ピピピピピ…
愛花
んん、ふわぁ…よく寝た
愛花
(アラームを止めなきゃ…)
愛花は部屋のカーテンを開けようと窓へ近づく
愛花
あっ、まただ…!
窓際には
首を吊った死体が
ぶら下がっていた
愛花
…はぁ、もうやだ
愛花
(最近見るようになった)
愛花
(首吊り死体の幻覚…)
愛花
もう、うんざり…
愛花
(──そろそろ準備しなきゃ)
愛花はかかりつけの精神科医に相談しようと出かける準備を始めた
清水精神クリニック
清水
部屋で首吊り死体の幻覚か…
愛花
はい、最近見るようになって
愛花
気味が悪いんです…
清水
部屋のどの場所で見るようになったの?
愛花
ベランダのある窓際です
清水
なるほどねぇ
清水は首を傾げながら
カルテに私の状況を書き込んでいく
清水
じゃあ芦屋さんには
清水
新しい薬を処方しておくね
愛花
はい、お願いします
愛花
(…!?)
愛花
(先生の首元に鎖が巻かれてる…!?)
愛花
先生、首に…っ
清水
え、首がどうかしたの?
愛花
(…あ、そうか)
愛花
(これも幻覚なんだ)
愛花
…いえ、何でもないです
清水
はは、何かあれば何でもいってね
愛花
はい…
愛花
(まいったな、とうとう先生の首にまで)
愛花
(幻覚を見るようになったみたい)
愛花
(でも、首に鎖なんて何か不吉だな…)
翌日
愛花
やっぱり、先生の首にあった
愛花
鎖がどうしても気になる…
愛花
少し気が引けるけど、今日も診察して貰おう
キャスター
では、次のニュースです
キャスター
清水精神クリニックの医師
キャスター
清水幸広さんが首を吊って死んでいるのが
キャスター
今朝、発見されました
愛花
嘘…そんな!
愛花
先生が…
愛花
じゃあ、あの首元の鎖の幻覚は
愛花
これから自殺しようとしてる人に現れるって事?
愛花がパニックになりかけたその時
ふと鏡に映った自分の首元に──
愛花
縄が巻かれている…!!
愛花
ひっ…!やだ、何これっ
バリバリバリバリッ
血が出るほど掻きむしるも
縄は全く外れる気配は無かった
愛花
あぁっ、全然取れないっ!
愛花
どうして!?私は自殺したいほど
愛花
追い詰められる訳じゃないのに、何で…っ
愛花
(でも、鎖の幻覚の見えた先生は死んだ)
愛花
それじゃあ、誰かが
愛花
私を殺そうとしてるって事…!?
愛花
どうしよう、誰かっ誰か助けて!
愛花
…勇紀に相談しよう
愛花
(弟の勇紀なら、私の気持ちを分かってくれるはず…)
勇紀
もう、突然何も言わずに
勇紀
しばらく泊まれ、なんて
勇紀
ちょっと強引過ぎじゃないの?
愛花
ごめん、でも勇紀にしか頼めなくて…
勇紀
まぁ良いよ、特に不便もないし
勇紀
姉さんの気の済むまでここに泊まってあげるよ
愛花
ありがとう!
翌朝
愛花
ううっ、苦しいっ…!
愛花があまりの息苦しさに目を覚ます
愛花
(なんで…!?)
愛花
(ベッドで寝ていたはずなのに…っ)
愛花はドアノブにタオルで括り付けられ
首吊り状態になっていた
愛花
ぐ、ぐがっ…






