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どうしてこうなった
事の発端はわずか数時間前…1本の電話から始まった
電話の相手は、ゲーム友達のうっしーとガッチさん
1つのスマホに二人で喋りかけてくるのも、そもそも二人でいるのも珍しいなと思いつつ、用件を問いただした
すると…何故かキヨくんの話題になった
「ここ最近のあいつ、なんかご機嫌ななめだよなぁ…」とか
「最近忙しそうにしてたもんね…」とか
極めつけに、二人から「色んな意味でおつかれ」「何かあったら連絡して」と言われ、通話は切られた
どうやら用事はこれだけだったらしい
何故そんなことをわざわざ俺に言ってきたのか、と疑問に思ったが、直ぐに答えが分かった
その会話から数十分後…俺の家に突然、キヨくんが訪ねてきたのだ
なるほど、どうりであの二人が珍しく連絡を寄越した訳だ
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目線がまったく合わない
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声だけでは判別できなかったのだが、完全に隠しきれていないようで、表情にも服装にも疲れが滲み出ていた
酷いクマに、生気を失った表情
髪は四方に跳ね、よれたスウェット、玄関には大きいサイズのサンダル…
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極めつけに…手に提げたレジ袋に入っていたのは、これでもかと言わんばかりの大量のお酒だった
一体全体、彼に何があったんだ
あんなに「酒は飲まない」と豪語していた本人が買ってきたのだ、驚かずにはいられなかった
そうこうしているうちに、キヨくんはリビングの床に静かに座り、お酒を飲み始めた
飲んでいる間、キヨくんはずっと上の空だった
「うん」とか「んー」ばかりで、会話を繋げる気が感じられなかったので、彼をしばらく放っておこうと俺は別室に移動し、動画編集を再開した
何かしらあったからああなっているのだろうが、今はその理由を聞かないでおくことにした
2時間後…酒豪であるキヨくんでも、さすがに酔いが回ったようで───
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いきなり部屋に入ってきて手を引かれ、リビングのソファに連行された
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──こうして、俺はキヨくんに「可愛い」と言われ続けるという、何とも不可解極まりない状態が出来上がってしまった訳だ
俺を小動物かなにかと勘違いしているのだろうか
酔っているキヨくんの方があったかいとツッコミたいところだが、本人に言ったとて聞こえてないだろうし、恐らく無駄である
それに加え…
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どういうわけか頭を撫でられ、手を握られている
身動きが全く取れないのだ
いろいろまとめると…
"この状況…あまりにもおかしい"といったところだろうか
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悶々と考えていると、ふいに横からキヨくんが俺をじっと見ていることに気がついた
そんなまじまじと見つめられると、顔に穴が空きそうだ
顔に何かついているのか、おかしな顔をしているのか…自分では分からない
考えを巡らせる俺を他所に
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人の顔を見てヘラヘラと笑うキヨくん
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こちら側はまったく笑えないのだが
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ちらっとキヨくんの顔を覗いた
あからさまな嫌味も都合よく躱され、何故かご満悦な様子で余計腹が立つ
相変わらず目は死んでいるが、先程より表情は幾らか柔らかくなった気がする
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まさかこうなるなんて、少々意外だった
…こうやってくっついてくるのは、何か理由があるのだろうか
いや、無いな
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何故だか皮肉っぽくなる
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実は以前、キヨくんが『何らかの理由』でやけ酒をしていた時があった
その時の彼は、愚痴をこぼす訳でもなく、ずっと黙ったままだった
あまりにも静かすぎて、周りも自分も困惑したのを覚えている
だが、ある『ちょっとした面倒事』に巻き込まれた後に彼の酔いが限界に達し、倒れ込むように眠ってしまった
べろんべろんに酔った彼を放っておくわけにもいかず、仕方なく近くのホテルで介抱してやった
そのせいで、しっかりと終電を逃したのだ
そして翌日、二日酔いの彼を半ば強引に正座させ、小1時間くらい説教をした───
という事があったのだ
結局、やけ酒の理由は聞かず終いだったが
あんな事があったから、幾らか反省したかと思えば、懲りずに俺を弄ぶときた
あれだけ口酸っぱく言ってやったのに…全く世話のやける奴だ
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これは…もっと叱ってやらねば
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途端にふっと無表情になり、俺をじっと見つめてくる
正直少しドキッとしたが、時々こんな感じでぼーっとしてるしな、と軽く受け流す
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なぜかムスッとした顔をするキヨくん
残念、そんな顔したって無駄だ、俺には効かない
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口を尖らせ、ごねる彼
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俺の手を握る彼の力が強くなった気がした
俺よりも指が細いくせに、無駄にデカいし力が強い
だが、いくら相手が酔っぱらいでも、俺は容赦しない
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突然視界がぐるりと回り、ぼふっと背中に ソファーの柔らかい感触が伝わる
いきなりの事で、思考が一瞬止まった
気づいた時には、白い天井と彼の赤い髪が、視界に拡がっていた
……To be continued
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