主
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第84話『影を呼ぶ声』
夜の帳が落ちるころ、部屋の中はほとんど真っ暗だった。
モニターの電源も落とし、カーテンを閉め切ったまま、いるまはベッドの端に腰を下ろしていた。
冷房の音だけが、規則的に鳴っている。
けれどその静けさが、逆にうるさい。
頭の奥で、微かなざわめきが続いているからだ。
“――また、声がした。”
ノートの隅に書いた文字が、思考の端に浮かぶ。
それは確かに自分の手で書いたものなのに、まるで他人の言葉のように感じられた。
あれから、何度もあの“気配”を感じた。
何もない空間から、誰かが見ているような、息を潜めて笑っているような。
らんの時も、こうだったのだろうか。
影を受け入れることで、光が強くなる。
――それは、確かに聞いた言葉だった。
けれど、いざその「影」が自分の内にいるとわかると、認めることがどれほど怖いかを思い知る。
いるま
いるまは、独り言のように呟いた。
いるま
敵として認識していた存在を、急に“仲間”として受け入れる。
そんなこと、簡単にできるはずがない。
人は理屈よりも感情で動く生き物だ。
それでも、確かめなくちゃいけない。
このまま逃げていたら、きっと“あいつ”に呑まれる。
息を吸い、目を閉じる。
喉がひどく乾いているのを感じた。
手のひらにじんわりと汗がにじむ。
いるま
呼びかける声は、わずかに震えていた。
いるま
その瞬間。
頭の奥に、電流のような痛みが走った。
視界が歪む。
息が詰まる。
心臓を掴まれたような圧迫感と共に、世界がぐらりと揺れた。
足元の影が、揺れた。
まるで液体のように波打ち、黒が人の形へと変わっていく。
やがて、それはゆっくりと顔を上げた。
自分とまったく同じ顔。
けれど、どこか冷たい。
瞳の奥にあるものが、人ではない。
いるまの影
影が、口の端を上げた。
いるまの影
わざとらしい敬語。
まるで人を嘲るような口調に、いるまは眉をひそめた。
いるま
影は、軽く苦笑して首を傾げる。
いるまの影
いるまの影
いるまは、じっとその顔を見つめる。
鏡を覗き込んでいるような気分だった。
けれど、そこに映るのは“自分ではない”。
いるま
その言葉に、影はわざと大げさに溜息をついた。
いるまの影
肩をすくめるように笑い、影は続ける。
いるまの影
いるまの影
いるまの影
いるまの影
その声は低く、冷たいのに妙に美しい響きを持っていた。
いるまは、少し俯き、拳を握る。
いるま
顔を上げる。
いるま
影は、一瞬だけ口を閉ざした。
冷たい瞳の奥で、何かが微かに揺れた。
沈黙の中、いるまは静かに息を吐く。
いるま
影が首を傾げた。
いるま
その言葉に、影の目がわずかに見開かれる。
いるまの影
いるま
いるま
いるま
短い沈黙ののち、影はゆっくりと頷いた。
いるまの影
そして、すぐに口の端を吊り上げる。
いるまの影
いるまの影
いるまは苦笑した。
いるま
いるま
影が微かに笑う。
その笑みは冷たくも、どこか人間らしかった。
そして、影が一歩前へ出た。
床に落ちた黒が、いるまの足元にまで伸びる。
いるまの影
挑発的な響き。
空気が一瞬で凍りついた。
いるまは息を止めたまま、目を逸らさずに頷いた。
いるま
その瞬間、部屋の灯りが一瞬だけチカッと明滅した。
風もないのにカーテンが揺れ、空気がざらりと波打つ。
影が笑う。
いるまの影
いるまの影
言葉が終わると同時に、視界が暗転した。
世界の色がすべて抜け落ち、白と黒だけの空間が広がる。
その中に、二人――いや、“一人とその影”が立っていた。
何かが、始まろうとしていた。
第84話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡120
主
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コメント
4件
🌸くんの時とは全然違う展開...📢くんどうなるんだろう... 続き楽しみにしてます!!!
展開が予想外、、! いるまくん頑張って!(?) 続き待ってます!