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世界は、静かに組み替えられていた
壊れかけた遊園地の残骸が、ゆっくりと一つの形へ収束していく
それは、巨大な迷路だった
空へと伸びる壁、どこまでも続く通路、光と影が絡み合う、終わりの見えない構造
カルロ
ナイル
ナイル
ナイルが口笛を吹きながらそう言うが、その軽口には余裕がない
「この瞬間で全てが決まる」と本能で理解していた
入り口は一つしかないが、その先の道が無数に分岐している
カルロ
カルロ
その時、背後から足音が響いた
振り返ると、そこにはマカナが立っていた
マカナ
ナイル
マカナ
カルロ
マカナ
マカナは迷路を見上げる
マカナ
その時、遠くから、コツ、コツ、と音がする
その音は、どんどん近づいてくる
音が近づいてくると、ナイルが瞬時に身構える
ナイル
影の中からは、リーザが現れた
いつも通り、ボロボロの衣装を身に纏い、虚な目をしていた
しかし、その動きは以前よりも静かだった
カルロ
名前を呼んだが、返事はなかった
しかし、俺を見ても襲ってこなかった
ロラン
空中にいるロランの声は、以前よりも落ち着いていた
ロラン
ロランが手を広げた瞬間、迷路が変化する
それぞれの目の前に、違う迷路が現れる
ロラン
現に俺の目の前には、歪んだ部屋、机、工具…
そして、背後の影があった
カルロ
カルロ
ナイルの目の前には、スタジアム、歓声、倒れたナイルであろう人物
ナイル
ナイルは少し、ため息を吐いた
マカナの前には、何も描かれていない、白いキャンバス
しかし、その白さが恐怖であるかのように、広がっている
マカナ
リーザの前には、暗い部屋と遠くから聞こえる、優しい女性の声
リーザ
聞き覚えのある声に、リーザは微かに反応した
ロラン
ロラン
ナイル
俺はただ、迷路を見つめる
カルロ
カルロ
ナイル
マカナ
カルロ
マカナは少しだけ笑う
マカナ
リーザがぎこちない動きで、歩き始める
しかし、彼女は何も考えていないわけではなく、自分の道を見ている
ロラン
迷路が開き、道がそれぞれを分ける
カルロ
ナイル
俺とナイルは、拳を軽くぶつける
カルロ
マカナ
俺は、リーザを見るが、何もしない
ただ、ポケットから小さな包みを取り出す
俺はキャラメルをリーザに、そっと差し出す
リーザはそれを見つめ、ゆっくりと受け取る
リーザはほんの一瞬だけ、微かに笑った
カルロ
それぞれが自分の道を進む中、俺は前を向く
世界が分断され、迷路が閉じる
俺は迷路の中を一人で歩いていた
カルロ
狭い部屋、工具、机、散らばった部品…
なんだか、背筋が凍るような感覚がした
???
カルロ
振り返らなくてもわかる、これは父さんの声だ
???
???
父さんが放つ一言一言が刺さり、俺は拳を握る
ゆっくり振り返ると、そこにいたのは、俺の記憶の中の父親の姿だった
カルロ
気がついた時には、そう言っていた
父さんは俺を小馬鹿にするように笑う
???
???
???
カルロ
カルロ
夜中に作った小さな機械、誰にも見せなかった作品、それでも、楽しかった時間…
カルロ
父さんの姿が崩れ、まるでノイズのように歪む
???
父さんの最後の抵抗だった
俺は首を横に振る
カルロ
その瞬間、世界が光に包まれる
頭の中に、何かの記憶が流れ込む
その「何か」とは、忘れていた自分の「名前」だった
カルロ
カルロ
俺は自分の本名を完全に思い出した
それと同時に迷路が変化し、まっすぐな道が開かれる
空間が少し歪むと、そこにはロランが立っていた
ロラン
カルロ
ロラン
カルロ
ロラン
ロラン
カルロ
ロラン
カルロ
その言葉で、ロランの顔が歪む
ロラン
ロラン
小さな子どもの声と共に、空間が揺れ、迷路が崩れかける
カルロ
カルロ
長い長い、沈黙が続いた
しばらく時間が経った頃、ロランの目からは涙が溢れ出した
ロラン
俺は何も、答えられなかった
ナイル
背後から、傷だらけのナイルが現れる
ロラン
ナイル
光が早いスピードで走る
その瞬間、手を繋いだアミナとルーフスが現れた
アミナ
ルーフス
マカナが静かに現れる
マカナ
そして、キャラメルを手に持った、リーザが歩いてくる
リーザ
その言葉は途中で途切れるが、確かに近づいている
ロランは震えながら、全員のことを見る
ロラン
その問いに、誰もすぐには答えなかった
カルロ
ロランはその場で、崩れ落ちる
ロラン
ロラン
カルロ
やがて、ロランはゆっくりと顔を上げ、涙を拭く
ロラン
ロラン
迷路が大きく開き、光の道が無数に現れる
選択の時で、それぞれが道を見る
俺は最後にロランを見る
カルロ
ロランは少しだけ、笑った
ロラン
光が、世界を包む