昔から期待されてばかりの人生だった。
「えりかならきっとできるわ!だってまふゆの妹だもの。きっとまふゆみたいに一瞬でできるようになるわ。」
でも。 私が期待されて期待通りの結果になることはない。
「…惜しかったわね。 まふゆみたいにもう少し練習する必要があったんじゃないかとお母さんは思うわ。」
「何度言ったらわかるの? えりかはまふゆより出来損ないだからまふゆ以上に練習する必要があるって何回も言ってるじゃない‼︎ この結果で誰が恥をかくと思ってるのよ。」
もし期待に応えることができたとしてもそれは遅すぎて、母の関心なんてものはなかった。
朝比奈 えりか
朝比奈まふゆ
えりかとまふゆの母
朝比奈まふゆ
えりかとまふゆの母
朝比奈 えりか
えりかとまふゆの母
朝比奈まふゆ
ここで私の中でなにかぷつりと音がして千切れた。
期待を裏切らないようにと努力してきたのは伝わらず、挙句には切り捨てられた。
そこで私は気付きたくなくて目を逸らし続けた事実を痛いほど痛感した。
母が期待してたのは朝比奈えりかという1人の人間にじゃなく朝比奈まふゆの1人の妹に期待していたことに。
朝比奈 えりか
朝比奈 えりか
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