私の実家は田舎だ。
でもって、私の学校は山奥、 コンビニも2キロ先まで歩かないと行けなかった。
これはそんな私が高校2年生のときに体験した出来事だ。
琴音
琴音
玲奈
玲奈
琴音
琴音
玲奈
琴音
琴音
琴音
玲奈
玲奈
玲奈
玲奈
琴音
琴音
そして、家に帰った私は両親にそのことを伝えた。
母
母は怪訝そうな表情を浮かべた
琴音
琴音
父
父
父
父は賛成だった
琴音
琴音
母
母
琴音
父
琴音
父
琴音
私はおじいちゃんの部屋に行った。
琴音
おじいちゃん
琴音
おじいちゃん
いつもは物静かなおじいちゃんが急に大きな声を出した。
琴音
おじいちゃん
おじいちゃん
琴音
おじいちゃん
その時はどうしておじいちゃんがこんなに嫌がるのか分からなかった。
琴音
琴音
おじいちゃん
おじいちゃんは黙っていた
おじいちゃん
おじいちゃん
琴音
おじいちゃん
絶対にその道を引き返しなさい
母
琴音
琴音
父
母
琴音
琴音
翌朝
琴音
母
母
その日は曇天の空模様だった
琴音
しかし、天気は悪くなるばかりだった。
琴音
学校からまだまだ距離があるため周りには誰もいない。
はずだった
琴音
琴音
琴音
私の数メートル先には同じ制服を着た女の子が自転車を漕いでいた。
琴音
琴音
琴音
1人であることの心細さと、 学校までの道のりが不安だったため、私はその子のあとについて行くことにした。
琴音
その女の子は私の知らない道に入った
琴音
琴音
朝なのに外は相変わらず薄暗かった。
そして女の子はトンネルに入った。
琴音
迷ったが、引き返すにももう道が分からない状況だった。
琴音
私はこの時点で引き返せばよかったと今でも思う。
琴音
自転車を漕ぐ音がトンネルに響く
前の女の子は1度も振り返らなかった。
ギコギコ…ガッガ…
淡々と自転車を漕ぐだけだった。
しばらくすると私はある事にきずいた。
琴音
琴音
琴音
琴音
進んでいくに連れ、トンネルの壁が赤くなっているのだ。
琴音
琴音
一向に出口が見えない
そこで、ようやく自分が何か恐ろしいことに巻き込まれていると気づいた。
琴音
よく意識して聞くと自転車の音は私のものだけだった。
そしてあの子の首は不自然に左右に揺れていた。
琴音
「絶対にその道を引き返しなさい」
琴音
私は反対方向に自転車を向けた
琴音
琴音
不安な思いでペダルを漕いだ。
壁には赤黒い文字が書かれていた
琴音
『オイデ』
『アソボ』
色んな文字が歪に書かれていた。
琴音
しばらくすると光が見えた。
琴音
そして外に出るまであとひと漕ぎのところ
琴音
小さな私の声がトンネルに響いた
ガシッ
琴音
私の肩や自転車を無数の手がつかんだ
華奢なその手はものすごく力が強かった
琴音
私は必死に自転車を漕いだ
これが火事場の馬鹿力というのだろう。 私はなんとかトンネルから抜け出すことが出来たのだ。
気がつくと私は自分の家にいた。
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃんは泣きそうな顔をしていた。
琴音
琴音
おじいちゃん
おじいちゃん
琴音
おじいちゃん
昔この辺りでよく人が姿を消していたらしい。
それも1人で出かけた人ばかり
けれど、中には無事に戻って来れた人もいた。
その人たちは琴音と同じように、 前方の人について行ってトンネルに入ってしまったという。
その前方の人はおそらく以前姿を消した人らしい
次の獲物をおびき出すための囮に使われ、
囮の役目を果たせば化け物に食われるのだ
おじいちゃん
おじいちゃん
おじいちゃん
琴音
琴音
琴音
今考えると、私の前方にいた女の子は最近行方不明になった子だと思う。
そして、あの無数の手は化け物の手じゃなく
今まで殺された人が 私に助けを求めてきた手だ
コメント
2件
意味が深い…
被害が広がるトンネル…助けを求めている子たちのことを考えるとすごく悲しい気持ちになります