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虚言ノ彼方【終?】

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虚言ノ彼方【終?】

13 - Episode thirteen【青・蒼・碧】

♥

23

2020年09月10日

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ミシロ

残る部屋は3つ…

ミシロ

まずは1階の部屋から攻略する感じで行こうかな

1階 左の部屋

ミシロ

この部屋はなんの部屋だろう…

ミシロ

前の部屋は部屋というより異空間みたいな感じがしたけど…

ミシロ

ここはちゃんと部屋になってる

ミシロ

けど、多分…

ミシロ

隠し通路なんかもあるんだろうな

ミシロ

まずは探索することから始めないといけないけど…

その部屋は至って普通の部屋でこれといって変わったものがある訳ではなかった

気になるところは机のある引き出しには鍵が掛かっており開かないこと

何かを書いてる途中だったと思われる謎のメモ用紙

そして本棚の目立ちにくいところに置いてあった日誌のようなもの

くまなく探したがこれしか見つけることが出来なかった

ミシロ

多分鍵は隠されてるはず…

ミシロ

その鍵の在処はこのメモ用紙が記してて

ミシロ

そのメモ用紙には日誌の事が書いてあるから日誌と共に読み解けばこの鍵がどこにあるか分かるはず

ミシロ

まずメモを見る…

僕のお気に入りだった青色のペンが無くなっちゃった…

僕が無くしたかあるいはお兄ちゃんが持って行っちゃったか…

大事な事は青ペンでいつも書くようにしてるのに

もしお兄ちゃんが盗んだならここに………

ミシロ

ここで途切れてる

ミシロ

ちょっとした感想と兄に対するコメント程度しか抱えれなかった

ミシロ

でもヒントはあった

ミシロ

【大事な事は青ペンで書く】

ミシロ

これを踏まえて日誌を見れば…

〇月×日 (晴) 今日はとってもいい天気! 空の青がよく見える!でも空の青って水色とも言うけど何が違うのかな?

ミシロ

青ペンでは書かれてないけどどうやらこの子は青がとにかく好きみたい…

〇月□日 (くもり) 前の日に見たあの綺麗な空は最近見てない雲ひとつない綺麗な空だったな… あーいう空を蒼天て言うらしいし……

ミシロ

また青に関するお話…

ミシロ

ん?ここの【蒼】だけ青ペンで書かれてる?

ミシロ

余程青が好きなのかな?

〇月△日 (晴) 久し振りのいい天気で僕は嬉しかった! 庭に植えていた花には昨日降った雨水が残っていてそれが陽の光によって反射してとっても綺麗だった!

ミシロ

前日は雨が降ってその次の日は晴れたみたい

ミシロ

やっぱりこの日誌何故か青をすごく強調してる感じがする…

ミシロ

なんか好きとかじゃなくてどちらかと言うと何かを伝えようとしてる?

〇月〇□日 (雨) 今日は酷い雨だった…傘もってたのに濡れたし…でも良いこともあった!碧の石を見つけられた!雨だからって嫌なことだけじゃないみたい!

ミシロ

今度はこの【碧】だけが青ペンで書かれてる

ミシロ

でもこれって青と言うより緑の方が近いはず

ミシロ

確かこの碧は緑をベースに青色を混ぜたような色だからどちらかと言えば緑よりだよね?

ミシロ

とはいえ、この漢字も碧(あお)と読む事はあるから間違ってはない……かな?

×月〇日 (くもり) 今日新たな発見があった…でもこれは他の人には絶対言えない。この部屋に隠し通路があった

僕の机の下の床の模様だけ少し違くなってる場所があってそれを押してみると本棚の後ろに扉が現れた

興味本位でその先に進むと透明なカプセルらしきものの中に何人もの人が入ってた

そのカプセルの中には滄かった…それを見た僕は怖くてその場から逃げ出した

その時だろうか肌身離さず持っていた机の鍵を落としたみたいだ

この日誌はこれ以上書くかは分からない

ミシロ

この文に出てきた【あお】は滄という字だ

ミシロ

この字の意味合い的に【水の青】という意味合いがあったはず

ミシロ

つまりあれは海のような色味のことを指す

ミシロ

海の青は場所によるが恐らくこの文の指す色は深く黒っぽい青の事だろう

ミシロ

この子が見たそれは何かの実験のものなのかもしれない…

ミシロ

それを見たこの子はもしかすると…

ミシロ

流石にもう日誌は書いてないか……ん?

