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我々怪異研究部!!

第29話 - 冬の終わりは映画で!!

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2025年06月15日

#司類

#冬彰

#ホラー

#ほのぼの

#感動

あかまる🍓🐾໊

司の部屋

スマホ

『…はぁい、もしもし。』

司

おぉ、おはよう！！！類！！

スマホ

『ふふ、おはよう。どうしたんだい？』

司

いや、今日は映画の約束だろう？念の為確認の電話だ！！

スマホ

『ふふ、何それ。』

スマホ

『てっきり、早く僕に会いたくてかけてきたのかと思っちゃった。』

司

なっ？！お前はエスパーか？！？

スマホ

『おや、当たりなのかい？』

スマホ

『ふふ、僕も楽しみだよ。映画は10時からだよね？』

司

ああ。あと2時間後だな。

スマホ

『2時間かぁ…』

司

……類、もう出かける準備は出来てるのか？

スマホ

『ふふ、あぁ。つい気持ちが逸ってね。』

スマホ

『もしかして、司くんもかい？』

司

あぁ。いつもより早く起きてしまってな…

スマホ

『…』

スマホ

『…ちょっと早いけど、今から出る？映画始まるまで、お散歩でもしようか。』

司

！！

司

あぁ！それいいな！！今から出る！

スマホ

『ふふ、じゃあまた後でね。』

司

(スマホよし！財布よし！多分忘れ物もない！！)

咲希

あっ、お兄ちゃん！朝から声大きかったよ〜

司

おぉっ、咲希！！すまん！！

司

少し類と電話していてな。楽しくてつい。

咲希

…そっかぁ、

咲希

楽しかったならいいけど、ご近所さんのことも考えてね！

司

すまん！！気を付ける！！

咲希

今から出かけるの？

司

あぁ！類と映画を観に行く話はしたよな？

咲希

あ〜…うん、言ってたね！

咲希

でも、映画は10時からじゃ無かったっけ？

司

その通りなんだが…互いの準備が既に整っているらしくてな。始まるまで散歩するんだ！

咲希

そうなんだ…良かったね！楽しんできて！

司

あぁ！夕方には帰る！

司

行ってきます！

咲希

行ってらっしゃい！

公園

司

類！！おはよう！

類

あぁ、おはよう。

類

なんだか少し久しぶりだね。初詣以来かな？

司

あぁ。なんだかんだ、あれから1週間も経ったんだな。

司

というか…お前、袖なんか捲って、寒くないのか？

類

寒いよ？

司

何故袖を下ろさない？！

類

なんか邪魔だし、

司

お前…どれだけ寒くても頑なだよな…

司

風邪引いても知らんぞ

類

大丈夫だよ。健康体だからね。

司

どこがだ

公園内池

類

あ、見て！ジョウビタキだ〜

司

ジョ…なんだって？

類

ジョウビタキ。ほら、あそこにいるオレンジ色の鳥さんだよ。

司

あぁ、あれか！小さくて可愛いな！

司

お！あっちの木にも少し大きな鳥が…

木の枝に止まっている鳥を指した時、クルッと鳥がこちらを振り向いた。

司

…？！

しかし、その鳥の顔は異様なもので、少し頬が痩せこけた人間の男の顔をしていた。

司

(ひ、人？！人面鳥？！？見間違いか？！)

そう思ってもう一度よく目を凝らしても、やはり人の顔にしか見えない。

司

(ぶ、不気味というか気持ち悪い…あ、あれは何なんだ…？！)

司

(いや、待て、見ない方がいい気がする…！！)

類

司くん？

司

あ、あぁ！何でもない！

類

本当に？お化けでも見たような顔してるけど。

類

何かいた？

司

えっと…

司

頬がやせこけた男性のような顔をした、鳥？が…

類

えぇ？

類

……どこにも見えないけれど、

司

む？

司

…いないな。勘違いだったみたいだ。

類

でも、人面鳥かぁ…不気味だねぇ

司

あぁ…とてつもなく不気味だった…

ポチャンッ

司

？！

司

(なんだ？何かが水面に落ちたような音が…)

