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私はまた口を開く。
野乃子
ギターとベースとキーボードが重なり奏でる。私の声がそこに重なる。声質はしなやかに。
届きたいーその手のひらが あなたの背中を掴もうと 必死に 必死に 伸びていくー
1.いつも見守っていた背中が いつの間にか消え去って 私の手を握る手も 消え去ってく それでもー願いを込めて 伸ばしてくよ 届きたいーその手のひらが あなたの背中を掴もうと 必死に 必死に 伸びていくー
2.こぼれる私の瞳の雫が いつの間にか消え去って 欲しいことを願っても 止まらない それでもー願いを込めて 伸ばしてくよ 拭きたいー流れる雫を 私の手で吹き払いたい それでも それでも 伸びていくー
あなたの背中を見守り続きたあの頃を 思い出しながら伸ばしてくー 私の手があなたの手を掴むことが 出来なくてもいいから 背中に向けて伸びていくー あなたに届くことを 願って…… uhー…… Ahー…… 届きたいーこの手が……
歌いながら泣きそうになる。この歌はあの人と共に作った歌だ。
あれは夏の頃だろうか。私はあの人とケンカをした。
歌詞に込めたい思いがぶつかり合ったのが原因だった。
私はあの人の顔を見ないようにして生活をその時送っていた。あの人は謝る姿勢を取ろうとしていたが、私はそれを無視していた。
私はそんな私を嫌いになった。
それよりもそんな生活が嫌になった。
そんなある日、今いる私の後ろのメンバーたちにパーティーに誘われた。
それは何も褒め与えることなく、一つの目的の為だった。
私たちを仲直りさせるためだ。
そこにはあの人もいた。そして目的は果たされた。
後日、私たちはこの歌をケンカでの想いを歌詞にして作り上げたんだ。
一生離れ離れにならないように。それは私とあの人だけではなく、バンドの仲間……そしてファンに。でも……。