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澤本君の心の中が面白い(笑)あと、なんでも叫ぶ主人公もツボ
でもほんとに付き合ってほしい!
2人ともお似合いすぎ! もう付き合っちゃぇ~と言って良いのかな?w
まだ、遅い時間でもないのに世界がどっぷりと闇に浸かっている
エレベーターを待ちながら、ぎゅっと胸元を握りしめた
あたしはただ澤本君が心配なだけで
それに澤本君は絶対そんなことしないって思ってた
女の子ならだれでもいいの?
好きじゃなくてもあんなことできるの?
先輩のことまだ好きなんじゃないの?
先輩ともあんなことしたの?
突風が心の中で吹き荒れる
エレベーターがきて静かにその中に入った
花奏
ぐずっと濡れた目尻をぬぐって、出口を目指した
つかまれた手はまだ熱い。 触れられたとこも熱い
エレベーターをでて自動ドアの前でふと立ち止まる
このオートロックのドアを出たら澤本君のところには戻ることはできない
あんなことされてもなぜか澤本君の辛そうな顔が浮かぶ
口にはしないけど、あたしがいなくならないか不安そうに見ていたあの目
しかも、風邪でいつも以上に甘えてくるくせにお母さんに言ってないからあたしが来るまで一人で心細かったにちがいない
それにあたしは病人の澤本君をほおって帰ったとしても絶対後で後悔する。 この前のやつでものすごく後悔したから、もう後悔なんてしたくない!
花奏
あたしは気合を入れてドアに向かって歩き出した
花奏
静かになった部屋で俺は寒さに震えていた。 うそ
寂しさにふるえていた
今までこんなことなんてなかったのに
きっとそれは風邪で頭がおかしくなっているからだ
ただでさえそんな調子なのに、あのバカやろうが
彼氏が欲しい欲しいって言ってるくせに全然男の事わかっていない、大馬鹿野郎が突然わかったような口をきくから
心底イラっとした
相手が俺だったからよかったものの、他の男相手なら確実に絶対
蓮
蓮
胸の痛む咳が出る
花奏
花奏
花奏
あたしが急に声をかけたせいか、寝ていた澤本君が勢いよく起き上がった
蓮
蓮
花奏
ふんっと!腰に手を当てて澤本君を見下ろした
いつもはひょうひょうと何を考えているかわからないような、感じなのに今は熱のせいか赤い頬のまま口をパクパクさせている
蓮
花奏
なにか言いたげな澤本君のことばをぴしゃりと切って、澤本君を寝かしつける
それからしばらくは澤本君がなんやらぶつぶつ言っていたけど、あたしはそれを全部無視して、自分のご飯まで作った。
発熱、息切れで赤い顔した澤本君も、もう抵抗することをあきらめたんだろう
何も言わずにおかゆのリメイクしたうどんをすすっていた
蓮
花奏
蓮
花奏
いつもみたいにイラっとすること言ってくるけど、もうさっきみたいな澤本君はもういない
さっきのことは今度お菓子をおごってもらうってことで許してやろう
蓮
花奏
蓮
花奏
だって澤本君。 あたしが部屋に帰ってきたとき
めちゃくちゃ驚いたような顔してたけど、だけどその顔の片隅で、なんだかうれしそうな顔してたもん
花奏
蓮
2人の夜は始まったばかりだ
花奏
翌日の澤本家は、花奏のそんな悲鳴から始まった
高2の秋
ベランダに閉め出しを食らったと、噂になった女がいた
正直全く興味もなかったけど朝陽たちがずっと話していたから嫌でも覚えた
蓮
でもその時は、他のやつらみたいにその噂話に乗っかることもできなくて、ただぼんやりと過ぎていく日常の中にいた
花奏
いつも通りぼーっとしていると、俺の横にはクラスメートのやつが
一度も話したことない女
男子
