前哨戦

バチッ！！

15歳の娘が日に日に怪我を増やし帰宅するものですからもちろん母も心配します

それでも私はディクを手放したくなかったので毎日傷を隠して取り繕って過ごしてました…

苦しかったけどずっとディクが好きなのには理由があるのです

付き合ってすぐのことです

怪我して私が動けない中15分も祓霊者が来るまでディクは私を庇って霊物に立ち向かっていました

少し辛いですが私は愛されているんだって実感していました

この出来事以降ディクにどんな酷いことをされても好きなままでした

でも恋は盲目ですね、

なぜ気づかなかったのでしょう

普通一般人が霊物なんかと対面したら瞬殺されます

祓霊者でもないただの17歳が怪我した15歳の女子を守りながら霊とやりあうなんて不可能、

そもそも怪我をさせたのはディクですし

同時は気づけませんでした

今思えばすぐにわかる、

私の好きだったディクは操霊師だった

この出来事は私の信頼を勝ち取るための自作自演、

そして私はディクを愛していました

でもディクは私のことなんてどうでもよかった

日頃の鬱憤を晴らすため私を殴り、

本来ディクが私に近づいた目的は私の母が使用人として使えていた家系、

ミラノリアを潰すことですから、

何故そこまでわかるかって？

ディクは後に私の母を殺します

そしてエリック様に片脚欠損の大怪我を負わせます

それ以降エリック様は引退し、生きる伝説の時代は終わってしまいました

エリック様により手を下されたディクは死後霊物となります

トップクラスの霊物と関係のあったディクはすぐに強くなりました

後にエル様、ルイ様、ネイ様と激しく衝突した霊物、ディクになったのです

このことを他人に話せばもう薄々勘付かれてしまいますよね

そう、今人間が劣勢な理由、

祓霊者が危機的な理由、

全ての戦犯は私なのです