ばけもの神社の夢物語

＿この村に傳わる伝説を、知っているだろうか。

午後五時三分になると、必ず物音がする素能神社……

そこには、四種類の妖怪が棲み着いている、と。

ここは人口の少ないこの村唯一の高校、素能高校。

生徒数は全校生徒で五人。しかも、全員が二年生である。

そんなこの高校で今話題になっているのは、数日前歴史の授業で習った妖怪伝説、だ。

そう同級生を促しているのは佐久間大介。

彼は村で1番と言われるほど元気な生徒である。

彼の言う「ばけもの神社」とは、この村にある「素能神社」のことだ。

佐久間の誘いをバッサリ斬ったのは渡辺翔太。

悪戯好きで、実は村1番の怖がりだ。

翔太のケチ！ノリ最悪！

言ったら口聞いてくれなくなるから言わないけど！

彼は向井康二。

大阪から引っ越してきた転校生で、うるさいほどに明るい。

素能村について興味を持っており、村に伝わる数々の謎を改名しようとしている。

やっぱこーじとは気が合うな〜！

ひっどー！そんな言い方することなくない!?

佐久間が次のターゲットに選んだのは深澤辰哉。

ゲーマーで同級生からは顔がデカい、化け物などといじられている。

向井に正論を投げかけたのはラウール。

ベネズエラと日本のハーフで、毎年成績トップであり唯一のしっかり者だ。

うっ…それ言っちゃう？

おお！こーじナイス！！

よっしゃ、これで4人！

そうこなくっちゃねー！

楽しみだな〜、ばけもの神社！

毎日騒がしく、活気溢れる(？)素能高校。

今日も、授業開始を知らせる鐘の音が鳴り響く。

＿＿この日、5人の人生を少しだけ変えることになる出来事が起きるなんて、

この頃はまだ、誰も思わなかっただろう。