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#ミステリー
翠琉
16
#闇バイト
るしゅ
679
#心理戦
鬼霧宗作
406
875
人間は万能ではない。
それこそ、完全に未来を予測することなんてできない。
そして、脳天の直撃は避けられたものの、他の部位に一撃を喰らってしまうことも予定外。
そもそも、当事者でもなんでもない連中が、本気で殺しにかかってくるなんて、思いもよらなかった。
バッグに仕込んだ爆弾は、美佐子が瑠奈に向けての罠のつもりだった。
こちらが隙を見せ、その隙にバッグを奪わせ、そのせいで奪ったバッグがドカン。
これが思い描いていた結末だったのに、瑠奈の親衛隊に使ってしまった。
死んでしまった曽根神には申し訳ないが、完全なる無駄撃ち。
余計なことをしてくれた結果だった。
そしてまた、余計なことをしようとしている奴が、日向の計画を台無しにしようとしている。
きむら
ひなた
その言葉にぴたりと木村のバットが止まる。
ひなた
ひなた
ひなた
とっさの出まかせだった。
確かに、法律の中に返り討ちのルールは含まれている。
しかしながら、明確な規定は定められておらず、今のところは曖昧なのである。
ゆえに、この状況で木村が日向に危害を加えても、おそらくは返り討ちが成立するだろう。
しかし、明確な基準がないゆえに、はったりは大いに有効。
これはまだ、法令がしっかりと根付いていない今だからこそ有効だった。
きむら
いくら馬鹿でも、罪になる可能性を示唆すれば、その動きを一時的にでも封じることができるはず。
ひなた
ひなた
そう、ここまでは日向の思い通り、馬鹿でも動きを止めることができていた。
ただひとつ、大きな想定外があった。
それは――日向が思っていた以上に、木村が馬鹿だったということ。
きむら
ひなた
木村は改めて大きくバットを振りかぶる。
ひなた
体制を立て直そうにも、まだ立ち上がれてもいない。
痺れも半分取れたから取れないかくらいだった。
このままでは――殺られる。
振りかぶったバットを、そのまま木村が振り下ろそうとする。
きむら
それは人を殺すような感じではなかった。
まるで、目の前の障害物を取り除こうとするかのごとく、実に軽い掛け声。
????
ふと、誰かの怒号が聞こえたかと思ったら、木村の体を大きく飛んだ。
何者かが、木村のことを蹴飛ばしたようだった。
日向の頭上を越えて蹴りに行ったから、飛び蹴りというやつになるのだろうか。
翔太
肩で呼吸をしながら振り返ったのは、日向の幼馴染である翔太だった。
ひなた
思わず泣きそうになってしまうのを、ぐっと堪える。
なぜなら、ここまで1人だったから。
会うのはみんな敵対するか、恐る人達ばかりで、日向のことを気遣ってくれる人間なんて、誰もいなかったから。
きむら
翔太
翔太
ひなた
翔太の伸ばした手を掴むと、彼の先導に従って走り出した。
しばらくすると、適当に教室を覗き、誰もいないことを確認したのか、その教室へと翔太を先頭にしてはいった。
翔太
翔太
翔太
翔太
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
翔太
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
翔太
翔太
翔太
翔太
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
翔太
ひなた
翔太
翔太
ひなた
ひなた
翔太
翔太
翔太
翔太
ひなた
ひなた
日向はそう言葉を残すと、教室を後にする。
もう今さらになって引き返すことはできないのだから。
ひなた
すでに役所から支給されたものを使い果たしてしまった日向の脳裏には、すでに恐ろしい策略が浮かびつつあった。
完膚なきまでに――叩き潰す。