翔side
莉子が攫われて2日がたった
先生やみんなで探しているけどなんの手がかりもない
成海昴の両親は息子は留学先だの一点張り
手がかりがあるとしてもそれは今は使えない
なにも出来ない俺は
あいつのために何が出来るか…
そんなの決まってるはずなのに
何も出来ない自分がはがゆい
ただ関係ないかもしれないけど最近海外に拠点を置いていた一ノ瀬組がこのタイミングで日本に来たらしい
タイミングが良すぎないか
この違和感は一体なんなんだ?
あぁ
みんなに会いたい
みんなに会って最後に話したい
昴
莉子
昴
莉子
この人に言ってみるのもありかもしれない
昴
昴
昴
なんでもなんて…言えるわけない
この人はやっぱり私を意思のある人形だと思ってるだけ
莉子
昴
昴
莉子
昴
昴
昴
昴
昴
…たしかに理論上だとこの人がいってることは合ってる
でも!
昴
莉子
莉子
昴
声のトーンがさがる
この人は怒ってるわけじゃないの
ただ1人になるのが寂しいだけ
だっていきなり1人で誰も知らない土地に行かされたんだもん
私だってそうなる。 そこだけは昴くんに同情する
でもやっぱりこの人が私にしてきたことを許すことなんで絶対に出来やしない
莉子
昴
莉子
莉子
昴
昴
莉子
莉子
昴
昴
莉子
みんなとはちゃんとお別れする
だってこの人には誰かそばにいる人が必要だから
私じゃない誰かを見つけるまで私を求め続ける
だから私が普通の生活なんてできるわけが無い
だから
これで
さようなら
ブロロロロロ
黒い車が日の沈む町をはしっている
真っ直ぐ
真っ直ぐ
少女が嬉しさと寂しさが入り混じった複雑な感情の中
お別れのするその時間は刻一刻と近づいていた
昴
昴
昴
昴
昴
昴
昴
あぁ私の最後ののぞみは消え去った
もうこの人を止められるのは誰もいない
私はみんなを守るために
みんなを裏切るよ
謎の男
莉子
昴
莉子
1歩1歩。足取りは重くなる一方
お別れなんてしたくない。したいわけがない。
でもしなきゃ。 そんな葛藤が心の中でおこる
昴
昴
そう。私はこっち側の人間になってしまった
もう戻れないんだ
そんなこと頭ではわかっているのに涙がでてくる
だめだ。泣くな
色んなものを堪えて涙を拭う
さぁ。行こう
涙とともに私の中にある気持ちに蓋をして倉庫の扉を開けた
ガラガラガラ
倉庫が静かに開いた
誰も来るはずはないしだれも出かけるなんてことはない
みんな扉を静かに見ていた
翔
外から物凄い殺気が漂ってくる
そして扉から見えたそれを見て驚いた
翔
莉子
いつもの莉子だ。 外見だけは
俺や俺以外の鳳来の幹部や健さん、佐伯先生も口を開かない
いや、開けないんだ
こんな凄い殺気は莉子には出せなかったやつだ
莉乃さんならありえるけどこれは莉乃さんじゃない
しばらく沈黙が続いた
でもそれを破ったのは莉子だった
莉子
翔
莉子
健さん
莉子
莉子
莉子
ひより
翔
翔
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
いつもより重い声。さっきより強くなる殺気
怒ってるのかそうじゃないのかわからないけど怖い顔
こんな莉子俺は知らない
翔
昴
莉子の後ろから現れた男
ひより
昴
昴
はははっなんて笑っている成海昴をよそに先生は怒ったようにやつを睨みつける
ひより
ひより
昴
昴
ひより
昴
莉子
莉子
莉子
昴
昴
嬉しそうに話すやつを莉子が顔を顰めながらみる
莉子
莉子
昴
昴
莉子
拗ねたように車に戻るやつはまるで子供のようだった
和樹
和樹
莉子
莉子
莉子がさっき言った言葉これはみんなが気になっていたこと
莉子
莉子
ひより
ひより
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
莉子
平然話しているが何かと葛藤しているように見える
翔
翔
莉子
莉子
莉子
莉子
健さん
健さん
莉子
健さんの言葉で気づく莉乃さんがさっきから感じない
莉子
莉子
莉子
健さん
莉子
莉子
翔
莉子
これは最後の望み
翔
翔
翔
翔
莉子
莉子
余裕そうな笑みで近づく莉子
莉子
莉子
莉子
翔
莉子
莉子
ガラガラガラ
莉子は最後になにか言いたげな表情で振り返ったあと、倉庫のシャッターを閉めて行ってしまった
俺たちはしばらく動くことが出来なかった
なぁ
莉子は俺らを裏切ったの…か?
あの笑顔も裏切られる苦しみもしってるはずなのに
俺はこれからどうすればいいんだ
なぁ…莉子
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...莉子......