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いるま
開けた丘に、二人で腰を下ろす。
らん
らんも、安堵の表情を見せた。
空には星が輝き、花火を見るには とてもいい日だ。
らんは、金魚の入ったビニール袋を 掲げ、それを眺めている。
赤い尾びれが、 小さな夏の中で彷徨う。
いるま
気づけば、俺はそんな悩みを 吐露していた。
らん
前を向いたまま、黙って頷く。
風が、 消えかけている夏の匂いを運ぶ。
いるま
いるま
きっと、こんなことを話せるのは らんしかいない。
らん
いるま
らんは、再び金魚と目を合わせた。
らん
らん
教室で授業をする、 らんの姿が想像された。
いるま
俺が笑ってそう言うと、 らんもこちらを向き、笑顔を見せた。
らん
いるま
俺と違って、真っ直ぐだ。
らん
いるま
いるま
らんは言葉を続ける。
らん
いるま
そんなこと、 言われたこともなかった。
いるま
その時、空が輝いた。
遅れて、低く大きな音が響き渡る。
一瞬で、目を奪われた。
らん
いるま
夜空一面に広がる、無数の花。
それは、俺たちから言葉を奪うのに 十分だった。
らん
彼の横顔は、何度も照らされて、
その度に輪郭が浮かぶ。
らん
らん
いるま
こうもはっきり言われると、 照れを隠しきれない。
いるま
らんは可愛く笑う。
らん
らん
いるま
らん
空に浮かぶ大きな花火。
もちろん綺麗だけれど、
俺には、すぐそばにある彼の目が、
何よりも、綺麗で美しく見えた。
いるま
机の中から、一枚の紙を取り出す。
端は折れて、何度も消した跡がある、 第一希望の欄。
シワを伸ばし、改めて眺める。
いるま
ペンを持ち、紙の上を滑らせる。
あんなに迷いがちだった手も、 今日は、
少し清々しく思えた。
らん
花火の余韻が残る夜。
疲れからか、いつもよりも 早く眠ってしまい、
中途半端な時間に 目が覚めてしまった。
真っ暗な部屋で、 目が慣れるのを待つ。
らん
俺が元気だった頃の、昔の夢。
夢の中で、俺は桜の木の下に うずくまっていた。
…隣に、誰かがいた。
らん
何度思ったことか。
でも、わかっている。
らん
そんなこと願っても、
全部無駄、ってこと。
…神様なんていないって、
俺が一番分かっているから。