ミシロ

最後のページに少しだけ書かれてる

怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

青がぼくを蝕んでいく……

ごめんなさいするから…だからもう

あのカプセルの中に入れないで……

また苦しいの……そんなのやだよ……

また僕は青に染る……

ミシロ

青に染る…

ミシロ

そしてカプセルという言葉

ミシロ

この本棚の奥にその青のカプセルが…

日誌にあった手順を踏んでその扉を出現させる

少し怖かったがその恐怖を押し殺し、扉を開ける

ミシロ

うっ……

ミシロ

何この通路………

ミシロ

頭が痛くなるような…

扉の先は狭い通路になっておりその先に進む事に空気が重くなり

どことなく気分が悪くなっていくのを感じとることができる

ミシロ

この先にあのカプセルが…

狭かった通路を抜けると日誌にあったあのカプセルの存在が露わになった

ミシロ

ほんとにカプセルの中に人が…

ミシロ

この大きさ的に人一人分って感じ…

ミシロ

紺色に近いような気味の悪い液体だ

ミシロ

ん?あれは…

いくつもあるカプセルの中で一つだけ気になるカプセルを見つけた

ミシロ

この中にいる人って子供だよね……

ミシロ

それもまだ年増も行かない…

ミシロ

この子も何かの実験に……

ミシロ

この子の液体だけ色が少し違う

ミシロ

蒼色…

ミシロ

この子だけ蒼色の液体だ…

他のカプセルは紺に近い色合いをしているがこの子のものは違う

自然のが作り出す緑に少し近しい蒼だ

ミシロ

何が違うのかな…

中に入っているその子は最後の最後まで抗ったのか泣きじゃくるその顔でこちらを見ていた

ミシロ

この子があの日誌を書いてた子なのかな…

ミシロ

でも今の私には関係ないこと…

ミシロ

少し心が痛むけどこの子を救う方法はない

ミシロ

ここに来た理由はあの鍵を手に入れて引き出しの中身を確認すること

ミシロ

恐らくその引き出しの中身こそが画家の求めていた青の絵の具だろうから

液体に浸かった子供を後にして鍵を探す

思いのほかあっさりと見つかり足早にその場を後にした

その部屋を出る瞬間【パリィーン】と言う何かが割れるような音が聞こえた

ミシロ

何か割れるような音がしたってことは…

ミシロ

もしかするとあのカプセルの中に入っていた人が出てきたのかもしれない…

ミシロ

だとしたら早く引き出しの中身をとって…

なんの音か分からないが命の危機が迫っていると感じて急いでその鍵を使う

しかし焦りと恐怖で手が震え鍵穴に上手く入らない

やっとの思いで鍵穴に差し込むことができ中身を確認する

そこにはしっかりと青の瓶がありそれを取り部屋を出ようとした時

隠し扉から何者かが現れた

それは先程までカプセルの中にいたあの子供であった

???

オ……ネェチャン…

ミシロ

あっ…

???

ソノビン……

???

ドウスルノ?

ミシロ

も、持ち主に返すの…

???

ボクヲ…

???

ボクヲステルンダネ…

ミシロ

え?

???

ソレヲワタセバ……

???

マタボクハ…

???

アノアオノセカイ………

ミシロ

………

???

ダカラ…

???

ソレハイヤダカラ………

???

カエシテヨ……

ミシロ

ごめんなさい…

ミシロ

それは出来ないの

???

カエシテヨ………

???

カエシテヨォォォォォォ!!

人の形をしたその蒼の生き物はミシロの命を狩り取りに来ていた

とっさの判断でいつぞやに手に入れたあの錆びたナイフで人体の急所に一刺し入れる

???

グァァァァァォァ!!?

ミシロ

ごめんなさい……

ミシロ

あなたが辛いのは分かるけど…

ミシロ

私にはやるべき事がある…

ミシロ

だから……ごめんなさい

???

アッ……アァ……

急所を外したようでまだ少しだけ息のあったその子供にトドメを指すために

その錆びたナイフを人間で言う心臓のある箇所に思い切り突き刺す

???

アッ…………

ミシロ

………

???

ア……リガ………ト…

ミシロ

え?

掠れるようなその声で子供はありがとうの感謝の言葉を言い放ち力尽きた

ミシロ

………

ミシロ

いつしか死ぬ事こそが救済だと思ったのかな

ナイフを抜き取りその部屋を後にする

その後手に入れた青の絵の具を画家に渡す

画家

青を手に入れてくれたか!

画家

青は清々しい色にもなるし逆に少し悲しさも出せる色なんだ

画家

持ってきてくれた青は悲しみの青って感じだな

画家

まぁ今回俺の描く絵にはピッタリだけどな!

ミシロ

残り二つも探してきますね

青は清さも悲しさも表現出来る

あの日誌の子供の人生も青と同じだ

最初は綺麗な青であったが時が経つにつれてそれは暗みがかって

いつしか綺麗な青は悲しみの青に変わったのだ……

心の中で自分なりの答えを出したミシロ

それがあの日誌の子供にできるせめてもの救いだと思ったのだから……

虚言ノ彼方【終?】

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