赤の後を追い、兄弟達の元へ向かう
神社を降り、走って約3分 2kmは走っただろう
赤は息を切らしながら 水の前を走る
千切れる程に痛い痣や切り傷に耐え 幼い弟たちを思い足を動かす
更に横腹の痛みや荒い息遣いに 赤の体は限界に近い
いくら辛くて、苦しくても 赤の体は動き続ける
弟の事を思い出せば、 赤はなんだってできるから
@ 赤
@ 赤
団地を抜けると、 小さい一軒家が見えた
@ 赤
見た目は普通の一軒家 一件悪いことも無い、ただ普通の家
この中で、幼い兄弟が 血を流しておる
@ 赤
@ 赤
@ 水
水はは踏み入れては行けない様な この家の秘密のような物を、 触れた様な感覚に陥った
赤はゆっくり家の戸を開けた
玄関、居間、廊下を通り過ぎた 赤はまだ止まる気配が無い
あちこちに散らばっている ガラスの欠片や、血の跡
鼻をツンと指す、鉄の匂い
水には血の匂いは感じないが、 一般人はその場に居るだけでも 耐えられないほどの悪臭だ
赤が立ち止まったのは、 小さくて、電気も着いていない 押し入れみたいな部屋
赤は震える手で襖を開けた
水が息を飲むほどの、地獄の様な 光景だ
全身を痣や切り傷が覆った 幼い少年達5人
赤の兄弟であろう5人は 全てを諦めたようで、 希望も絶望も無い、朧かな瞳だった
@ 赤
@ 黒髪と黄髪の幼児
@ 赤
@ 赤
赤は扉を開けると同時に 末っ子ゆーくんに駆け寄る
部屋全体を見渡せば、 おもちゃすら無い、何も無い部屋
床にはただ畳が引かれただけで 所々血で滲んだ箇所がある
冷静になりもう一度辺りを見渡すと 泣き崩れている、昨日あった 青髪の男児がいた
そして青髪の男児を抱きしめながら ゆーくんの様子を伺う、 白髪の少年に、
ゆーくんの手を握り、 赤の目を真っ直ぐ見つめる 桃髪の男児
赤や桃髪の男子に手を握られ 瞳を固く閉じた、茶髪で黄色の幼児
何処か大人びた様な、子供のような 継ぎ接ぎだった
@ 水
水はゆーくんに近づき、 赤の隣にしゃがむ
@ 桃髪の男児
@ 桃髪の男児
@ 赤
@ 桃髪の男児
桃髪の男児は慌てた様子で 赤の手を引き、声を上げる
@ 桃髪の男児
@ 赤
@ 赤
@ 桃髪の男児
赤の言葉にハッとした様な顔をする 「ないくん」と呼ばれる桃髪の男児
見たこともない顔に驚いたんだろう
ただでさえ普段から暴行を受けてる彼等に、綺麗事は効かない
@ 赤
@ 桃髪の男児
@ 赤
@ 赤
@ 水
水は桃髪の男児に笑みを浮かべると ゆーくんの手を取る
一息吐き、自身の手に神力を集め、 ゆーくんの体に流す
ゆーくんの手は水色と黄色で輝き 彼の力が目に見える
水が握る手は、 少し力を入れただけで 壊れてしまいそうで、か弱い
@ 水
ゆーくんの顔色は少し明るくなり 手にも温もりを宿した
@ 黒髪と黄髪の幼児
@ 赤
@ 赤
ゆーくんの指が少し動いた 赤がいち早く気付き、意識が現実に 向くように彼の名前呼ぶ
@ 桃髪の男児
@ 黒髪と黄髪の幼児
@ 水
彼の目が開き、 綺麗な黄金色の瞳が見えた
水の神力により輝いた手が、 光の様な瞳に反射した
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