「一緒にいようね」
なんて、軽い言葉で縛った
それを、苦い記憶にされたら嫌だな
そんな自分勝手で、それを飴の中に閉じ込めた
あなたが食べる仕草で、ニコッと笑うの
宝石みたいだね、なんて笑って食べてくれた
その中に、何を隠したのか知らないくせに
ただ真っ直ぐに、愛してたのに
こんな簡単に壊れるんだ
その気持ちすら、また雨の中に隠すの
もう飴の中には隠せない
飴如きじゃ閉じ込められない
こんな大きな、気持ち悪いものは
あんなに綺麗な飴の中に隠せないから
そんなことを、雨の中で考える
もう、二度と会えないなんて
信じられない、信じたくない
いっそ笑い飛ばしてしまいたい
出来るわけが、ないのにね
「ね、久しぶり」
「こっちは元気にやってるよ」
「…生きる気力なんて、あの日以来無いけどね」
「それでも、なんとか生きてるよ」
「そっちに行ったら、沢山話したいことがあるの」
「聞いてくれなかった分、沢山聞いてくれないと怒るからね」
「それじゃ、いつもの置いておくね」
「また、沢山思いを込めて作ったから」
「食べてくれたら、嬉しいな」
そこまで話して、立ち上がる
この後も予定が入ってる
またね、なんて心の中で呟いて
宝石のように輝く、琥珀糖を見つめる
貴方と私を繋いだ
それは確かに、宝石だった
コメント
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「雨」と「飴」最っ高!! 読んでいくうちに最初の「一緒にいようね」という言葉が壊れた理由が明かされていって凄く辛くなった……😭💦 しかも最後は目の前にいるけど返事が返ってくることがないのに「こっちは元気にやってるよ」なんて言うのめちゃくちゃ苦しいと思うはずだし「会いたい」って感情が強くなるはずなのに決して涙を見せなかった姿がかっこいいな、って思った……💭