類

司くん待って！！

司

ぬおっ？！？！

類

す、水面覗かないで！

司

何っ？！何かいるのか？！

類

え、えっと…うん！呪われちゃうかもしれないよ！

類

何があるか分からないし、不用意に近付かない方がいいと思う…！

司

る、類がそこまで言うなら分かった。

類

…そろそろ移動しようか。公園の方に戻ろう。

司

あぁ。

類

それにしても、今日はいい天気だね。晴れて良かった。

司

あぁ、そうだな…

司

…類。

類

なんだい？

司

今度…いつでもいい。家に泊まりに来ないか？

類

おや…

類

ふふ、司くんはえっちだね。

司

どこがだ！？！？

司

べ、別に何もやましい気持ちは無いぞ！！ただ、少し彰人と冬弥を羨ましく思ってだな…

類

ふむ……そうかい。

類

いいよ。君のお家が良いのなら、だけど。

司

本当か！なら、また許可を貰っておく！

類

ふふ、楽しみにしてるよ。

ポンッポンッポンッ

司

む？

類

おや、ボールだね。

司

誰かが飛ばしてしまったんだな。持ち主は…

類

……誰も取りに来ないねぇ

司

うむ…見失ってしまってるのだろうか？

司

仕方ない。そこに置いておこう。

類

だね。

司

〜〜で、今日の映画は…

ポンッポンッポンッ

司

え？

類

おや？

司

……さっきと同じボールだな。

類

そうだね。それに、さっきと同じ場所から跳んできたね。

司

そこに置いていたはずなのだが…風か？

類

風にしては不自然に思えるけど…まぁ、風かな。

司

もう1回、ここに置くぞ。

類

ふふ、司くん家のお正月は賑やかなんだねぇ。

司

あぁ！久しぶりに親戚に会ったりもして、結構楽しかったぞ！

類

いいねぇ

司

類はどんな正月を…

ポンッポンッポンッ

司

む、

類

おや……

司

また……やっぱり、不自然だな。

類

だねぇ。

類

でも、こういうのは無視が1番だよ。変に構ったら着いてきちゃうかもしれないし。

司

それもそうだな。ひとまず、これはもう一度置いておくぞ。

類

時間も時間だし、そろそろ映画館へ向かってもいいかもね。

司

だな！そろそろ向かうか。

映画館

司

類、ポップコーンは食べられるんだな。

類

ポップコーンは野菜ではなく穀物だからね。

司

ほう、ならトウモロコシは食えるのか。

類

いや、それは戴けないかな。

司

お前の基準が全く分からん

類

ポップコーンはお菓子みたいなものじゃないか。

司

うむ…？

類

まぁまぁ、細かいことは気にしないでくれよ。

類

それにしても、映画なんて久しぶりだな。

司

あぁ、オレもだ。

司

しかし……もうすぐ上映だと言うのに、人が少ないな。

類

だねぇ。冬休みだし、もう少し賑わっていてもいいと思うけど、

司

予約した時はもっと席が埋まってたはず…

司

まさか、スクリーンを間違えたか…？！

類

えっと……4番のD-16だよね？

司

うむ。ここは4番だったはず…

司

ちょっと確認してくる。

司

普通に4番だったぞ。

類

ふむ…時間も合ってるし…

類

元々予約してた人達がみんなキャンセルになった…とかも、考えにくいけどねぇ…

司

まぁ、人が全くいないわけでは無いもんな。

司

(と言っても、5人しかいないが…)

司

…ちょっと、聞いてみる。

類

えっ、話しかけるの？

司

まだ映画始まる前だし、確認したいじゃないか。

司

ちょっと行ってくる。

類

じゃあ、僕も着いていくよ。

司

すみません、少しいいですか？

年配の男性

はい…？どうかされましたか？

司

ここで上映する映画なんですけど、「夏くじら」で合ってますよね？

年配の男性

はて……

年配の男性

今から上映するのは、「熱の惨劇」のはずですが……

司

え？

類

おや…他の人にも聞いてみる？

司

あ、あぁ…すみません。ありがとうございました。

司

すみません、少しいいですか？

会社員らしき男性

はい？

司

ここで今から上映する映画のタイトルって、なんですか？

会社員らしき男性

「惨憺に燦燦と」だと思います。

司

(えっ？？)

