キィー…キィー… それははるか高くから聞こえる。
垂直に見上げた天井の、中央にある長方形の巨大なシャンデリアがその正体だった。
沢山の硝子の装飾を柳の葉のように重たげに垂らし、不気味に暖かな光を灯す。
ゆっくり回転し、振り子運動をする様は見ている俺たちを不安にさせた。
訳の分からない建物に入り込んでしまった。
ここは高層マンションの巨大なエントランス。
けれど、昼間なのに建物の中も、この場所にも人の気配ひとつ無い。
ゆうた
しろう
ゆうた
しろう
ゆうた
2人は小走りで、先程入ってきた西側の門へ向かう。
ゆうた
しろう
鮮明な赤色で塗られた中華で古風な門を俺たちは改めてながめ
ゆうたが門の重たい扉へ手をかけた。
支配人
しろう
しろう
ゆうた
振り返るとそこには清潔な黒のスーツを着た、黒縁メガネの若い男が立っていた。
明らかに現世の人ではないような気を放つのを肌が感じた。
色の白い男はその無害そうな笑みを向けたまま、静かに立っている。
まるで俺たちが抵抗するだろうことをも見透かし、それが不可能であることをなだめすかすように。
しろう
ゆうた
支配人
支配人
しろう
ゆうた
しろう
ゆうた
しろう
重い鉄の扉は先程と比べものにならない程固く閉ざされている。
支配人
しろう
しろう
支配人
俺たちはすぐさまほかの門へ走った。
どの門の扉も重く、固く、男2人の全体重をかけて押しても全く動く気配はなかった。
ゆうた
しろう
しろう
ゆうた
天井のシャンデリアが嘲笑うように部品の擦れる音を鳴らし揺れている。
俺たちは焦っていた。 このままではまずい。 何かがまずい。 漠然とした恐怖が背後から覆い尽くすように襲ってくる。
しろう
支配人
支配人
支配人
支配人
支配人
支配人
支配人
そう言い、古谷が示したのは自動ドアの向こうに見える建物1階のロビーであった。
支配人
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