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ナナ

ケイくーん、お疲れ

ケイ

疲れたー

ナナ

仕事まだ忙しいの?

ケイ

忙しいね

ケイ

なかなか会えなくてごめん

ナナ

うーん……

ナナ

会えないのは寂しいけど

ナナ

ちゃんと穴埋め宜しくね!

ケイ

はいはい

ケイ

ナナは今、家?

ナナ

外だよ~

ケイ

え?どうして?

ケイ

もう時間が遅いし、家に帰った方がいいんじゃない?

ナナ

ババアが勉強しろってうるさいから逃げてきた

ケイ

ナナ、またお母さんと喧嘩したのか?

ナナ

喧嘩っていうか

ナナ

一方的に言われてるだけ

ナナ

私は何も言ってないよ~

ナナ

ねぇねぇ!

ナナ

今からケイくん家行っていい?

ナナ

今日はもう口うるさいババアの顔なんて見たくないっ

ケイ

今日はダメ

ケイ

今何時だと思ってるんだよ

ナナ

ケチ~

ケイ

お母さんもナナのこと思って言ってくれてるんだから

ナナ

どうだか

ナナ

自分が出来なかったことを子供に押し付けんなって感じ

ケイ

……

ナナ

どうせ私がいなくなっても気にしないでしょ、あのババア

ケイ

何言ってんだよ

ケイ

お母さんはそんなこと

ナナ

あ、イケメンはっけ〜ん

ナナ

ケイくんが泊めてくれないならあのイケメン誘っちゃうもんね

ナナ

お兄さ~ん!!

ケイ

おい!ナナ

ケイ

ナナ?

───ブツッ…

『何でも相談所』

20210516233654

投稿者:名無しさん

井原奈々子(いはら ななこ) S市内の焼肉屋◯富でバイト

2002/07/26

井原 奈々子

…ここ、は?

井原 奈々子

え?

井原 奈々子

これ、どういうこと?

井原奈々子は

曲げた膝を抱え込むような状態で

手足を拘束され

ドラム缶の中に入れられていた。

きっちりと詰め込まれているため、

動かすことが出来るのは首だけで、

顔を上げても

高く暗い天井しか見えなかった。

井原 奈々子

すみませーーーん!!

井原 奈々子

誰かいませんかーーー!!

虚空に向かって叫ぶ

が、反応は無い。

井原 奈々子

誰か!!!

井原 奈々子

…ゲホッ…

井原 奈々子

はぁ…

井原 奈々子

なんで私ここにいるの?

井原 奈々子

さっきまでコンビニにいて…

井原 奈々子

それから……

井原 奈々子

それから?

井原 奈々子

えっと…

井原 奈々子

誰かに話しかけに行って…

しかし、

その人物の顔を思い出すことは出来なかった。

不意に

重い扉が開くような音がした。

井原 奈々子

す、すみません!!

井原 奈々子

あの!!

井原 奈々子

助けて下さい!!!

 

おや

 

目が覚めたんですね

ドラム缶を覗き込んだのは、

肌が異様に白い青年だった。

その手には、

なぜか大量の木の枝が抱えられている。

井原 奈々子

あの!

井原 奈々子

助けて…くだ…さい

言いながら、

井原は気付く。

ドラム缶の中にいる自分の姿を見ても、

驚くことが無かったこの人物こそ、

自分をここに連れてきた人物であると。

井原 奈々子

あ、あなた…なの?

井原 奈々子

私をここに入れたの

 

さぁ?

 

どうなんでしょうね

井原 奈々子

じゃ、じゃあ!

井原 奈々子

助けてよ!

井原 奈々子

ここから出して!!

 

うーん…

 

それは出来ないんですよ

井原 奈々子

なんで!?

 

私は貴女を殺さなければならないので

井原 奈々子

…は?

井原 奈々子

こ、殺すってどういうことよ!?

 

どうもこうもうそういうことです

井原 奈々子

ふざけないで!

井原 奈々子

ちゃんと説明してよ!!

井原 奈々子

なんで

井原 奈々子

なんで殺されなきゃいけないの!?

 

そういう依頼を受けたので

井原 奈々子

依頼?

青年は抱えていた枝を床に置き、

パキパキッ

と折りながら

ドラム缶の中に入れる。

井原 奈々子

ちょっ!

井原 奈々子

ちょっと何するのよ!!