司

あ、ありがとうございました…

綺麗な女性

映画のタイトル？「惨」だった気がするわ。シンプルよね。

男子高校生

「紅の劇場」…だった気がする。違ったらごめんなさい。

元気な女性

「赤劇」でしょ？もうすぐ上映よね！すっごく楽しみ！

司

まさか5人全員が、違うタイトルを言うとは…

類

奇妙だねぇ……

類

どうする？このまま観る？

司

むむむ…

司

正直、何が上映されるのか気になるところではあるが…何かに巻き込まれそうな予感しかしないからな…

類

僕はどちらでも構わないよ。このまま観てもいいし、今日は解散でもいいし。

司

えっ……

司

や…やっぱり、折角なら観よう。

類

そう？ならそうしようか。

司

(なんだろう…類と映画を観れるのは、次がないような気がした、)

司

(行こうと思えば休み明けでも行けるはずなのに…)

司

(むむ…それとも、シンプルにまだ一緒に居たかっただけ…？)

類

あっ、始まるみたいだよ。

司

あ、あぁ。

「"＿＿＿＿＿＿" ただいまより上映です。」

司

ん？今、何と…？

司

な、なんだ？！

類

一瞬視界が…司くんもかい？

司

あ、あぁ…

司

(えっと、映画は……)

司

…え？

スクリーンに映し出されていたのは、このスクリーン内と、座っているさっきの5人の人達だった。

司

(このスクリーンが撮影されてる？カメラか何かか？)

