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コトハ

コトハ

…で、どうする?

コトハ

そろそろ次行く…?

ミナミ

ミナミ

…あ、暗号は解かなくても…?

ホノカ

どうせ悪戯だよ。

ヒスイ

ヒスイ

(…悪戯だとしても、解いておきたいけど…)

…アレを解くには、

多分、「ツール」が要るんだよな…

ヒスイ

ヒスイ

…きっと、今すぐ解けるモノでもないから、

ヒスイ

後でもいいと思う…かな。

カナウ

…た、確かに。

ホノカ

…じゃあ、次行く?

コトハ

ウチは全然いいけど、

コトハ

コトハ

…帆乃香は大丈夫なん?

ホノカ

うん、ヘーキヘーキ。

ホノカ

お化けからの手紙とか、流石にないでしょ。

ホノカ

早く次行こっ!

ヒスイ

ヒスイ

(…声はもうほとんど震えていない。)

ヒスイ

ヒスイ

(…でも、これは)

ヒスイ

(…逆に危険かもしれない。)

錦緋高等学校:女子トイレ

カナウ

…なんか女子トイレに来たから察してるけど、

カナウ

一応聞いとこう。

カナウ

…四つ目の七不思議は…?

ホノカ

えっとね、

七不思議その4、

女子トイレのバケツの裏に和紙を貼り付け、

そのバケツに水を張って、3番目の個室の中に置き、鍵を閉める。

すると、個室の床に、水が溜まってくる。

ミナミ

ミナミ

和紙を使うものには手出しちゃいけないって、

ミナミ

近所のネコが言ってました。

コトハ

あかん、恐怖のせいで心海の頭が…

ミナミ

ぶっ飛ばすぞ

カナウ

カナウ

…ねぇ、個室ってことは、

カナウ

入って実際にやるのは、誰か1人ってこと…?

ホノカ

…あ、言われてみれば。

ホノカ

和紙なら私が持ってるんだけどな…

ミナミ

燃やせ今すぐ

ヒスイ

ヒスイ

(…使うのが和紙なら、もしかしてこれも─)

ヒスイ

ヒスイ

…私が行ってもいいかな?

ホノカ

コトハ

…だ、大丈夫なん…?!

ヒスイ

多分。

ヒスイ

(…よっぽどの事がない限りは。)

ホノカ

ホノカ

危なくなったらすぐ出てきてね…?

ヒスイ

うん、ありがとう。

ホノカ

よっこらしょっと…

ホノカ

ホノカ

…うわっ、

ホノカ

思ったより重いなこれ…。

七不思議通りに用意したバケツを、

帆乃香が重そうに個室の前まで運んだ。

ホノカ

ホノカ

…ふぅ、

ホノカ

…あとはこれを、

ヒスイ

私が、中に持って入ればいいのかな?

ホノカ

…そう、だね。

ミナミ

生きて帰ってきてね…!?!

涙目の心海が、翡翠を心配そうに見つめる。

カナウ

言ってくれたら、外の私たちが何か手伝うから!

コトハ

無茶だけはしやんといてな…!

ホノカ

…気をつけてね…!

ヒスイ

うん、ありがとう

帆乃香がそこまで運んでくれたバケツを片手に、

翡翠はゆっくりと個室のドアを開けた。

バケツを置き、翡翠は鍵を閉めた。

カシャンという無機質な音が、静かな個室に響く。

ヒスイ

ヒスイ

(…多分だけど、ここまでの考えが合っていれば、)

─ここの霊は、みんなが警戒しているほど危険なモノじゃない。

ヒスイ

(…となると、多分此処でも、)

─と、

ヒスイ

ヒスイ

ヒスイ

ヒスイ

…水だ。

床には、小さな水溜まりが出来ていた。

カナウ

…翡翠ちゃんってさ、

カナウ

もしかして結構力持ちだったりするのかな?

ミナミ

こんな時に何言い出すの君は

カナウ

だ、だって、

カナウ

帆乃香があんなに重そうにしてたバケツ、

カナウ

片手で持ってたから…。

コトハ

…あ、そういやそうやったな。

ホノカ

言われてみればそんな気もする。

ミナミ

うんそうかもねでもさ、

ミナミ

絶対今する会話じゃないじゃん??

ミナミ

危機感って知ってる???

ヒスイ

…っくしゅん。

ヒスイ

(…風邪かな…?)

ヒスイ

ヒスイ

(…とか思ってるうちに、)

水は少しずつ、確実に増えていた。

ヒスイ

(…なんで外に漏れないんだろう。)

ヒスイ

(ここの個室にトクベツ何かあるのかな…?)

ヒスイ

水に少し指を突っ込むと、

ぴちょんと音がし、濡れた感触もあるが、

その指で腕を触ってみて、濡れていないことがわかった。

ヒスイ

(なるほどな、)

ヒスイ

(ここの霊は、イジメか何かで亡くなってしまったのか。)

恐らく恨みの対象にだけ、本来の水としての効果を発揮するのだろう。

水をこのまま満たしていくつもりなら、

…恨みの対象がここに来た時に、溺死でもさせる気なのだろうか。

…それに、イジメで亡くなった霊だと推測した大きな理由は、

ここまでの、ひとつを除いた七不思議に、関係がないから。

ヒスイ

(…と、まあ、)

ヒスイ

(グダグダした考察は、もう少し後ででいいかな。)

ヒスイ

ヒスイ

(…この子も、もうそろそろ、)

ヒスイ

(私が恨みの相手じゃないって分かったんじゃ…?)

…と、その時、

ヒスイ

ヒスイ

ヒスイ

…やっぱり、水が引いた。

少しひたひたになってきていた水は、

跡形もなく消えていた。

ヒスイ

(…そして、さっきの考えが合っていれば恐らく、)

翡翠は片手でバケツを持ち上げ、

もう片方の手をバケツの裏に持ってきて、

手探りで和紙を剥がした。

剥がした和紙を確認する。

ヒスイ

…!

ヒスイ

(…最初の札とは違ったけど、やっぱりそうだ。)

ヒスイ

龍神非吊符…雨乞いの札か。

剥がした「札」をポケットに入れ、翡翠はトイレの鍵を開けた。

ヒスイの不可思議事件手帳

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コメント

6

ユーザー
ユーザー

通知が来てなかったんですが……? え、これは運営に文句を言って許されるフラグ……??? え、なんで通知来てなかったの……??? いやしかし、夜中の女子トイレに個室で一人とか無理すぎる……!!_:(´ཀ`」 ∠):_ 私なら、立って入れば3人くらいいける!でゴリ押すわ……_:(´ཀ`」 ∠):_

ユーザー
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