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俺は恋をしている。
優しく微笑むあの子に。
初めて会ったあの時、
一瞬で恋に落ちた。
俺はそれと同時に知ってしまった。
あの子がもうすぐ死んでしまう事を。
仲良くなれたのに、
もっとたくさんの事をしたかった。
その時は少しずつ迫ってくる。
1日、1秒も惜しいのに、
時間は待ってくれない。
一回だけ、
一回だけ神様にお願い出来るのであれば 彼を救いたい。
運命は変えれない、
最期は皆死んで逝くのだから。
でも、
出来るのであれば、
あの子を救いたい。
俺が分かるのは、
死ぬその時までの時間と死因。
なんて無力なんだ、
親友…ですら救えないなんて、
こんな能力の意味ないだろ。
神様は一度救えなかった俺に、
罰を与えてる。
きっとそうだ。
そんな事を考えてる今も、
時間は着々と進んでいる。
助けられたら、よかった。
俺が恋したあの子は、
今日、亡くなった。
俺はひどくグシャグシャな顔をしているだろう。
涙で前が見えない。
帰り道も下を向くばかり。
そのとき、
陸斗
古い時計を見つけた。
誰かの落とし物だろう、
そう思い拾った。
時計は凄く高価で昔の物みたいだ。
交番に届けよう、
そう思い、道を引き返した。
カチッカチッ
その瞬間、時空が動きだす音がした。
思わず目を瞑ってしまった。
颯斗
聞き覚えのある声がする。
陸斗
思わず声をあげてしまった。
陸斗
涙が溢れる。
これは夢?
この世にこんな世界一幸せな夢が あっていいのだろうか。
彼は、颯斗はまっすぐこっちを見ている。
心配そうに、俺を。
颯斗
颯斗
優しい声で問いかけてくる。
陸斗
陸斗
驚きすぎて、 情けない声しか出ない
これ以上幸せな夢を見ていたらダメだ。
そう直感で感じた俺は、
目を覚まそうとする。
起きれない、
どれだけ深い眠りに沈みこんでいるんだ。
どう頑張っても起きれない。
心配そうに俺を眺める颯斗を横目に、
自分の頬を叩く。
陸斗
夢ではない…?!
焦りながらスマホを取り出す。
6月…28日…
あの日最後に見た日付は7月6日だったはずだ。
過去に戻ってる…?
もしかすると、
神様は俺にもう一度チャンスを くれているのだろうか。
あの古い時計はただの時計では なかったのだろうか。
一瞬のうちに色々な事が頭の中を 泳ぎ、浮かび、沈んでゆく。
俺は颯斗を見た。
死ぬまで残り7日…
死因は事故。
もしかしたら、救えるかもしれない。
それなら、今すぐ動くしかない。
これは俺だけの颯斗を救う、
極秘ミッションだ。
読んでいただきありがとうございました