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葵(あおい)
葵(あおい)
祖父母の家は隣県の湖の近くにあり昼間は毎日虫を捕まえたりして 遊んでいました
そんなある日祖父がふと…
祖父
道路というのは祖父母の 家から湖まで 繋がっている山道の事です
葵(あおい)
神社までは子供の足で歩くと 1時間はかかる 距離にありました
祖父
葵(あおい)
存在は知っていましたが 私の中ではそれまで 全く興味がありませんでした
葵(あおい)
祖父
祖父
と心配そうに話してくれました
祖母
お母さん
お父さん
という感じであまり 心配していないようでした
肝心の私は逆に興味を 持ってしまい早速次の日に 神社へ行こうと企みました
当時は怪談や心霊現象が信じられていたので「私も会えるかも」 という好奇心が恐怖に 勝っていたのだと思います
次の日いつも通り虫網とカゴを 持って虫取りへ行くフリをして 私は祖父母から聞いた 神社へ向かいました
祖父
葵(あおい)
祖母の言葉を聞いて 17時の鐘がなる前に帰れば 問題ないという感じで 私は大して気にしないでいました
山道を歩き始めて1時間程 神社に到着しました
葵(あおい)
葵(あおい)
そこはお祭りなどで使われる事も あるようで少し傷んでいる部分を 除けばごく普通の神社です
神社の裏手に回ってみたり 狛犬を眺めたりと 探索しているうちに ふと違和感を感じました
葵(あおい)
ずっとうるさく鳴っていた セミの声が聞こえなくなり 道路を通っていた車の気配も 全く感じられなくなったのです
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驚いて振り返ると、私と同い年くらいの男の子とその弟らしき幼い男 の子が私を見つめていました
葵(あおい)
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男の子達の話し方には方言の 訛りがなく地元の子供じゃない事はすぐに分かりました
きっと私と同じようにどこかから 帰省してきたのだろうと 考えられます
葵(あおい)
と嘘を言いました すると男の子達は…
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と言ってきたので 一緒に神社の周りの木や草むらで 虫取りを始めました
私は途中で大きなトンボを 捕まえたのですが 弟らしい子が
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葵(あおい)
大物だったので私は 嫌だったのですが男の子は しつように頼み込んで しつこいので
根負けした私は 渋々トンボを渡します
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と言ってどこかへ走り去り そのまま居なくなってしまいました
葵(あおい)
私はなんだかよく分からないまま 祖父母の家へ 帰ることにしました
帰宅するとすっかり 夜になっていて両親も 祖父母もひどく心配していました
祖父
お父さん
神社に遊びに行った事がばれたら怒られると思いとっさに
葵(あおい)
祖母
お母さん
後から聞いて分かったのですが 両親と祖父母達は帰らない私を 探しに例の神社まで 行ったのです
時計が無かったので ハッキリとは言えませんが 探しに来た時間には まだ男の子達と虫捕りを していたはずです
ですが神社には 誰もいなかったとの事でした
祖父
葵(あおい)
祖父
昔その神社で小学生の兄弟が 祭り中に亡くなったという 話を聞き私はゾッとしました
葵(あおい)
葵(あおい)
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