いつだって、キミだった

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ⏰

思い出したくない出来事。考えないようにする程に頭をよぎってしまう。それがいつも夢に影響していた。

俺はため息をつきながらベットから出ると学校へ行く準備を始めた

高一の秋が始まろうとしていた頃俺はこの町に引っ越してきた。ここで桜を見るのは今年で2回目だ

その日から毎日俺は1人で学校に登校していた

同じ学校の生徒が仲良さそうに後ろから通り過ぎていくのを無言で見つめる俺

別に羨ましい訳じゃない。むしろ俺は人と関わるのが嫌いだ。このまま1人で良いずっとそう思ってる

下駄箱の傍に貼られているクラス替えの表を生徒達が見て盛り上がっていた

俺は恐る恐るクラス表を覗いた。高校生活最後の年くらいは何事もなく終わりたい。そう思っていた

その声は俺のその僅かな願いを無かったことにするかのように現実に戻させる

クラスメイトのB男に強く身体を押され姿勢を崩しその場に倒れてしまった

その拍子にチャックが空いていた鞄から筆箱が飛び出し床に散らばった

そう、俺はいじめられている。ちゃんとした理由は正直よく分からない。内気な性格があっちの癪に障ったとかそんなくだらない理由だろう。

俺は落ち込み、周りの生徒に見られながら落とした筆記用具を拾い始める

見ているだけで話しかけられたり手伝ってくれたりする訳では無い。でも最初から期待していないからそれで良い。俺の事なんて誰も気にしてないんだから。

俺はその人のことを無視して教室へ向かおうとした

普段はそんなこと絶対しないのに俺はなぜだかその人の元へ戻っていて話しかけていた

不思議だった。人助けとはいえ自分から話しかけるなんて

でもなぜだかほっとけなかった

キーンコーンカーンコーン🔔

片付けや道案内に時間が掛かり教室に行くのが遅れてしまっていた

俺は気力のない返事をすると自分の席に着き授業の準備を始めた

数分後...

突然扉が開いて先生に続いてその転校生が教室に入ってきた