TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

落し物が運んできた運命

一覧ページ

「落し物が運んできた運命」のメインビジュアル

落し物が運んできた運命

1 - 落し物が運んできた運命 前編 -落し物が運んできた運命-

♥

165

2022年07月06日

シェアするシェアする
報告する

それは最悪な気分の午後3時

終業まであと少しだけど、今すぐ帰りたいぐらい

気分は、サイアク

ピコン

ん?

YUIさん、はじめまして

誰?

昨夜、手帳を拾いました

連絡先があったので、ご連絡いたしました

YUI

あ…

YUI

ありがとうございます!!!

それは昨日、友人の麻衣とご飯を食べた時か

その帰り道かはわからないけど

大切な手帳を落としてしまったことが原因だった

YUI

まさか、ご連絡いただけるなんて

YUI

本当にありがとうございます!

いいえ

こちらも、勝手に中を見て申し訳ありません

ですがこうして、ご連絡できてよかったです

もし、よろしければお渡ししますので

今晩空いていましたら、どこかでお会いできますか?

YUI

ちょっと仕事の様子見て、また連絡してもいいですか?

はい

いつでもご連絡ください

・・・・・・

YUI

ねぇ、麻衣!聞いて!

YUI

昨日無くした手帳、見つけてくれた人がいた!

麻衣

え、マジ?

麻衣

やったじゃん!!!

YUI

今日、手渡してくれるってさっき連絡あって

YUI

マジ嬉しい泣きそう

麻衣

あの手帳大事にしてたもんねぇ

麻衣

秘蔵の情報が盛り沢山♪

麻衣

ってね

YUI

ずっと持ち歩いてたからねぇ

麻衣

最近の記録いっぱいでしょ、アレ

麻衣

唯のオススメカフェはハズレないし

麻衣

あの手帳はマジ便利

YUI

ありがと

YUI

でも、ホント

YUI

連絡くれるなんていい人だわぁ

麻衣

ねぇ、相手って女の人?

YUI

んー?いや、男かな

一旦麻衣とのメッセを閉じて見る

表示されている名前は、まこと?だから男だろう

麻衣

え、大丈夫?それ会って

麻衣

どっか届けてもらっとくとかの方がよくない?

YUI

でも連絡くれるぐらいだし、大丈夫じゃない?

YUI

深く考えすぎっしょw

麻衣

でももし拾ったとかなら、お店に届けてくれればよかったのに

YUI

お店で落としたとも限らないしさぁ

麻衣

お店出るまでは有ったんでしょ?

YUI

一応ねぇ…多分、人とぶつかった時とか?

YUI

よくわかんないけどw

YUI

帰り、駅で人にぶつかってさぁ

YUI

荷物ぶちまけたから、その時かも?w

麻衣

ふーん…だったら駅に預けるとかさ?

麻衣

まぁ、ほら、私の前の彼氏ろくでもなかったからさぁ…なんか注意深くなっちゃって。ごめん

麻衣の元カレは、いわゆるストーカー気質だった

出かける時、どこへとも言っていないのに、よく偶然に出会った

最初は私も、それは本当に偶然で

出かけた先で出会うなんて、気が合う彼氏と付き合ってる…

なんて羨ましく感じたが

麻衣

あれからちょっと、ねぇ

YUI

男性恐怖症とはいかないんだろうけど

YUI

吹っ切れるといいね、早く

麻衣

うーん、なかなかむずいかなぁ

次第にエスカレートしていく様は

麻衣の落ち着かない声や表情と

その語られる言葉で、私さえ恐怖を覚えた

YUI

大変だったもんね

YUI

でも、ありがと

麻衣

ん?

YUI

心配してくれて

YUI

私は大丈夫だよ!!

麻衣

まぁ、変な人だと思ったら

麻衣

すぐ逃げればいいよ

麻衣

手帳も、そんなにプライベートなことはわからないでしょ?

YUI

中身も、カフェとか旅行とか記録ばっかだし

YUI

読まれても問題ないよ

待ち合わせの駅

仕事帰り、家の最寄りの駅で待ち合わせた

なんでも相手の仕事場近くということで、私はありがたい限りだ

南口の…案内板前…黒いコート…

白いマフラー…あ、あれかな?

タッタッタッ

あの、誠さん…ですか?

ええ。YUIさん、ですね

はい!

あの、本当忙しいところありがとうございました!

こちらこそ、突然すみません

手帳、こちらですよね?

あー!!!そうです、これです!!!

ほんっと、ありがとうございます!

気分はサイコー!!

受け取った手帳を見てホッとすると

初めて、目の前にいる人の顔をちゃんとみた

頭ひとつ分ぐらい高い背の、イケメンだ…なんだこれ

あの、もしお時間大丈夫なら、少しお話でもどうですか?

え?

コレも何かの縁ですし

この先に、行きつけのお店があるんです

よ、よろこんで!お礼させてください!

いや、そんなお礼なんていいですよ

ご一緒してくれるなら全然

人の良い笑みと、程よい低音ボイス

こりゃ絶対彼女いるんだろうなぁっ…て思うけど

いやでも…どうなんだろう

あ、ここ…

どうかされました?

店の前で私は思わず立ち止まった

予約必須の人気店

そこは焦がれながらも、なかなか予定がつかずいけてない、最寄りの名店!

ずっと来てみたかったんです、ここ!

そうなんですか?それはよかった

でも、予約必須、ですよね

お恥ずかしながら、今日実は、同僚と約束してまして

え、じゃああの…すみません、私の手帳なんかのために

いや、その同僚に僕がドタキャンされて

気に入ってる店だからこそ、キャンセル嫌だったんですよ

なんて幸運

なんて奇跡!!

昨夜から続いた憂鬱な気分は吹っ飛んでいく

落し物が運んできた運命

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

165

コメント

3

ユーザー
ユーザー
ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