顔もうる覚えで周りにいた男子がこういったことでこの人の名前が神崎であることを知った
この人がね…
その日時の人となっていた、ベランダに閉じ込められた女だった
それがほんの二か月前の話だ。
なのにこの女ときたら…
ひよりがこれないからちょっと頼っただけで
花奏
とか言って母親面してやがる
数時間前にはおかゆとして出てきたやつが今度はうどんとして出てきて、これおいしいのかよ。なんて思ったけど
これは結構ありかも
だからっていくら何でも野菜が多すぎる
それにあんなことがあったのに、この女はひょうひょうに人の家に泊まると言っている
これだから彼氏がいたことない奴は…
危機感ってものがないんだ
信じられない
ひよりや健たちに連絡しても
健
朝陽
風真
風真
朝陽
葵
ひより
ひより
ひより
てことで、話も通じないし
危機感ってもんがないんだ
しんじらんねー
花奏
それともう一つ
この女の特徴は何でもかんでも叫ぶこと
蓮
花奏
花奏
花奏
ほんとこれだから
いつのまにか母親面して、こんなところまではいってきている。 本物の親だってこんなことしてこなかったのに
蓮
蓮
蓮
花奏
花奏
勢いよくしまったドアの向こうから、再び花奏の悲鳴が響いた
始まりは花奏の顔があまりにマヌケだったから、気晴らし程度のものだった
先輩との関係を脅すだの言ってきたくせに、写メや動画の一枚の持たないで
ほんとばかだと思った
ベランダに締め出されるくらいのばかだ
パン屋学食にもあきてきたから、ちょうどいいってそうおもった。
それから初めて、教室で花奏の存在が気に泊まるようになった。
いつも一緒にいる沙友里と二人で仲良く笑っている
いつも机の上には教科書じゃなく雑誌を広げていつもそれらとにらめっこして
手鏡と向き合って櫛で前髪を溶かして何かごちゃごちゃやっている
どうやらそれは全部、ある目的のためらしい
花奏
恥ずかしげもなく、真剣な顔して、こんなことを言う。
教室でクラスメイトがいようが空き教室で健たちの前でも
彼氏よりも何より好きな人を作らなきゃどうもならないだろ
そんなことにも気づかないお子様で、見てていらいらしたから教えてやった
そうしたら、それをこいつは先輩に話をしていた
授業中にへました罰でやらされているコピーの最中に、先輩と話をしていた
湯舟に浸かって一度沈んで、何かをぬぐうようにかおの水滴を抜いた瞬間
花奏
ダンダンダンダン!
と、脱衣所のドアをたたいている
花奏って本当に…!
花奏
蓮
懲りないらしい
さっきは近所迷惑になるんじゃないかて位の悲鳴上げたくせに、20分もたてばシレっとしている
どういう反応をとるかってわかったうえで、俺はあえてその姿で外に出た
花奏
やっぱり花奏は、叫んだ
花奏
蓮
あきれて何も言えない
やっぱり今まで彼氏ができたことのない奴の思考は普通じゃないみたいだ
そして今、俺をベッドに座らせて、自分はそばに置いていた椅子に座って、鼻歌交じりで俺の髪を乾かしている
ちょっと音がずれている。 ドライヤーで、俺の髪をふわふわ触って、やっぱり母親気分
花奏
蓮
花奏
蓮
花奏
なんて言いながらまた髪を乾かし始める
花奏
突然悲しそうにいう花奏。 なんでそんな花奏が寂しそうにいうの
蓮
蓮
花奏
意地悪を言うといつもの元気な花奏に戻る
怒っていたり叫んだりする姿は、見ていてかなり笑える
花奏
蓮
花奏
蓮
後ろから、そばにあった雑誌でこうとうぶをたたかれる
蓮
花奏
花奏
ちらっと横目で見ると花奏は少し赤らんだかおをしていた
蓮
なぜかその姿にドキッとなった
こんなこと、なかったのに
熱のせいか、この時の花奏がかわいく見えたんだ