 

下準備をしているんです

井原 奈々子

下準備って……

井原 奈々子

殺す依頼……

井原 奈々子

やっぱりあのババアが…

 

あのババア?

井原 奈々子

私のお母さんのこと!

井原 奈々子

どうせあいつなんでしょ!?

井原 奈々子

私を殺すように頼んだの!

 

……

井原 奈々子

………やっぱり

井原 奈々子

…やっぱり私は要らない子供だったんだ

井原 奈々子

…うぅ…ぐすっ…

 

……

井原 奈々子

なによ

 

はい?

井原 奈々子

どうせ可哀想な奴って心で笑ってんでしょ!

 

いえいえ

 

枝を眼球に刺したらどうなるのかなぁ

 

って考えていまして

井原 奈々子

なにそれ!

 

誰しもが自分に興味を持って

 

考えているなんて思ったらいけませんよ

井原 奈々子

一対一でそれ言う!?

 

まぁまぁ落ち着いて下さい

井原 奈々子

あんたねぇ!

青年はどこまでもにこやかな笑みを湛え、

松ぼっくりをドラム缶に投げ入れる。

井原 奈々子

…………

井原 奈々子

はぁ…

井原 奈々子

ねぇ

 

なんでしょう?

井原 奈々子

あんた、人から依頼を受けて私を殺すんでしょ?

 

はい

井原 奈々子

いくらで?

井原 奈々子

いくらで私を殺すの?

 

お金は貰ってません

井原 奈々子

は?

井原 奈々子

タダで人を殺すっていうの!?

 

ええ…まぁ…

 

金銭的なモノが絡むと

 

警察に見つかりやすいですし

井原 奈々子

嘘でしょ?

 

いえいえ、ホントですって

 

あ、でも

 

たまに殺した方の財布からお金を貰ったりしますけど…

井原 奈々子

…私の財布に入ってた三千円…

井原 奈々子

取ったの?

 

……

井原 奈々子

サイテー

 

……

井原 奈々子

じゃあさ

 

…はい

井原 奈々子

私が今、頼んだら…

井原 奈々子

あのババア殺してくれる?

井原 奈々子

だって、お金取らないんでしょ?

 

まぁ、そうですけど…

井原 奈々子

それとも

井原 奈々子

依頼人が死んだら依頼が無効になるとか?

 

……それはありません

井原 奈々子

じゃあ、殺してよ

井原 奈々子

私のお母さん

 

宜しいんですか?

井原 奈々子

うん

 

では、名前と生年月日を教えて下さい

井原 奈々子

井原明子(いはら めいこ)

井原 奈々子

1980年6月28日生まれ

 

……わかりました

井原 奈々子

私と同じやり方で殺してやってね

 

…善処します

井原 奈々子

…あーあ

井原 奈々子

…リュウくんと同棲生活したかったなぁ……

 

おや、ケイくんではないんですか?

井原 奈々子

は?

 

ショウくんやマサくんでもなく

 

ましてや一番貢いでくれているソウタさんでもないとは

井原 奈々子

なんで…

井原 奈々子

知ってるの?

 

さぁ?

 

なんででしょうね?

井原 奈々子

ふざけっ

 

では、失礼して

井原 奈々子

え?

───ザクッ!!

井原 奈々子

いぎゃぁあぁぁあああああああ!!!

先を尖らせた枝が

深々と眼球に突き刺さった。

井原 奈々子

あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!

井原 奈々子

痛い痛い痛い痛ぃ゙ぃ゙ぃ゙い゙い゙!!!

青年は数歩、ドラム缶から離れ、

ライターを使って器用に松ぼっくりに火を点けると、

ドラム缶に投げ入れた。

井原 奈々子

え、あ、熱っ!

よく乾燥した枝と松ぼっくりに引火する。

井原 奈々子

ま、これ、ひ、火、火!!!

井原 奈々子

火ぃぃぃいいいい!!

井原 奈々子

熱っ!熱っ!!

井原 奈々子

やだ!やだ!

井原 奈々子

死にたくないよぉぉぉおおお!!

井原 奈々子

あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!

井原 奈々子

あ゙あ゙あ゙あ゙!!!

井原 奈々子

あ゙あ゙あ゙……

井原 奈々子

……

井原 奈々子

リュウぐん゙……

井原 奈々子

たす……

井原 明子

こ、ここは?

