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須藤 りんたろう
ただいま〜
お母さん
りんたろう！
須藤 りんたろう
母さん…？
須藤 りんたろう
どうしたの？
お母さん
綾ちゃんがね…
須藤 りんたろう
綾がどうかしたの？
お母さん
亡くなったらしいの
須藤 りんたろう
…
須藤 りんたろう
は？
お母さん
いまさっき連絡が入ったわ
お母さん
だから
お母さん
今日は遅いけど行きなさい
須藤 りんたろう
なんで…
須藤 りんたろう
綾は順調に回復してるんじゃなかったのかよ…
お母さん
お母さんも今聞いたんだけどね
お母さん
綾ちゃん、余命が一年だったらしいのよ…
お母さん
りんたろうと会ったときそう
お母さん
宣告されたそうよ
須藤 りんたろう
意味わかんねぇよ…
お母さん
だから、早く行ってあげなさい
須藤 りんたろう
っ
須藤 りんたろう
わかった。
俺は走った
綾のことだけを思って
ただただ一心不乱に
走り続けた。
須藤 りんたろう
綾…
ガラッ
須藤 りんたろう
綾？
綾の親
あぁ、りんたろうくん
綾の親
よく来てくれたね
須藤 りんたろう
綾は…？
綾の親
ここだよ
須藤 りんたろう
綾？
須藤 りんたろう
来たよ？
須藤 りんたろう
ねぇ、綾？
須藤 りんたろう
あ…あや…
自然と涙が溢れてきて
俺の視界が悪くなっていく。
なんで…
なんで言ってくれなかったんだよ…
もっともっと思い出を作りたかった
もっとたくさん話したかった
もっと綾の笑顔が見たかった
情けないけどそのときに俺はやっと気づいた
綾が好きだってことに…
須藤 りんたろう
綾は、俺には余命のこと話してくれませんでした…
須藤 りんたろう
綾は一人で悩んでたんでしょうか…
須藤 りんたろう
俺はもっと綾に何かできたんでしょうか…
綾の親
りんたろうくんは悪くないよ
綾の親
余命を言わなかったのも綾の意思だ
綾の親
それに
綾の親
本当は余命の一ヶ月前にりんたろうくんに言うつもりだったらしい…
綾の親
それが…
綾の親
三ヶ月も…早く…行くなんてっ……
須藤 りんたろう
すみません
須藤 りんたろう
辛いのに話させちゃって
綾の親
いいのよ
綾の親
これ綾がりんたろうくんに渡しておいてほしいって
綾の親
渡されたものよ…
綾の親
綾のプレゼント
綾の親
受け取ってくれるかしら…
須藤 りんたろう
もちろんです…
あの後どうやって帰ったかもよく覚えていない
気づいたら朝になっていて
泣きじゃくったせいか
目が腫れていたんだ
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