10タップじゃないアホ美ちゃん

その日の夜

アホ美は無断で早退したことを咎められるかとヒヤヒヤしたが

学校から連絡が行かなかったのか何も言われることはなく

ホッと胸を撫で下ろした

金髪男子

翌日

幸枝の鋭い視線が友美に注がれる

直後にアホ美が教室へ

ここ最近ずっと証拠保全を阻止していた幸枝にとって

アホ美の言葉は負け犬の遠吠え

全く響いていなかった

幸枝の僅かな反応にアホ美が気づき振り替えると

教室の横を通る信吾の姿が

結局この日も誰も消そうとはせず

相変わらずな安藤の態度に怒りつつも

アホ美は友美と蓮斗と三人で黒板の文字を消した

昼休み

この日もいつものように三人で校舎裏に移動

アホ美は気になっていたことを友美に訪ねた

友美は中学三年の頃のことを二人に話した

中学時代の友美は今よりもっと内気で

学校でもあまり人と話すことができなかった

そんな友美に話しかけてくれたのが信吾だった

通い始めた学習塾で一緒だった信吾は

かっこよくて優しくてクラスの人気者だった

突然、誘われたことに戸惑い

咄嗟に嘘をついた

その後も何度か誘われたが

友美は全て断り続けた

友美にとって信吾は大切な友達で

それ以上の想いを抱いてはいなかったからだ

アホ美の中で少しずつ謎が解けて行く

それはこの一連のいじめの奥に潜む真実へと繋がっていた