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－狂犬の刑事－
第3部
上田
今日からここへ配属される、犬山 健次だ
犬山
……
俺は終始黙り込む
これから何があるか分からない奴らによろしくなんて出来ない
上田
まぁ、そういうことだからな
上田
犬山には巡査部長についてもらうから、
上田
タッグは山代、お前がつけ
山代
はい、喜んで
犬山
断る
上田
そう言わずにさ、ほら
犬山
犬山
ならばタッグはそこの君とだ
俺は、ノンキャリの新人を指さした
上田
小林？
小林
え、僕ですか…？
上田も小林も困ったような素振りを見せる
犬山
決まりだ。気に入った
上田
しょうがねぇな…
上田
小林、頼めるか？
小林
は、はい！喜んで！
犬山
よろしくな、小林
俺は煙草を咥えて室外に出た
小林
お供しますよ
犬山
おお、そうか
犬山
丁度良かった
小林
本当ですか
犬山
俺はこうして部下を持ったことがあまりないからな、新鮮だよ
犬山
怖くねぇのか？俺のタッグ
小林
そんなわけないじゃないですかw
小林
山代さんには申し訳ないですけど、昇格の為にも頑張りますよ！
犬山
それじゃ、飯でも行こうか
小林
行きます！
小林
にしても、なんでまた僕を選んだんです？
犬山
さぁな
犬山
気に入らなかったら即外すよ
小林
おぉ…それは怖いですね
犬山
心配すんなって
犬山
それよりお前、なんで刑事になろうと思った？
小林
え、きっかけですか？
犬山
おう
小林
えっと…
小林
かっこよかったからですかね…
小林
す、すいません、こんな単純で…
犬山
いいじゃねぇか
犬山
ノンキャリなんてそんなもんだよ
小林
はは…
犬山
上田は、ここではどんな感じなんだ？
小林
どんな感じ…
小林
カリスマ性があって、僕が働き出した頃から既に同じ面子の人を下に置いてましたね
犬山
同じ面子？
犬山
例えば？
小林
秋山とか室井とか…、見てれば分かりますよ
犬山
お前もその1人なのか？
小林
まさかw
小林
僕はそんな立派な刑事にはなれてませんよ
小林
そういえば水仙東署といえば、
小林
そこにいる今井刑事も仲間だって、上田さんが言ってました。
犬山
今井が…
犬山
犬山
ここでは、どんな捜査を進めてる？
小林
最近は、松原会のある組員にヒットマンの容疑がかかってるって言って、
小林
秋山さんと上田さんが取り調べをしていました
犬山
ヒットマン？
小林
はい、1か月前くらいに竜崎組の幹部が撃たれたって…知りませんか？
犬山
え、あぁ、初めて知った
小林
そんなことよりどうです？
犬山
え？
小林
僕、気に入ってくれました？
犬山
犬山
ああ、気に入った
小林
本当ですか！？
小林
良かった…
犬山
俺は単独でマーリスを調べてるんだ
犬山
協力してくれるか？
小林
マーリス…
小林
確かあなたも襲撃事件に巻き込まれたって言う…
犬山
ああ、散々な
小林
正直、マーリスは怖い気もしますが、
小林
できることならなんでもします！
犬山
そうか、頼んだぞ
小林
はい
犬山
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通話
00:00
犬山
野崎警視からだ
小林
警視から？
犬山
悪ぃ、席外す
犬山
なんですか急用って
野崎警視
入ってきたばかりなのにすまないな
野崎警視
突然だが、
野崎警視
君をしばらく監視することになった
犬山
監視？
犬山
何を馬鹿馬鹿しいこと
野崎警視
これまでに変わらずマーリスを捜査しないのは警察組織の掟なんだ
野崎警視
実は、君を警視庁に呼んだのもこの監視を強化できるからにある
犬山
腕を買ったってのは上っ面に過ぎねぇってことか
野崎警視
そうだ
野崎警視
マーリスの捜査は何としてでも停止する
野崎警視
それが私の役目だ
野崎警視
分かったな？
犬山
やれるものならやってみればいいさ
犬山
俺は止められる筋合いもねぇからな
野崎警視
望む所よ
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