー元気そうで何よりだよ。

真神

……貴方、

吸鬼 悪夜¿

ん?

真神

──誰ですか?

真神

もしもアクヤさんを演じてるつもりなら、貴方はアクヤさんの事、何も知りません。

吸鬼 悪夜¿

……どうして?

真神

彼は、俺の事を“ましん”とは絶対に呼びません。

真神

いつも彼は必ず、俺を“まかみ”と呼ぶ。

真神

それだけは、何年も変わり続けませんでした。

真神

その程度の知識で……
アクヤさんを名乗らないでください!

吸鬼 悪夜¿

あーあ、もう気づかれたか。

吸鬼 悪夜¿

こんにちは、いや、
久しぶり。
真神くん。

真神

久しぶり……?

吸鬼 悪夜¿

僕は、君と一度だけ
話したことがある。

吸鬼 悪夜¿

バグの粒子さ。

真神

欲望狩りにいた……あの時の……。

吸鬼 悪夜¿

よく覚えてるね。

吸鬼 悪夜¿

……あぁそうだ、
君に賭け事を
提案しにきたんだ。

真神

賭け事?

吸鬼 悪夜¿

君がもし、これから出す問題の正解に辿り着けたなら、

吸鬼 悪夜¿

吸鬼 悪夜の居場所を、
教えてあげる。

真神

──っ⁉︎

吸鬼 悪夜¿

確か、「神の使い」の招待状があったはずだけど……

吸鬼 悪夜¿

居場所が分からなくて
困ってるんだろ?

真神

その問題って……何ですか?

吸鬼 悪夜¿

……「人間の幸福と不幸について」。

真神

幸福と……不幸?

吸鬼 悪夜¿

あぁ。

吸鬼 悪夜¿

君にとっての幸福は、姉と共に過ごすこと。

吸鬼 悪夜¿

君にとっての不幸は、姉を失ったこと。

吸鬼 悪夜¿

じゃあここで君に問おう。

吸鬼 悪夜¿

「君は、華鈴と悪夜の命どちらかを助けられるとしたら、姉の命を取るのか?」

真神

それっ、は……。

吸鬼 悪夜¿

君は、吸鬼悪夜がたとえ姉を殺した奴の息子だとしても、

吸鬼 悪夜¿

彼といる時間が楽しいと感じたはず。

吸鬼 悪夜¿

幸せだと感じたはず。

吸鬼 悪夜¿

君はアクヤと一緒にいる幸福な時間に、華鈴姉さんを殺された憎しみが、一度でも脳に浮かんだか?

吸鬼 悪夜¿

一度でもアクヤといる時間を鬱陶しく感じたか?

吸鬼 悪夜¿

……答えはNOだ。

吸鬼 悪夜¿

ちゃんと考えてみなよ。

吸鬼 悪夜¿

「幸福と不幸」について。

真神

…………。

真神

(俺は……アクヤさんといる時間が……)

悪夜

まーかみ!
ポテチ食おうぜポテチ‼︎

悪夜

真神、姉さんの墓参り行ってこいよ。
仕事?んなの俺1人でできるわ!バカにしてんのか!

悪夜

うちの父親が、

悪夜

本当に申し訳ない事をした。

真神

(幸せだったのか……?)

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コメント

2

ユーザー

あああああ好きだ…! 好きすぎる…真神様…誰よりも優しいしかっこいいし人間味がある…(※神です) 悪夜様との思い出を顧みている…なんて素晴らしい人間性なんですか(※神です)

ユーザー

過去と現在の事を話しかけるやつは大抵変なやつ 乗り越えて過ごしてんのにまた不幸にさせるやつって変すぎてわろけてくる まぁそれが目的かもしんないけど

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