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川井
僕
川井
僕
川井
僕
川井
ヤバい。この人は絶対にやるタイプだ。 僕は必死で謝った。
僕
川井
サングラスに黒スーツ。プロレスラーのような体型。確かに用心棒っぽい。 っていうか、組関係の人にしか見えない。
有岡
僕
川井
川井さんがタブレットで動画を再生した。 どこかの家の庭。手入れの行き届いた花壇と、白いブランコがある。 女性と五歳ぐらいの女の子が並んで芝生に座っていた。
女性
子供
川井
数秒後、二人の背後にあるブランコが揺れ始めた。
僕
川井
ブランコは勢いを増し、ほとんど水平になった。 それなのに、全く音がしない。 そのせいか、画面の中の二人も気づいていない。
晴美
涼香
その瞬間、ブランコがピタリと止まった。
僕
川井
僕
晴美
涼香
川井
二人仲良く手を振る真横に、影が来た。 背格好は涼香と変わらない。川井さんが言う通り、子供だ。 影の子供は、涼香と同じように手を振っている。
僕
川井
僕
川井
有岡先生はゆったりとうなずき、監督のあとに続く。 家に入り、セッティング完了。撮影開始だ。
川井
晴美
かなり疑っている感じだ。 いきなりテンション高めの男が現れたら、こうなるのも無理はない。
川井
川井さんはインタビューを始めた。 見てる奴らのトラウマになるような映像を撮ると宣言したわりに、 かなり退屈な会話だ。
川井
有岡
晴美
有岡
晴美さんの顔色が変わった。
有岡
川井
有岡
晴美
有岡
川井
晴美さんは黙ってうなずいた。
川井
僕
川井
全員が川井さんの後に続いて庭に降りた。 有岡先生が何やら唱えながら周辺を歩き出す。 ブランコの横にある植え込みで足を止めた。
有岡
川井
有岡
有岡先生は涼香ちゃんに向かい、念を込め始めた。 大声を上げ、空間を切り裂くように手を振るう。
有岡
その途端、涼香ちゃんは力なく座り込んだ。
有岡
涙を流して感謝する晴美さんと、無邪気に遊ぶ涼香ちゃんを撮影して、 その日は終わった。 帰り道、川井さんがいきなり馬鹿笑いを始めた。
川井
僕
川井さんが更に爆笑した。有岡先生も笑っている。
川井
僕
川井
有岡
避難中、ひとりの女が正気を無くし、 皆の制止を振り切って外に出ようとした。 その瞬間、焼夷弾が飛び込み、中にいる全員を焼き殺したのだという。
有岡
川井
有岡
川井
なんだこの人。なんなんだ、この人たちは。 子供の体に、そんな沢山の霊を入れても大丈夫なのか。
僕
川井
僕
川井
その日から一週間後。再び須藤家前で撮影開始。
川井
川井さんは沈痛な表情を作った。 この人、ディレクターより役者の方が似合うんじゃないか?
川井
空き家のビラが貼られた家の玄関をこじ開け、僕らは中に入った。 この間、インタビューした部屋の中で、とんでもない事が起きていた。
川井
部屋の中心に黒い渦がある。 数え切れないほどの影がひとつに固まり、 輪になってぐるぐる回っているのだ。
川井
有岡
川井
有岡
川井
有岡
川井
酷すぎる。なんて人だ。
川井
僕は黒い渦を撮った。 一瞬、あの母娘の姿が映った。 晴美さんは物凄い顔で僕らを睨んでいた。 川井さんにも、それが見えたようだ。
川井
次回のガチ怖TVは―― 超ヤバい『あの箱』発見! 女子供は絶対に見ちゃダメ!をお届けします。 お楽しみに!
二本目・超ヤバい『あの箱』発見!女子供は見ちゃダメ!
僕
川井
僕
川井
僕
川井
僕
川井
現場への車中で、川井さんは二本目の内容を話し始めた。
川井
僕
川井
川井
僕
川井
僕
川井
僕
川井
僕
川井
僕
川井
僕
川井
ナビに出ない場所を目指し、車は山道を進んでいく。 峠を二つ越えると、古びた民家が見えてきた。 有岡先生が手を振っている。
川井
有岡
確かにパズルみたいだ。
川井
僕
川井
川井
川井さんが箱をカメラに近づけてきた。
川井
有岡
どうやって箱が手に入ったか、川井さんが説明した。
川井
有岡
有岡は、ゆっくりと家を振り返りながら言った。
有岡
川井
有岡
サングラスとマスクの男が現れた。 中肉中背、これといって特徴はない。 鳥箱は異様に甲高い声で挨拶をした。
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
有岡
川井
家の中は雑然とはしているが、荒れた様子は無い。 奥の引き戸を開け、作業場に案内された。
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
川井
鳥箱
鳥箱が部屋の片隅から数枚の写真を出してきた。 この箱を使った客が、感謝の意を込めて送ってきた写真らしい。
川井
鳥箱
全員が黙ってしまった。
川井
鳥箱
そう言って鳥箱は高らかに笑った。 二週間後、僕は川井さんに呼ばれた。 三作目の打ち合わせである。
僕
川井
僕
川井
僕
川井さんは持っていたカバンを開け、中身を見せた。
僕
川井
僕
川井
僕
川井
川井
そう言って川井さんは、とても幸せそうに微笑んだ。
さて、次回のガチ怖TVは―― 呪われたマンションで自殺競争! 誰が死ぬかな?最後の瞬間までお届け~♪ をお送りします。 お楽しみに。