しかし奇妙なのは、そこにオレと類が映っていないことだ。

司

なんだ…？どういうことだ？

類

…あそこの席に座っていたはずなのに、僕たちの姿が映ってない。

類

そして、こちらのスクリーンには僕たちしかいない…

類

可能性は2つ。僕ら以外がみんな消えて、映画の中へ入り込んでしまったのか…

類

僕らが消えて、僕らが映画の中へ入り込んでしまったのか。

司

え、映画の中に？

類

まぁ、もしそうなら、あの視界が白くなった瞬間に入っちゃったんじゃないかな。

司

た、たしかに……

司

…一旦スクリーンの外に出てみよう。

映画館内スクリーンの外

司

普通に出られたな…？

類

そうだねぇ。このまま外に出られるか試してみる？

司

あぁ。たしか向こうが…

「ギャアアアアアアアア！！」

司

？！？！

類

？！

司

な、なんだ？！今の悲鳴…

類

あれは……4番のスクリーンからじゃない？

司

オレたちがいた場所か？！しかし、あそこにはオレたち以外誰も…

ドンドンドンドンッ！！

司

！！

司

4番のスクリーン…ドアが閉じられてる？

類

みたいだね…さっきまでは開いてたはずだけど、

バンバンバンバンッ！！

先程からずっと、内側から激しくドアを叩く音が耐えない。

司

な、なんなんだ…？

「あけてあけてあけてあけてあけてあけて！！！！！」

バンバンバンバンッ！！

司

？！

類

あ…「開けて」？

司

あぁ…たしかにそう聞こえた、

「あついあついあついあついあついあついあけてあけてあけてあけて！！！！」

司

ヒッ？！

「あけてあけてあけてあけてあけてあけて！！！」

ドンドンドンドンッ！！

司

ど、どど、どうする？！だいぶ切羽詰まってるようだが？！

類

ひ、悲痛だね……けど、開けていいものかな…？

司

た、たしかに分からん……が、

司

これを放っておくことは流石に…

類

…

類

じゃあ……開けてみようか。

司

あ、あぁ。

2人でドアに手をかけた。

司

…いくぞ。せー…の！

司

くっ……？！こ、これは、、

類

…び、ビクともしないね、

ドンドンドンドンッ！！

司

ヒッ？！

類

！

「あけてあけてあけてあけてあけてあけて！！！」

司

うっ……

司

あ、"開けて"と言われても…

類

ビクともしないし、開けるのは無理そうだよ。

類

悲痛だけど…開け方が分からない以上、どうにも出来ないよ。

司

…あぁ、

司

仕方ない…ここから、帰る方法を探そう。

類

うん。とりあえず、外に出てみるかい？

司

あぁ、出よう。

司

………

類

…

司

オレたち…映画館から出たよな？

類

あ、あぁ……そのはずだけど、

類

ここ…裏山だよね？

司

あぁ、裏山だ。学校の近くの…

類

帰れた…って事で、良いのかな？

司

わ、分からん…

類

………あっ、

司

どうした？

類

この草…造り物じゃない？

司

えっ？

司

……本当だ。よく見たら、木も偽物じゃないか？

類

まだ帰れてない…って事かな？

司

くっ…

司

あ…スマホ！！繋がらんか試してみよう！！

司

冬弥は出てくれるだろうか…

プルルルルルル

プツンッ

司

ダメか…

類

でも、スマホ自体は繋がるんだね。

司

繋がるが…連絡は無理なのかもしれん。

司

とりあえず、一旦知り合いに手当り次第掛けてみよう。

司

どれも繋がらんとは……

類

スマホは使い物にならなさそうだねぇ

司

…ひとまず下に降りよう。そもそも人がいるか確かめたい。

類

あぁ。

司

だ、誰もいないとかあるか……？！

類

駅にすら誰もいないし、植物も全て造り物…

司

やはり…まだ、映画の中ということか…？

類

かもねぇ…

司

映画の中…から、出るにはどうすればいい…？

類

うぅん…

類

でもやっぱり、映画館がカギだよね。

司

あぁ。同じことをすれば帰れるかもしれんが…

司

何せ、オレたちがいた4番のスクリーンは開かんかったからな…

類

うん…

類

困ったねぇ…全く分からないな。

司

誰かに聞くにも、誰もおらんし…

司

むむむ…

ねぇ

助けてあげようか？

司

……………はっ？

ズキッ！

司

う"ッ……！！？

類

司くん？！

ズキッズキッ

司

ぐ…ッ

司

(あ、頭が……割れそうだ…！！)

痛いの？

司

や……やめろっ！！！お前は…お前は誰だ？！

類

司くん……？誰に話しかけてるんだい…？

司

はっ？！

司

み、見えてない…のか？いるじゃないか、あそこに、

司

る、類そっくりの……何かが……

類

！

類

ど、どこ？どこにいるんだい？！

司

あそこだ！目の前に……見えないのか？！

ズキッ！

司

っ！

痛いんだね。可哀想。

司

やめろ……っ！！お前は誰だ？！

酷いな…

ズキッズキッズキッ

司

ぐっ………！！

その頭痛、痛い？

司

い……たいに、決まってるだろう……！！

ふぅん？

類

ねぇ…司くん？大丈夫…？

ズキッズキッズキッ

司

っ…！

1つ言わせてもらうけど、

僕の方が痛かったよ。

ズキッ！！

司

ﾊｯ！

司

はぁ、はぁ、はぁ…

類

あっ、司くん！良かった〜…

司

あ……る、類…？

司

オレは……

類

急に気分が悪い、とか言ってベンチに座るから、ビックリしたよ。

類

もう大丈夫なのかい？

司

ん…？

司

あれ…映画は…？

類

あぁ。「夏くじら」面白かったねぇ。

司

え？

類

おや？司くんはあまり好きじゃなかった？

司

い、いや……

司

あれ？オレたち、映画観れたのか？

類

え？さっき観たじゃないか。

司

え…？

司

(あれ…？いや、でもたしかに、「夏くじら」を観た記憶はある…)

司

(さっきまで何か、長い夢を見ていたようだが…)

司

(むむ……どんな夢だったか思い出せんな…)

類

もしかして、まだ寝ぼけてるのかい？

司

あ、あぁ……そうだったみたいだ。

司

だが、もう思い出したぞ！たしかに面白い映画だったな！

類

ふふ、だよねぇ！僕は特に中盤からのシーンが好きだったなぁ

司

あぁ、あそこからは確かに怒涛の展開だったな！オレも好きだ。

類

この後どうする？予定通り、ご飯行けそう？

司

あぁ！問題ない！行こう。

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「僕のほうが痛かったよ」って、え… しかも服装が制服みたいだから過去？の類くんなのかな… 司くんには過去の記憶が確かなかったような… てか、その前のボールとか人面鳥とかも怖かったし… 伏線がいっぱいだ… 1話から読み直してきます！💨

司と類は昔に会ってたってこと？頭よわよわ人間だからこれくらいの考察しか思い浮かばない

ひぇぇ〜〜！！司くん1日だけでいろんな情報量が、、、濃ゆい１日だね（遠い目）やはりあかまる様の作るホラーは引き込まれますね、、✨️✨️

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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