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謎解きは幽霊とともに

9 - 謎解きは幽霊とともに -タイムカプセル- 第3話

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2019年05月05日

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シン

シン

調べたところ、井上さんの住所はこの辺りだ

シン

尾行調査、頼むぞ

トウコ

任せておいて

トウコ

幽霊だから、ストーキングは得意だからね

シン

上野先生、起きてください

上野先生

うーん…よく寝たぁ

シン

どうして先生はタイムカプセルで寝ているんですか?

上野先生

意外と寝心地が良いのよー

上野先生

暗くて静かで落ち着くの

上野先生

お墓の中って、こんな感じなのかしらねえ

上野先生

それなら、お墓の中で眠るのも悪くないかもね

上野先生

それで、今日はどうしたの?

シン

先日言った、偽装工作の件です

上野先生

自殺願望のある幼なじみを止めるってやつね

シン

そうです

シン

やはり当事者である先生と一緒に考えたほうが

シン

説得力のある嘘を作れると思ったので

上野先生

たしかにそうね

上野先生

いいわ、楽しそうだし協力してあげる

上野先生

それで、何から始めるの?

シン

まずは、タイムカプセルから出てきた手紙についてです

シン

俺の幼なじみ、ミノリはこう考えています

シン

元々は別の手紙だったものを

シン

幽霊が書き換えたのだ、と

上野先生

すごい、合ってるじゃない

シン

ミノリは勘だけは良いので…

シン

それで、元々の手紙というのはどういうものだったんですか

上野先生

私のあつーい想いを込めた手紙よ

上野先生

愛の告白ってやつね

シン

おどろおどろしい文字は、書き換えの結果ですか?

上野先生

それなんだけど…

上野先生

元々、ああいう字だったの…

シン

えっ…

上野先生

わかってる、へったくそでしょ

上野先生

生徒たちにずっとバカにされたもの…

シン

(あんな下手な字でラブレターって…)

シン

(実際貰ったら笑っちゃうんじゃないか?)

シン

ま、まあ、それは置いておきます

シン

ここで考えなければならないのは

シン

愛の告白の手紙が、どうして殺人の告発に変わったかです

シン

霊的な力に頼ることなく

シン

現実的な手段で実現しなければなりません

上野先生

難しいねぇ

上野先生

まずタイムカプセルを掘り起こす段階で無理だと思う

上野先生

学校内の敷地だから管理が厳しいし

上野先生

硬い土の下に埋められていたから

上野先生

掘ったら一目瞭然だからね

上野先生

仮にバレずに掘り起こせても

上野先生

中の手紙は特殊な袋で封がされているから

上野先生

一度開封したら元に戻せないのよ

シン

同じ袋を用意してはどうでしょう?

上野先生

それもダメね

上野先生

袋自体に耐水マーカーで寄せ書きしてあったから

上野先生

同じようなものを再現するのは難しいと思う

シン

なるほど

シン

なんだか密室に挑戦しているみたいですね…

上野先生

ふふふ、そうね

上野先生

先生もミステリーが好きだから楽しいわ

シン

他の問題点も挙げていきましょう

シン

仮に、何らかの方法を使って

シン

先ほどの問題をクリアしたとします

上野先生

手紙を取りだすことができたってことね

シン

そうです

シン

では、なぜ手紙を書き換えたのか

シン

という疑問が浮かび上がってきます

シン

実際、先生は事故死でしたから

上野先生

気持ち的には井上くんのせいだけど

シン

先生の気持ちはわかります

シン

しかし、まさか濡れ衣を着せるわけにもいきません

シン

なぜ、「私は、井上くんにころされた」という文面なのか

シン

そして誰がそのように書き換えたのか

シン

説得力のある理由を作らないといけません

上野先生

うーん、誰が、なぜそんなことを、かあ…

上野先生

実際にそんな面倒くさいことする人なんて

上野先生

いるわけないしねぇ

シン

そうですよね…

上野先生

うーん…

上野先生

タイムカプセルを掘り起こすのも

上野先生

手紙を書き換えるのも

上野先生

手段や動機の面から考えても現実的じゃないね

シン

ですね…

シン

それなら、発想を変えてみましょうか

シン

そもそも、タイムカプセルを掘り起こす必要はなかった

シン

そして、手紙も書き換える必要はなかった

シン

というのはどうでしょう

上野先生

どういうこと?

シン

つまり、元々手紙はあの状態だったんです

上野先生

えっ

上野先生

「私は、井上くんにころされた」っていう、あの文面?

シン

そうです

上野先生

でも、当時は真剣に井上くんのことを想ってたのよ

上野先生

周りにもそれがバレていたし

上野先生

殺人の告発をタイムカプセルに忍ばせるなんて

上野先生

当時の私からしたらありえない発想よ

シン

そうですね

シン

だから、こういうのはどうでしょう

シン

首尾はどうだ、トウコ

トウコ

シン、それに上野先生も

トウコ

すごい収穫だよ

トウコ

井上さんの周りで起こっていた出来事はね

トウコ

やっぱり人間の仕業だったよ

トウコ

ほら、見て

トウコ

あそこにいる人、ずっと井上さんをつけ回していたの

トウコ

怪しい手紙を郵便受けに入れるところも見たよ

上野先生

えっ

上野先生

あの人…

シン

先生、あの人に心当たりが?

上野先生

ええ…

上野先生

彼もあの場にいたからね

上野先生

まさか彼が、井上くんに…

上野先生

でも、たしかに彼しか考えられないわね

上野先生

それでも信じがたいけど

シン

どういうことなんですか?

上野先生

あの人はね、坂下くんって言うんだけど

上野先生

実は私…

上野先生

当時、坂下くんにも告白されていたんだ…

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