短編

少し肌寒い感覚がして

布団を手繰り寄せようとして

……疑問に思った

………あれ、どこ行った？

おかしいな…寝相はそんなに悪くないのに

そんなことを思って隣を見ると

布団を全て持っていってぬくぬくと寝てる人間がいた

……幸せそうだなおい

こちとら寒いが？

なんて思えれば良かったが

生憎、日々の疲れが溜まっていた

その無防備な寝顔さえ

……可愛くて、しょうがない

はぁ、目が覚めたし起きるか

そう思って、布団から出ようとした

……が、寝てる人間に掴まれて離れられない

やむを得ない

無理やり振りほどいて…

……なんて、思わなかったら

……いや、思ってよかったの…かも？

枕を相手にぽすぽすと叩きつけて

部屋から逃げるように出ていった