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Nemuri
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恋愛ゲームには、あとから振り返ると、
「あれってフラグだったんだ」
と思うイベントがある。
その時には気づかない。
でもあとになって分かる。
___あの選択肢から始まっていたんだ、と。
由夏は知らない。
自分が今、そんなイベントの真っ最中だということを。
昼休み。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
声。
髙浦だった。
窓際の席。
珍しく由夏の机の横に立っている。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
……?
由夏は首を傾げる。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
髙浦はため息をつく。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
【イベント発生】 神﨑伊織が誘っています ▶行く ▷断る
由夏の脳内でウィンドウが開く。
でも、
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
現実だから一瞬で決まる。
髙浦は少しだけ笑った。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廊下を並んで歩く。
不思議だった。
瀬那くんと歩くときは、心臓が忙しい。
でも髙浦と歩くときは、緊張しない。
静かで落ち着く。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
即答。
失礼。
由夏が少し睨むと、髙浦は面白そうに笑った。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
最近みんなそれ言う。
購買へ向かう途中、曲がり角で、
瀬那 有眞 セナ ユウマ
聞き慣れた声。
瀬那くん。
その隣には、
紗良。
……遭遇イベント。
【イベント名】 ライバルキャラクターと遭遇しました
瀬那 有眞 セナ ユウマ
瀬那が言う。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
その言葉に、髙浦が少しだけ眉を上げた。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
瀬那 有眞 セナ ユウマ
瀬那が由夏を見る。
その視線に、
なぜか少しだけ落ち着かなくなる。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
瀬那 有眞 セナ ユウマ
覚えてる。
由夏が好きなパン。
【記憶イベント発生】
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
思わず声が出た。
瀬那くんは不思議そうな顔。
瀬那 有眞 セナ ユウマ
終了。
また覚えてる。
なんでそんなの覚えてるの。
紗良が横で笑う。
橘 紗良 タチバナ サラ
その言葉に、由夏の心が少しだけ沈む。
ああ、私だけじゃないんだ。
瀬那くんは誰にでも優しい。
わかってたのに。
わかってたはずなのに。
購買から戻る途中、髙浦がぽつりと言った。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
由夏が止まる。
廣瀬 由夏 ヒロセ ユカ
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
即答2回目。
髙浦は苦笑する。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
呼ばれる。
優しい声。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
一度言葉を切る。
髙浦 伊織 タカウラ イオリ
由夏は何も言えなかった。
髙浦の横顔を見る。
その横顔が、
少しだけ寂しそうに見えた。
その日の放課後。
由夏ば机に突っ伏していた。
頭をぐるぐる回るのは、
瀬那くんのこと。
紗良のこと。
そして、
髙浦の言葉。
「誰にでも優しいのと、 誰でも同じって、別だから」
意味を考える。
考えてもわからない。
すると、スマホが震えた。
通知。
髙浦伊織。
由夏は画面を開く。
そこにあったのは、
短い一文だった。
『明日、放課後空いてる?』
【新イベントが解放されました】 神﨑伊織ルートのフラグを確認しました
__ただし主人公は、まだ気づいていません。
コメント
3件
ひなさん、第9話読みました! 「誰にでも優しいのと、誰でも同じって、別だから」——髙浦くんのこの言葉、すごく刺さりました。由夏が瀬那くんの優しさに一喜一憂する気持ち、わかるなあ。でも髙浦くんの方がずっと由夏のこと見てる感じがして、胸がぎゅっとなりました。ゲーム画面の演出も可愛くて、次の展開が気になります!