 

おはようございます

 

ご機嫌いかがですか?

井原 明子

あ、貴方は誰なの!?

 

まぁ、誰でもいいじゃないですか

井原 明子

よくないわよ!

井原 明子

ま、まさか!

井原 明子

貴方がナナを!?

井原 明子

私の娘をさらったのね!

 

おお…ご名答

目の前にいる青年は

わざとらしく乾いた拍手を送る。

井原 明子

やっぱり!

井原 明子

ナナは…

井原 明子

娘はどこにいるの!?

 

ああ、お嬢さんなら…

 

隣にいますよ

井原 明子

隣って……

しかし、

ドラム缶の中に入れられた明子には、

何も見えない。

 

そう

 

隣のドラム缶の中です

井原 明子

ド、ドラム缶の中!?

 

はい♪

井原 明子

あ、貴方…

井原 明子

な、なんてことを!!

井原 明子

早く!

井原 明子

早くナナをそこから出しなさい!

 

すでにお亡くなりになっているので

 

出したところで…

 

ねぇ…

井原 明子

なんてこと!

井原 明子

すぐ警察に!

 

警察に?

 

ご自分の状況がわかっていないようですね

井原 明子

自分の状況…?

ふと我に返り、

”自分の状況”を確認する。

ドラム缶の中に

膝を抱えるような体勢で捻じ込まれ

手足が拘束され、

その隙間を

枝と松ぼっくりが埋め尽くしていた。

井原 明子

これは…

 

お嬢様のリクエストで

 

自分と同じように殺して欲しい

 

とのことでしたので

井原 明子

!!!?

井原 明子

こ、殺す?

井原 明子

なんで…なんであの子が……?

 

さぁ?

 

私は要らない子なんだって言って

 

泣いてましたよ?

井原 明子

そんなこと…

井原 明子

ナナは…

井原 明子

私の大切な…大切な娘よ

井原 明子

要らないなんて…そんな…

 

そのアイジョウが

 

上手く伝わっていなかったんでしょうね

 

お嬢さんは貴女が自分の殺害依頼をしてきた

 

そう思っていたようですよ

井原 明子

そ、そんなことするわけ…

 

ええ、依頼人は貴女ではありません

 

勘違いなさったんでしょうねぇ

井原 明子

じゃあ………誰が

 

さぁ?

 

誰なんでしょうねぇ

青年はニコニコと微笑みを浮かべて、

ゆっくりと近づいて来る。

その手に

先の尖った枝を持って。

井原 明子

な、何を…

 

お嬢様と同じにするんです

井原 明子

同じって

 

こんな感じに

───ザクッ

井原 明子

いぎゃぁぁぁあああああ!!

井原 明子

痛い!痛い!痛いぃぃぃいい!!!

 

母娘揃って同じ反応とは

 

面白いですね

井原 明子

あああああ……

松ぼっくりに点けられた火は、

瞬く間に燃え広がる。

井原 明子

ひ、火、火ぃぃぃいいい!!!

井原 明子

熱い!熱い!熱い!!!!

井原 明子

いや!いや!

井原 明子

いやぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!

 

喉が焼け

 

肺が焼ける痛みは

 

想像を絶するのでしょうね……

 

さて

 

片付けをして帰りますか

ソウマ

ナナ?

ソウマ

まだ怒ってるのか?

ソウマ

いい加減、機嫌直せって

ソウマ

それとも

ソウマ

やっぱり俺とは別れたいのか?

ソウマ

この間駅前で一緒に歩いてた男

ソウマ

仲良さそうに手、繋いでたもんな

ソウマ

あれを見て腹が立たなくなったっていうことは

ソウマ

まぁそういうことなんだろう

ソウマ

結局、俺は単なる金づるだったんだろ?

ソウマ

買ってあげたモノ売り捌いて

ソウマ

それで別の男に貢いでた

ソウマ

気付いてないとでも思ったのかよ

ソウマ

なぁ既読ぐらい付けろよ

ソウマ

わかった

ソウマ

もういい

ソウマ

好きにしろ

ソウマ

もう俺からは連絡しないから

ソウマ

じゃあな

『何でも相談所』【完結】

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コメント

6

ユーザー
ユーザー

松ぼっくりをせっせとドラム缶に詰める香坂さんを想像したらちょっと微笑ましかったです(それどころじゃない)

ユーザー
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