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#恋愛
ばたっちゅ
20,190
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ヴァイオレットがいる楽屋の正面扉が、 バリイイイン!!と激しい音を立てて吹き飛んだ
ヴァイオレット
列車の照明が消えて、 辺りは暗闇に包まれる
大柄な私立探偵たちが、棍棒や銃を手に乱入し、 その連中の真ん中には、 名門貴族の傲慢な笑みを浮かべたヴァイオレットの母・エレノア・オードリーがいた
私立探偵
エレノア・オードリー
私立探偵
彼らはヴァイオレットの姿を見るなり、 数人がかりで押さえ込んで、ここから連れ出そうとする
ヴァイオレット
エレノア・オードリー
エレノア・オードリー
エレノア・オードリー
実の母親からの、 存在否定の言葉
実家の地下室を思い出させる暗闇、 暗闇に閉じ込めた時と同じような、母親の冷酷な瞳、 「化け物」だと罵り、押し寄せてくる大柄の探偵たち
ヴァイオレット
ヴァイオレットは気高きお嬢様ではなく、 何もない真っ暗な世界に閉じ込められた、 幼かった頃と変わらない、普通の少女に戻ってしまう
彼女の逆に曲がった足が、 小さく震えながら、縮こまっていた
その時、 強い腕がヴァイオレットの細い肩を抱き寄せた
サイラスだった
彼はいつもの爽やかな笑顔を消し、 冷徹な眼光で、窓の外を睨み据えていた
サイラス
サイラス
ヴァイオレット
サイラス
サイラス
サイラスが指差した先_ 貨物車の天井には、 彼の空中芸用の強靭なワイヤーとロープが、縦横無尽に張り巡らされていた
サイラスは、 驚異的な腕力だけで一瞬にして跳躍
まるで重力を忘れたかのように天井のロープへとぶら下がり、 鳥のような躍動感で空中を支配した
サイラスは空中を滑空しながら、 ヴァイオレットの手を無理矢理もうとした大柄の男の顔面に、 強烈な一撃を喰らわせた
私立探偵
私立探偵
叩きのめされた大柄の男は、 悲鳴を上げて列車から転がり落ちていく
サイラス
エレノア・オードリー
エレノア・オードリー
次々と叩きのめされる探偵たちを見たエレノアは、 感情を露わにしながら、激しく怒鳴りつける
私立探偵
エレノアに感情をぶつけられた探偵たちは、 ボコボコにされたながらも、 しつこくヴァイオレットを狙う
怯えるヴァイオレットの前に、 巨大な城壁のように立ち塞がったのは、 きらびやかなステージドレスを纏った、ジョルジーナだった
ジョルジーナ
私立探偵
ジョルジーナは、 立派な髭を誇らしげにブラッシングし、 不敵に微笑む
ジョルジーナ
エレノア・オードリー
ジョルジーナ
ジョルジーナ
ジョルジーナ
ジョルジーナの瞳は、 「親に拒絶された娘の目」そのものだった
彼女もまた、 実の父親と妹に、「化け物」だと罵られ、 髭が生えたその姿を拒絶された過去があった
エレノアは「お前と同じにするな」と言わんばかりに、 歯を食いしばりながら、ジョルジーナを激しく睨みつける
エレノアが引き連れた私立探偵たちは、 立ち塞がるジョルジーナを押し除けて、 ヴァイオレットを大勢で捕まえようとする
私立探偵
ジョルジーナ
ジーナが地響きのような声を上げ、 100キロを超えたステージ用の巨大な鉄球を、 片手で軽々と振り回した
圧倒的な怪力 振り回された鉄球が、 乱入してきた探偵たちの棒を木っ端微塵に粉砕し、 男数人をまとめて車両の壁ごと、外の雪原へと叩き飛ばす
ヴァイオレット
ジョルジーナは息一つ切らさず、 荘厳なソプラノの歌声を車内に響かせながら、 次の鉄球を構える
ジョルジーナ
ジョルジーナ
ジーナの圧倒的な強さと、サイラスの空中からの頼もしい援護 その二人の姿を見た瞬間、 ヴァイオレットの心の中は「地下室の暗闇」ではなく、 誇り高き炎が燃え上がった
ヴァイオレット
ヴァイオレット
ヴァイオレットは、 人間には不可能な逆向きに曲がる脚をしならせて、 狂気的で優雅な迎撃のステップを踏み出した
外へ叩き出された探偵たちは、 ヴァイオレットのステップに圧倒されるも、 まだ余計な口を塞ごうとしなかった
私立探偵
それを見たアーノルドは、 本物の愛銃を撃ち放ち、銃弾を掠めた
私立探偵
アーノルド
アーノルド
アーノルド
アーノルドはそれだけを言うと、 壊れていない扉で勢いよく、 大柄の探偵たちを締め出した
エレノア・オードリー
エレノアは、 娘の圧倒的な輝きとプロの芸術の前に、 己の醜さを思い知らされて、 顔を真っ白にして逃げ惑った
エマたちが避難している車両
ヴァイオレットは探偵たちがいなくなると、 すっかり疲れ切っており、 壁にもたれかかっていた
エマはヴァイオレットの姿を見つけると、 彼女の隣にそっと寄り添い、 手を繋ぐ代わりに頭を預けた
エマ
エマ
ヴァイオレットは真剣なエマの眼差しを見て、 少し頬を赤らめた
そして、 自分の肩に乗っているエマの頭を、 不器用ながらもそっと撫でた
ヴァイオレット
ヴァイオレット
ヴァイオレットはそれだけを言うと、 そっぽを向いた
これが、 二人の間に「本物の姉妹」のような絆が芽生え始める瞬間だった
コメント
1件
いやあ、この第13話、めちゃくちゃ熱かったです。母親エレノアの「存在否定」の言葉、読んでて胸が締め付けられました…。でもそこからサイラスの空中戦、ジョルジーナの鉄球で一気に逆転していく流れ、本当に爽快でしたね。特にジーナの「どっちが化け物なんだろうね?」は、彼女自身の過去が重なってきて、伏線としても効いてました。最後のエマとの「本物の姉妹のような絆」もじんわり来ました。設定の緻密さと、一座の仲間の絆がしっかり描かれてて、これは続きが気になりすぎます。